皮肉な巡り合わせ
つい先日、東京神田の古書店で購入した絵図を紹介しました。
石田三成の水攻めで有名な忍城の戦いを描いたモノで、
掛軸仕様となった写しの絵図となります。
そのおりに、忍城水攻めの絵図を見かけたことがない旨を記しましたが、
そんなことを書いた途端に、まるでそれを嘲笑うかのよう展開で、
すぐに自宅の書棚にあった歴史雑誌の図版で同じようなものを発見。
なんとも皮肉な巡り合わせとなったのです。
歴史雑誌に掲載されていた図版の所蔵元のクレジットを確認すると、
忍城の地元である行田市郷土博物館所蔵のもと表記され、
「天正年間、水攻めを受けた頃の忍城。沼周辺は天然の要害、深田が広がる」
とのキャプションが添えられていました。
(※行田市郷土博物館所蔵)
そして、図版名は「天正年間武蔵忍城之図」とあり、
私の「天正年間成田氏忍城之図」とは少々異なりますが、
それでも図版の方位を回転させると、何やら同じ雰囲気が漂っていました。
(※私の所蔵品)
翌日、会社に出勤して私が所有する絵図と比べてみると、
彩色の濃淡などの違いはあるものの、
全体的な図に関しては酷似しているのがわかりました。
ただ、私の所有する絵図には、
少しばかり手前味噌になりますが、
石田三成、大谷吉継をはじめとする攻城側の武将名や陣容が記され、
忍城を守る成田軍側の陣容なども書き記されています。
だからといって私の絵図の方が良いというつもりなどありませんが、
おそらく両絵図とも同じような原本からの写しなのでしょう。
機会があれば、行田の絵図も観覧したいと思いますし、
こうなるとその原本を眺めてみたいとの思いが強くなってきました。