カタルシスを求める | 龍馬と夢紀行

カタルシスを求める

作家の沢木耕太郎氏の『深夜特急』だったと思うのですが、

大学を卒業して社会人1日目となる入社初日に、

雨が降ったとかで退職してしまったというエピソードがあります。

これはまさに最速のアーリーリタイアではないでしょうか。

 

今日は朝から生憎の雨、

それでいて今日は諸事にあたらねばならないことがあり、

名古屋の事務所に出ずに自宅書斎に籠って仕事に没頭。

 

少しの疾しさを紛らすために冒頭のエピソードを思い出しました。

ある種のカタルシスを求めたのかもしれません。

 

さて、自宅で会社と電話やメールのやり取りを行いながら、

私はひたすら来年度の歴史カレンダーの企画に取り組みました。

 

これまで来年度の幕末・戦国手帳の制作と、

他の歴史商品の制作に追われるような状況に陥り、

来年度の幕末・戦国の歴史カレンダーに取り掛かることができず、

全くの手付かず状態でお尻に火がついた感じになりました。

 

このままズルズルいってしまうと正直マズイ。

デザイナーなど周囲に対して慙愧の念に駆られる前にと、

今朝から自宅のパソコンと対峙しながら作業を進めた次第です。

 

すると夕方に会社から報告が入ってきて、

懸案事項となっていた関東の某歴史館での商品の販売について、

年度末の3月をもって販売終了を告げられたとのこと。

 

インボイス制度導入によって、

委託販売の場合は店舗側に煩雑さを生むだろうと想定はしていましたが、

それが顕在化した初案件となってしまいました。

 

歴史館側が買取りに取引変更することで、

販売継続する方向も模索していただいたようですが、

最終的にこの時期から新規の予算取りも思うに任せずということで、

既述のように3月をもって販売終了が決定しました。

 

これは致し方ないことだと解釈していますが、

ここから次のくだり個人的に少し腑に落ちない。

 

今回のことを歴史館側から役所側に話をしている段階で、

「一社に偏った販売になっている」と役所側からチクリと刺されたらしい。

関東のこの施設に足を運んでいる営業スタッフによると、

確かに売り場における弊社の占有率の高さが際立っているとのこと。

 

それでも、こういう言葉を間接的にでも聞かされると、

単細胞な私としては鷹揚な大人でいられなくなります。

 

そして、そんな話の流れを聞きながら心の中では、

「冗談いっちゃいけないよ!コロナ禍で歴史館が閉館していた時も、

 来るべき時を待ち続けながら通常通り商品を作り続けてきたのだ!」と、

決して他言しませんがひとりで感情が渦巻くのです。

 

まま、これは歴史館側からの話ではなく、

現場を知らない役所側の話ですので心の中に収めますが、

最後もカタルシスを求めなければならない展開となりました。