本当は1月中に書こうと思ってたんですが、ちょっとだけずれてしまいましたが、昨年、2018年に読んだ本の振り返りと、その中のマイベストの紹介、そして、自分のおすすめ本の紹介です。

 

前回(2017年の振り返り)はこちら↓

2017年の1冊~『人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか』
https://ameblo.jp/tomihisa18/entry-12348974938.html

2017年のマイベストの本は『人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか』でした。

■2018年に読んだ本(37種類、42冊)
まずは、昨年の初見の本一覧です。

世界史とつなげて学べ 超日本史 日本人を覚醒させる教科書が教えない歴史
地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門
オペレーションZ
物語 フィンランドの歴史 北欧先進国「バルト海の乙女」の800年
フランス外人部隊 その実体と兵士たちの横顔
信長の原理
『レッドゾーン()()』
夜ふかしするほど面白い「月の話」
『ハゲタカIV グリード()()』
七つの試練 池袋ウエストゲートパーク14
ハゲタカ4・5 スパイラル
『シンドローム()()』
死のマスカレード 冷たい狂犬
乗りかかった船
もういちど、本屋へようこそ』紙
『虚空の冠―覇者たちの電子書籍戦争―()()』
福岡市が地方最強の都市になった理由
かがみの孤城
砂の王宮
追撃の報酬』 紙
爆身
バルス
日本再興戦略
1999年の松坂大輔 歴史を刻んだ男たち』 紙
里地里山エネルギー 自立分散への挑戦
斬死 オッドアイ
伝説のハッカーが教える 超監視社会で身をまもる方法
日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語
いま、「東北」の歴史を考える』 紙
限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭
2030年の旅
俺はエージェント』 紙
エネルギー産業の2050年 Utility3.0へのゲームチェンジ
沈黙』 紙
真夏の島に咲く花は
『ゆりかごで眠れ()()』
正しいストーカー殺人 警部補 姫川玲子 (Kindle Single)

紙 ……紙本:6
無印 …電子:31(36冊、5タイトルは上下巻、すべてKindle)

2017年は33冊(うち1タイトルは上下巻)、2018年は42冊(うち5タイトルが上下巻)でした。2018年は、ここ数年の中では一番小説を読んだ1年で、従来の大沢さん、渡辺裕之さんのクライム・ハードボイルド系に加えて、垣根涼介さん、真山仁さんの企業エンタメ小説を多く読んだ1年でした。垣根さんはもともと『ギャングスター・レッスン』でハマっていたのと、真山さんはテレ朝のドラマ『ハゲタカ』を観てかなり興味が湧いたので)。

2人の企業エンタメ小説は、刊行年の時代背景に即したものが多く、フィクションでありながらも、自分の頭の中の思考実験としても楽しめる、読書を楽しめる1冊でした。

ということで、2018年は、フィクションというアプローチからリアルにつながる本を多く読んだ1年となりました。

■マイベストは『地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門』
その中で2018年のマイベストの1冊となったのは、フィクションの雰囲気の中に今の日本社会の実像を、実体験とともに盛り込んだ木下斉さんの『地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門』です。



木下さんは古くから地方創生・地域活性に取り組んでいる起業家で、今は、内閣官房 地域活性化伝道師という公的な肩書をお持ちの方で、ここ最近はテレビや雑誌、ネットなどにも登場しているので、知っている方も多いと思います。

個人的にすごいなと思うのが、きちんとした仮説とともに具体的なアクションを起こしながら、その経験やノウハウを外部に共有し、いわゆる単なる批評ではない形で取り組んでいる点です。

今回2018年のマイベストに選ばさせていただいた『地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門』は、小説の体裁で地域再生をテーマにしているのですが、内容には具体的な過去の事例などをうまく盛り込んでおり、良い部分だけではなく、失敗してしまう部分など、主観と客観のバランスがとてもよく、何より読みやすいという点に惹かれました。

テーマは地域活性ではあるものの、国や自治体の部分を、既存産業・新興産業という立ち位置に当てはめてみると、まさに日本のさまざまな部分で抱えている課題のアンチョコとしても使える本ではないかと思います。もちろん、これ1冊ですべてが解決するというものではないですが、自分自身の考えをまとめたり、思考実験をするきっかけづくりとして最適な本だと思います。

 

今年の誕生日に自分のテーマをアップデートに選びましたが、その言葉選びに影響を与えてくれた本の1冊でもあります。

今、日本社会で動き出しつつあるIT/Webからのアプローチに向けて、潤滑油として使える書籍だなぁというのが、僕個人の印象です。とにかく文体が読みやすいので、これからいろいろ取り組みたい学生さん以外に、とくに自分と同年代の、40代前後の方におすすめしたいです。

ちなみに、木下斉さんとは『稼ぐまちが地方を変える 誰も言わなかった10の鉄則』を読み、Amazonレビューきっかけで実際にお会いすることもできたという、本をタッチポイントに繋がれた方で、こういう出会いも引き続き大事にしていきたいと思います。

