80-「芳华」 by 严歌苓 | トミモの『中国語の原書とドラマを求めて・・・』

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中国語の小説・ドラマ・映画など、
自分のフィルターに落として日本語で紹介できたら…とブログ開始。

私にとって80作品目の原書になります。 

         これ↓

   严歌苓著 「芳华」  

 

严歌苓さんの小説は今回で4冊目でしょうか。

いつもながら、

とっても読みやすい文体とストーリテラーの実力には圧巻です。

 

読了後、Youtubeで映画があったので鑑賞してみました。

小説と映画を全く別物として

ズームの当て方やスポットを変えて仕上げていたのに驚きました。

 

映画は「白・芳华」 

小説は「黒・芳华」 

 

映画は「ダイジェスト版・芳华」 

小説は「ディテール版・芳华」 

 

映画は「躍動!芳华」 

小説は「シニカル!芳华」 

 

映画は「瑞々しい若さ!芳华」 

小説は「無常と老い!芳华」 

 

というような印象でした。

個人的には小説の方が凄みがあって深くて好きです。

同じ严歌苓さんでも、《金陵十三钗》の時は

映画の方が小説よりも気に入りました、

監督さんが张艺谋だったからかもしれません。

( 過去記事はコチラ⇒映画 ・ 原書小説 )

 

今回の映画と原作の違いで、

「あ~、こうしちゃったんだ・・・」

という箇所がいくつかありましたが、

あまりに真逆で印象に残った箇所は

小萍(シァオピン)=小説では小曼(シァオマン)が、

刘峰(リォウフォン)に終盤で「抱いて」と言うシーン。

その展開と後の人生の説明内容です。

 

私は小説の展開と描写の方がリアルで心に残りました。

下記に私なりの和訳(意訳)とオリジナル原文をタイピングします。

↓(下)

【和訳】

劉峰(リォウフォン)の心は彼女を愛せたし、

可愛がって、慈しむことも出来た。

けれど、体は無理だった。

それは曽て体は小恵(シァオホェイ)を愛しながら、

彼の心はどうしても彼女を愛せなかったように。

同じ事でしょう。

1人の人間が一生のうちに

心も体も深く愛せる相手に巡り会うというのは、

本当に貴重で滅多にない事だもの。

 

【原文】

刘峰的心爱她的,疼她,怜惜她,

但身体不爱她,

正如他的身体爱小惠,心却不爱,

一回事。

一个人一生,

能碰倒心和身都去死爱的人,

是太难得了。

 

映画の刘峰(リォウフォン)を演じた俳優さんは、

私が小説でイメージした雰囲気をそのまま醸し出していて

好感を持ちました照れ

 

 

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