良い買い物となりました
過日にブログで紹介しましたが、
何とも珍しい抽選方式によって落札した軸装の「武田信玄像」。
当選報告を受けてから一週間ほどで自宅に届けられましたが、
きっちりと梱包された古箱には請求書が添えられていました。
初めての取引となりますので、
すぐさま振り込みの手続きをして晴れて私の所蔵となりました。
現物を手にして家の中で掛けてみると、
軸装の上部あたりに虫穴が認められ少し気にはなりましたが、
本紙に描かれた武田信玄像はこれといった損傷などもなく一安心。
さて、本作は江戸中期作の紙本着色のものとされ、
落款署名はないものの巻止に「梅軒冨信筆」と記されていました。
この状況で額面通りには受け取れませんが、
一応、鵜呑みにして「梅軒冨信」で記すと、
金杉片町狩野家の梅雲の子で朝鮮への贈呈屏風などを制作した画家らしい。
本品は良い顔料が使われているようで、
概ね300年前の作として、その発色に素晴らしさを感じることができます。
今回も仕事使いでの購入となりましたので、
この手の肉筆画に関しては作者云々というよりも、
むしろ自社商品の図版としてのマッチングの方が肝要で気になります。
その点でいうと、この肉筆画は申し分なさそうです。
そして、骨ばってごつごつしている信玄の武骨さが描かれていて、
これから自社商品の図版で大いに存在感を示してくれそうです。
これで戦国時代の武将などを描いた肉筆画の所蔵は、
「千利休」「豊臣秀吉」に続いて3点目となりましたが、
錦絵などとは違う良さというものがあります。
これからも縁をいただければ買い足していくことになるでしょう。
今回の「武田信玄像」は本当に良い買い物となりました。