■その他にも史実に基づいた興味深い本がたくさん
2018年は小説の割合が多かったですが、史実や事実に基づいた教養書籍にも、興味深い本がたくさんありました。以下、とくにおすすめしたい本です。

世界史とつなげて学べ 超日本史 日本人を覚醒させる教科書が教えない歴史
……日本史を日本という縦軸ではなく、世界の流れの中でパラレルに解説しており、視野が広がった本でした。

福岡市が地方最強の都市になった理由
……マイベストの著者木下さんによる、福岡の考察本。昨年、業務で福岡のスタートアップ各社にお邪魔することもあり、改めて、その知らなかった知識の補完ができました。

日本再興戦略
……メディア・アーティスト落合陽一さんの書籍。WebSigつながりで読んでみて、さすがの内容。個人的には、インドと日本のカルチャーが近いのではという視点が、とくに響きました。

伝説のハッカーが教える 超監視社会で身をまもる方法
……ケビン・ミトニックの本。ネット社会における危険の解説。正直ここまでする必要があるのか、というレベルですが、ミトニックが書くのでとても説得力があります。ネット寄りの業務をしたい方は一読をおすすめします。

信長の原理
……垣根さんの視点で書いた、信長史。アリの原理はすごく面白く、また、この視点で織田信長および明智光秀を捉えている点がとても興味深かったです。戦国時代好きの方はぜひ。

1999年の松坂大輔 歴史を刻んだ男たち
……平成の怪物、松坂大輔の取材記。他に黒木や中島など松坂に縁のある選手にも触れられており、同年代の野球ファンはもちろん、松坂の全盛期を知らない世代にも勧めたいです。ぜひ続編を希望します。

夜ふかしするほど面白い「月の話」』
……てらきんこと寺薗淳也さんによる月の雑学本。実は寺薗さんとはもう20年近いお付き合い。もともと担当していた雑誌でLinux関連の記事を書いていただいたのがきっかけです。その後、一緒にイベントしたりと、個人的なつながり部分があった上での評価ですが、最近、スーパームーンなどが取り上げられているので、この本を読んでまた違った角度で月の知識を得ると、月のすごさがわかるように思います。

物語 フィンランドの歴史 北欧先進国「バルト海の乙女」の800年

……去年、初めてフィンランドに訪れ、そのタイミングで読み始めました。日本の歴史もまだまだ知らないことばかりですが、海外はなおさら。このように自分が実際に足を踏み入れた国の歴史を、書籍で、しかも、今の時代の見解で読めるのはすごく面白いです。フィンランドは今、社会保障などで注目を集めてはいますが、もともとの国の成り立ち(ロシアとスウェーデンに挟まれていた)、社会主義など、そういった観点で見ると、メディアが単に取り上げていることだけを参考にするのは片手落ちで、もう一歩踏み込んで参考にできたらと思わされた本です。

乗りかかった船

……こちらは完全に小説。とある街の造船所を舞台にしたショートショートです。文体の読みやすさに加えて、この本の執筆にあたって、参考にした造船所が、仕事でお世話になっている末松さん(神原さん)が役員を務められていた常石造船ということが最後に書かれていて、一気に興味が増した本です。

という感じで、すでに2019年も1ヵ月が経ちました。今年は元旦にいきなり『FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』というガツンと来る1冊が登場し(読み終えました。レビューは後日。いきなりマイベスト候補です)、今年もまたたくさんの本を読んで、本を楽しみながら、いろいろ吸収していきたいと思います。

他に落合陽一さんの『デジタルネイチャー: 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂』、明石ガクトさんの『動画2.0 VISUAL STORYTELLING』、中江有里さんの『わたしの本棚』など、2018年からの繰越、読み残しがあるので、どんどん読書していかなきゃ。ポケモンGOとの時間配分重要w

以上、2018年の読んだ本の振り返り、平成最後のマイベストのご紹介でした。

■今年は電子(Kindle版)が紙の6倍に
毎年、紙と電子の読んだ数を比較していますが、今年は一気に電子率が増え、紙の6倍。8割が電子、しかもすべてKindleでした。

Kindleで買えると楽だし、そのままスマホに入れておけるので、ちょっとした時間で読めるのがいいね。上の3冊(2018年からの繰越)もスマホに入ってるしw

一方で紙しかなかったら紙を買う本もあるので、このあたりはケースバイケースかな。でも、このへんは、既得権益が絡むので難しいんだろうなと想像するけども、できることなら紙・電子、両方で出してほしいです。

<参考>
2018年
6:紙
36:電子(Kindle)

2017年
9:紙
23:電子(Kindle)
1:電子(honto)

2016年
9:紙
13:電子(Kindle)
2:電子(honto)

2015年
8:紙
23:電子(Kindle)
2:電子(honto)

2014年:
6:紙(分冊を入れると7)
18:電子(Kindleのみ)

2013年:
15:紙
12:電子(BookLive!)
1:電子(Kindle)