余命(回顧録15 2023年12月➄) | 夫が前頭側頭型認知症になりました

夫が前頭側頭型認知症になりました

2023年12月に夫が67歳で「前頭側頭型認知症」と診断されました。
現在進行形の介護をブログにしていきます。

前頭側頭型認知症と診断されたものの、この病気のことを全く知らない私は翌日から仕事の合間や寝る前にネットで検索をしてたくさんの記事を読み、認知症に関する本をいろいろとKindleで購入した。

今まだ症状が軽いうちに、今後のために少しでも情報が欲しかったのだ。

 

そして読み進めるうちに、この病気の恐ろしさを知り心底震えあがった。

前頭側頭型認知症は比較的若い人に発生すること。
記憶障害は比較的少ないこと(主人は短期記憶、中期記憶の欠如が出ているが個人差のよう)
暴力的な行為や万引きなどをすること。
筋肉や呼吸器にも影響が出てくるそうで、余命が6~10年であること。

余命があるというのに心底ショックを受けた。
認知症は多かれ少なかれ死に向かっていく病ではあるけれど、

進行が早く、明確に余命がある(生命維持にも支障が出てくる)病気だと知り、
そう近くないうちに動けなくなったり寝たきりになったり、一緒にいられなくなったりして別れがくるのか、と思うとやりきれなくて仕方がなかった。

 

12月16日に地域包括センターに行き、ケアマネのことや介護のことを相談したが、

そのときにも、初期の頃は本人にも「何かおかしい」という自覚があったが、今は中期に入ってきているので自覚がなくなっているのではないか、と聞き、

初期の頃、そうとは知らずに怒りまくり、「離婚する」「出てけ」だの言ってしまったことが申し訳なくて申し訳なくて、涙が止まらなかった。

本人も「なんか変だな」と思っていたとしたら、言いようのない不安を抱えていただろうに・・・。

 

実は病院に出すための書面を作成するために、いろいろと聞いてみたときに、かなりの記憶の欠如があるということが分かった。

3月の自分の父親の法事を覚えていない。

5月に映画に行ったことも、8月にアクアリウムに行ったことも覚えていない。

9月に私の留守中にスマホをウイルス感染させ、使用不可にして買い替えたことも覚えていない。

それが分かったとき、まだ認知症の診断を受ける前ではあるが「なんで覚えてないの?」と訝しがってしまった。

 

病院に行きたがらなくてノロノロしているときにも「早くして!」と怒鳴ってしまった。

 

毎日、小うるさく注意してしまった。

 

全て病気のせいだったのに。

本人も違和感や不安を感じていたかもしれないのに、何も聞く耳を持たなかった自分を呪った。

 

そして既に中期に入っているから病気の自覚がないと言われたこと、

余命が平均的に6~10年であること、

同じ病気のお父様を介護していた方の本を読んで、そのお父様も8年で亡くなっていること。

それらもショックだった。

 

そう遠くない未来に主人がいなくなる。

胸が締め付けられて、泣けて泣けて仕方がなかった。