口碑に残る書店
今週の地元新聞の朝刊二社面に、
「ちくさ正文館」閉店の記事が三段抜きで掲載されました。
全国的に知られる書店だけに、とても残念な記事に映りました。
かつて私が広告代理店に勤務していた頃、
この「ちくさ正文館」から程近いところにクライアントがありました。
そこでの打ち合わせを終えると、
足繁くこの書店に顔を出していたことを思い出します。
名古屋駅前や栄エリアという名古屋の二大中心部には、
それぞれ大型書店が犇いていましたが、
どこも似たり寄ったりの平積み書籍中心の品揃え。
ところが「ちくさ正文館」は独自の品揃えが展開されていて、
この書店に行くと本の背表紙を眺めるだけで楽しくなれるのです。
だから個人的にここはワンダーランドみたいなものでした。
広告代理店時代は広告本やマーケティング本が目当てでしたが、
起業して歴史業務を始めたことで、
自ずと手にする書籍には変遷が見られますが、
ワンダーランド的な感覚に変化は見られませんでした。
閉店の要因は御多分に洩れず、
売り上げの減少と経費の高騰などが挙げられ、
さらに建物の老朽化が追い打ちをかけたとのこと。
近年、出版不況が叫ばれる中、
続々と書店の閉店や廃業が相次いでいますが、
ここにきてまた有名店も煽りを受けた格好だ。
新聞の小見出しにもあるように、
「名古屋の文化拠点があまた一つ」7月末に消えますが、
個人的には口碑に残る書店だと思っています。
近いうちに足を向けてみたいと考えています。