「月見の宮大杉」とは | 龍馬と夢紀行

「月見の宮大杉」とは

昨日に引き続き「月見の宮大杉」について少々。

 

今回、あま市の歴史講演会で展示した「月見の宮大杉」は、

あま市出身の戦国武将・福島正則が、

関ヶ原の戦いで陣を構えた春日神社の境内にそびえ立つ大杉です。

 

この大杉は、樹齢800年を数えるとともに、

「関ヶ原合戦図屏風」にも描かれた伝説の一本杉です。

既述のように樹齢800年ですから、

慶長5年(1600)9月15日に行われた天下分け目の戦いを、

静かに見守っていた生き証人といえるかもしれません。

 

この「月見の宮大杉」は、

昭和36年(1961)に関ケ原町指定天然記念物に指定されていましたが、

平成23年(2011)8月16日の台風による暴風雨に見舞われ、

自らの重みに耐えきれず大枝が折れてしまい、

やむなく切り落とされる運命になってしまったのです。

 

そして折れた大枝は切断されて民間に払い下げられて、

さらに細かくされて根付・ストラップなどに形を変えて販売されることに。

 

たまたま関ケ原町内の関係者から、

根付・ストラップとは別に少し大きめ目のものが販売されていると聞き、

その情報に基づき製造者のもとに馳せ参じると、

販売用とは比べものにならないような、非売品の立派な大杉の輪切りが。

 

狙いを非売品の一点に絞って、ダメもとでの直談判を。

先方の社長は「これは絶対に売れません!」との一点張り、

「そこをなんとか、、、」という私との応酬の繰り返し。

 

なんだかんだと30分ほど交渉した結果、

私の粘り勝ちとなり非売品の輪切りされた断片を譲ってくれたのです。

無論、値段は言い値ということになりましたが、

自分にとっては満足のいくプライスだった気がします。

 

この「月見の宮大杉」の大枝の貴重な一部は、

紛れもなく関ヶ原の戦いを見守っていた木ですので、

時代の息吹が刻まれた年輪を見るたびに、

400年前の歴史的な戦いに想いを馳せることができるのです。

今回の講演会で来場者に見てもらうことができ何よりでした。