錦絵「春雪上巳襲撃」 | 龍馬と夢紀行

錦絵「春雪上巳襲撃」

一昨日と一昨昨日の二日間、

井伊直弼の話でしたが、今日もしばしお付き合いください。

 

安政7年(1860)3月2日夜、

水戸藩士らの一団は品川の妓楼で決別の宴を開いて徹夜で痛飲。

 

そして翌3日の朝を迎えて妓楼を出るとき、

水戸家に宛てるべく暇乞いの願書を認めます。

これにより水戸藩士は「水戸浪士」となって士籍から除かれました。

その足で港区の愛宕神社で待ち合わせた上で、さらに桜田門外へ向かいます。

 

片や大老・井伊直弼をはじめとする総勢64人は、

雪の舞う中、桜田濠に沿って江戸城に進むことになります。

 

井伊の行列を待ち伏せていた水戸浪士は、

先頭を襲う役を担った森五六郎が道端にうずくまり、

訴状を差し出す真似をしたことで、

井伊家の供頭が近づくことを見計らって、森は抜き打ちに斬りつけました。

 

その直後に水戸浪士の一人が狙撃と合図を兼ねて、

駕籠めがけてピストルを撃ち放つと、

その銃弾が駕籠の中の直弼の腰を撃ち貫いたのです。

こうして世に名高い桜田門外の変が勃発することになります。

 

さて、桜田門外の変は幕末期におけるエポックメーキングですので、

仕事柄、これまでも桜田門外の変に関する錦絵などを蒐集してきました。

 

そんな中、馴染みの錦絵専門店で、

早川松山画 「春雪上巳襲撃(桜田門外の変)」が売りに出されました。

絵師の早川松山は、

おそらく教科書などで一度は見られていると思いますが、

生麦事件を描いた「生麦之発殺」で有名な絵師です。

 

躍動感ある独特の描き方が感じられる作品なのですが、

早川松山による桜田門外の変に纏わる錦絵の存在を知り得ませんでした。

 

ということで、迷うことなど微塵もなく、

コンディションも申し分なく即購入の運びとありなしました。

 

いつものように、自社の歴史商品の図版として活用していくつもり。

きっと自社商品に彩りを添えてくれるでしょう。楽しみです。