病院に出す書面や前頭側頭型認知症と診断されてからの日記をもとに「回顧録」として書いてきたのも、これで最後。
次からはリアルタイムの更新にしていく予定だ。
二度目の便失禁の前日、1月4日の昼間に話は戻る。
介護認定のために調査員に渡した書面を、通院先の臨床心理士Sさんにメールで送ったところ、電話をいただいた。
書面はもちろん主治医に渡し、Sさんも目を通したがとても心配だ、と。
「次の診察日が1月16日と少し先なので早めた方がよいと思いまして・・・11日の9時に予約が取れますがどうでしょうか」と。
昼夜逆転と夜中の散歩、便失禁。
このトリプルパンチは病状の進行が速いということを示しているし、私の負担が大きい。
特に夜中の散歩は事故の可能性も高いので、本人保護の観点から早めに再診を受けて、入院加療も考えた方がよいのではないか、とのことだった。
実はたいしたことはないので回顧録の中には書かなかったが、年末年始期間の散歩で三回ほど転倒している。
いずれも夜とはいえ早い時間で、枯葉で滑った程度。
ズボンと手のひらが汚れるくらいで怪我はなかった。
でもこれが夜中の公園だったら?階段だったら?もし頭を打って意識がなくなったら?
そう考えると怖いので、「本人保護」という言葉が胸に響いた。
本当にありがたく、この病院を選んで良かった、と思った。
その同時に「ああ、そうか、もう危険と思える状態なんだ」と悲しくなってしまったのも事実だった。
がしかし、昼夜逆転している主人を朝の9時に病院に連れて行くのはどう考えても無理である。
家をでる時間(8時頃)はちょうど完全に寝ている時間であるし、家を出るまで4時間くらいかかるので、そうなると夜中の4時くらいから支度のための声掛けをしないとならない。
それは私も無理だ。
丁重に事情をお話して、再診日は予定通りとした。
「無理をしないで・・・とにかく奥様はご自分の身体を一番に考えてください。もし再診日までにどうにもならない、と思ったらすぐ電話くださいね」
その言葉が心の底から有難かった。
1月5日には、年末にメールを入れておいた若年性認知症に詳しい団体の方からもお電話をいただいた。
ここは地域包括センターの方に教えてもらったところだ。
主人は67歳なので若年性ではないものの、老人性でもないという中途半端な年代。
もしデイケアに行くとなっても、80歳90歳の人が多いところだとレクリエーションにも無理があるだろうし、本人が行く気にはなれないだろう。
そう思って相談したところ、教えてもらったところだった。
電話をくれたWさんは、私のメールを見てすぐに受け入れ先を探してくださって、
そう遠くないところで一か所、若年性の方のためのコミュニティだが65歳以上の方も多くいるところを探してくれていた。
そこの代表とも既に話をしてくださっており、受け入れOKの約束ももらっていてくれていた。
なんと有難いことか。
介護認定は訪問調査があったばかりというのもメールに記載しておいたので、
認定が下りたらその団体の代表に電話してください、と電話番号を教えていただいた。
昼夜逆転がひどいので先にそちらの対策をしてから、という点もご理解いただき、
いつでも連絡くださいね、と言ってくださった。
皆さんのお心遣いが心に染み入る・・・。
そんな年明けだった。