先日、日本を代表する指揮者、小澤征爾の訃報を受け、

 

自分はどれくらい小澤さんの指揮する曲を聴いたかな・・・と振り返る。

 

 

小澤さんが振る、この曲でないと気がすまない。というものは残念ながら浮かばないのですが、何故か1982年にベルリンフィルを指揮したベルリオーズ幻想交響曲の録音が

スマホのメモリに入っていた時期があり、よく聴いた。

 

 

小澤と言えば幻想、という時期があったそうで、比較的ストレスなく(?)聴けるこの演奏は、

 

大学院時代の電車内、実験室の中などでよく聴いていたと思う。

 

 

いいですよね、ベルリオーズ。幻想交響曲。

 

 

実に様々なタイプの演奏があり、鐘の音やスピード感、ドロドロした感じ、はたまたライトな感じ。

 

どれも捨てがたく、その違いも含めて聴いてしまう曲ですが、

 

一応、曲のあらすじを。

 

 

女優への恋に破れた芸術家が、アヘンで自殺を試みるも失敗。

昏睡状態で幻覚を見る。幻覚内で芸術家は女優を殺害し、その罪で死刑となる。

死後、芸術家は女優も加わった魔女たちの饗宴に遭遇する。

 

 

バチバチに狂った設定ですが、意外と明るい曲調が続き、最後の乱痴気騒ぎは聞き所。

 

 

何故かいつも、ゲーテのファウストに出てくるワルプルギスの夜が思い浮かぶ。

まあ、魔女の乱痴気騒ぎという点で同じですから、そりゃそうか。

 

 

 

きっと、頭の中がごちゃごちゃしていた大学院生時代を癒やす一曲になっていたのだろうと思います。

 

 

むちゃくちゃなストーリーでも、音楽を聴いてすーっとごちゃごちゃがとれてくるとは、いったいどういうことなのか。不思議だ。

 

 

 

そんなことを思い出しながら、

個人的追悼として、今夜は小澤征爾を聴くことにする。

 

 

youtubeでボストンでの最終公演と謳った、マーラー交響曲第9番を見つけ、聴く。

1時間半。

 

 

んんー。

 

 

チャイコフスキー交響曲第6番と迷ったのだが、

こっちにしておけばよかった、か??

 

 

2曲目を聴く体力が残されておらず、断念。寝よう。

 

 

 

なんともいいかげんな追悼ですが、

 

日本のクラシックを欧州に食い込ませた偉大なマエストロ。小澤征爾さんに感謝。

 

 

亡くなってしまった次の日からも、その雄志を拝むことがたやすくなった、今の時代にも感謝です。

 

 

 

富永 隆史