幕末を象徴する出来事 | 龍馬と夢紀行

幕末を象徴する出来事

昨日の吉田松陰に引き続き、

今日は松陰を処罰した大老の井伊直弼についての話を少々。

 

幕末を象徴するエポックな出来事といえば、

白昼堂々と大老が暗殺された桜田門外の変などが挙げられます。

単にショッキングということだけではなく、

この桜田門外の変は幕府権威までも失墜させた大事件となりました。

 

物事の嚆矢は、

水戸藩元藩主の徳川斉昭が安政の大獄で国元永蟄居を命じられ、

さらに幕府から勅掟(戊午の密勅)返還問題などで、

水戸藩の下級武士を中心とする激派が反発を強めたこと。

 

ここから関鉄之助や高橋多一郎らが水戸藩を脱藩し、

薩摩藩士と計画をした大老・井伊直弼の襲撃を実行に移すわけです。

 

雛の節句で諸侯が江戸城に登城すると定められていた日に、

江戸城に向かう井伊直弼の行列があらわれると、

襲撃側の合図である銃声が一発轟くと、

潜んでいた水戸藩浪士ら18名が井伊直弼の駕籠めがけて殺到。

 

不意をつかれた井伊の家臣たちは、

雨合羽と柄袋が邪魔をして襲撃への対応が遅れたことが命取り。

井伊直弼は駕籠から引きずり出され首級を落とされる羽目に。

 

雪に見舞われた日の出来事でしたが、

雪に滲んだ鮮血が生々しさをより鮮明にしたといいます。

 

桜田門外の変は、

井伊の恣意的な政治と尊攘派弾圧に対する怒りの結果でしたが、

大老の暗殺という前代未聞の出来事は、

前述のように幕府権威を失墜させ、政情を転換させる契機となったのです。

 

さて、そんな桜田門外の変がリアルに描かれた錦絵を購入。

豊宣画の「近世桜田の雪」三枚続きの内容。
今から140年前の明治17年(1884)に制作されたものです。