大きな地殻変動 | 龍馬と夢紀行

大きな地殻変動

久しぶりにタイトルに魅かれて購入した一冊。

70年にわたりマスコミの業界紙として知られていた

「新聞報」のバックナンバーを紐解きながら、

東海地方のマスコミ業界の歴史を振り返るといった内容の書籍。

 

もう広告業界から足を洗って20年が経過しましたが、

今一度、自分自身も広告業界について俯瞰して振り返ってみようと、

そんな思いとともに購入して味読させてもらいました。

 

仔細なことながら、現在は〝広告代理店〟とはいわず、

〝広告会社〟という表現が多く用いられているとのことらしい。

 

なるほど、メディアに掲載(放送)する単なるスペースブローカーではなく、

双方向性の時代に即した業界であることの認識を新たに、

クライアントサイドにさらに踏み込んだ業界であることを目指す。

 

そんな状況であることが〝代理店〟という文字の消滅を示し、

その蛻変度合いまでも物語っているように受け取れました。

とても良いことであると思います。

 

こんな業界表示の認識一つを取ってみても、

充分に自分が浦島太郎状態であるということを自覚させられました。

 

さて、近年の日本の広告費(7兆3000億円)を鑑みても一目瞭然。

20、30年ほど前の広告業界というものは、

マスコミ四媒体(新聞・テレビ・ラジオ・雑誌)が主体を占め、

典型的な〝寄らば大樹〟の陰といった感じで、

猫も杓子もといった感じで業界の全てが媒体に靡いていました。

 

それが今では、マスコミ四媒体の広告費を合算しても、

インターネット広告費に遠く及ばずどころか、

1兆円という大きなギャップができている現状が全てを物語っています。

 

このような大きな地殻変動が業界を席巻している中で、

従来の〝広告代理店〟では時代に取り残されてしまいますから、

まずは変わらざるを得ないところでしょう。

 

大学を卒業して22年間、お世話になった業界。

それゆえに広告業界が発展し続けてほしいと願う一人でもあります。

 

書籍に話を戻せば、

懐かしい話も散りばめられ、楽しく味読させてもらいました。