板垣退助の書簡 | 龍馬と夢紀行

板垣退助の書簡

昨日、幕末の万年カレンダー新版について書きました。

 

幕末オールキャストで綴るこのアイテムは、

弊社のロングセラーとしての位置付けを明確にしています。

 

そのまま重版をすればコストも抑えられるのですが、

ここにコストを度返しする自分の性分が出てしまい、

とどのつまり時間とコストをかけて新版に作り替えることになりました。

 

よくよくこのような展開があるのですが、

こんなときはいつも、大丸店祖の下村正啓の言葉を借りて、

「義ヲ先ニシ利ヲ後ニスル者ハ栄ユ」と自分を落ち着かせるのです。

今回も然りでありました。

 

さて、今回も幕末偉人の31名を日替わりでピックアップ。

いつものように名言あり、略歴あり、略年譜あり、関連出来事あり、

さらにペリー直筆書簡をはじめ、

偉人の遺墨なども図版として掲載するてんこ盛りとなっています。

 

そして、今回のアイテムにも私が個人所蔵する遺墨4点を使用しますが、

そのうち偉人の書簡に限っていうと、

「大久保利通」「木戸孝允」「板垣退助」3人の書簡を掲載。

 

大久保と木戸の書簡はそれぞれ真筆のお墨付きを頂戴していますが、

板垣退助の書簡に関しては、真贋の鑑定がなされておらず、

今回、板垣ゆかりの施設から肖像画を借用していることもあり、

成果品を送ったときに訝しまれはいけないと考えていました。

 

そのような状況で、今週の月曜日に監修者と会食した折に、

校正用の原稿一式とともに板垣の書簡コピーを持参したのです。

個人的には大丈夫(真筆)と思っていても、

世に板垣の書簡が少ないといわれている現状もあり、

やはりお墨付きをもらわないと、どこか不安が過ぎります。

 

そうして監修者に板垣の書簡に関して判断を仰いだのですが、

〝よいでしょう〟との言葉を受け取り安堵しました。

 

晴れて図版として掲載する板垣退助の書簡は、

板垣退助が同郷の政治家・実業家として活躍した大江卓に宛てた内容のもので、

大江の求めに応じて面会の日時を伝える内容が記されています。

 

大江は下級武士の家に生まれ、土佐陸援隊に入り討幕運動に参加。

維新後、神奈川県権令としてマリア・ルース号事件を裁き国際的に評価された人物です。