『絵本豊臣勲功記』 | 龍馬と夢紀行

『絵本豊臣勲功記』

昨年、名古屋市博物館の臨時古書即売会で購入した『絵本豊臣勲功記』。

初編全10冊揃のものです。

 

和本『絵本豊臣勲功記』は八功舎徳水著による豊臣秀吉の一代記。

幕末期の文久3年(1863)に吉澤氏蔵によって再販されたもの。

絵本とあるように挿絵がいくつかみられますが、

挿絵は武者絵で有名な歌川国芳が手がけています。

 

自社の歴史商品の図版として活用を見込んでいましたが、

現実的に利用する状況までに至っていませんでしたので、

束ねられた帯も解かずに自宅の書斎の片隅に置いていました。

 

ところが、ご承知のように大河ドラマ「豊臣兄弟!」が決定。

俄かに『絵本豊臣勲功記』に目を通すことが求められるようになり、

国芳が手がけた秀吉の巷説に基づく挿絵などをチェックして、

今後の利用を踏まえてデータベース化を始めることにしました。

 

「日吉丸(秀吉)誕生の圖」を手始めに、

利用可能と思われそうな挿絵50ほどをピックアップ。

 

これから「豊臣兄弟!」に絡めた商品制作の折に、

随時使用していこうと考えているところなのですが、

秀長自体の場面がなく、そこらへんはとても残念至極。

 

豊臣秀吉絡みの絵本でいえば、

作者不詳ながら色々な軍記から抜き書きして編集された『絵入太閤記』や、

江戸中期に書かれた秀吉の生涯を描いた大衆的読み物『絵本太閤記』が著名。

再来年放送の「豊臣兄弟!」までまだ時間がありますので、

機会があれば買い増していこうと思っています。