鳥居 りんこ「偏差値30からの中学受験合格記―泣いて落ち込んで、最後に笑った母と子の500日」 | 娘がやっている栄養療法を父と母もやってみるブログ

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娘が2026年中受予定。娘のチックを治そうと4年前から栄養療法に取り組んでます。

2003年7月刊
息子さんが5年生の夏期講習から日能研に入塾。偏差値30台(4科どれも30台)からのスタートだったが、(ネタバレすると)鎌倉学園(Y62)、逗子開成(Y59)、藤嶺学園(Y41)に合格して逗子開成に進学。お母さんによる受験記。

前受けの土佐塾(Y54ぐらい?)が不合格で親子で「奈落の底に落ちる」気分を味わったというが、Y54で奈落と言われると嫌味にしか聞こえないのは私だけだろうか。土佐塾は今年から首都圏入試をやめたらしい。

ところで、土佐塾といえば、高知県は私立中学に通う生徒の割合が全国2位らしいです。この前テレビでやってて思わず写メを撮ってしまった。あと山形県は私立がひとつもないそうです。



なぜ私立を目指すことにしたかというと、地元の神奈川の公立中学校の説明会で校長が「生徒も教師も行きたくなる学校を目指す」という低レベルな?目標を掲げたのに不安を覚えたからだという。(そんな目標かかげるぐらい行きたくないんかいという感じ)神奈川方式が息子さんにむいてないのもあるかもしれない。

面白おかしく中学入試を描きたかったのか、文章がおちゃらけて読む気を削がれるが、取り組んだ学習法がぽつぽつのっており、一部参考になった。


日能研で習ったという語呂合わせが面白い。1582年の本能寺の変は、信長いちごのパンツと覚えたり、納豆ネバネバ平城京とか一本バナナで西南戦争とか。

あと、日能研の先生からの算数のノートの取り方アドバイス

p44
「たこ太はノートの使い方を変えたほうがいい。ノートを買うお金がもったいないとか言わないでくださいよ。ノートはなるだけ贅沢な使い方をしたほうがいいんです。なるべく大きな字で左ページに式を書く。右ページに筆算です。1間につき2ページ使うんですよ。どうです?贅沢でしょう? 間違っていても、決して消さないことです。どこで間違えたか?これこそが大事だからです」

国語が苦手でこんな取り組みをしたらしい

p36
〈その1〉眠る前の読み聞かせ
睡眠学習を聞きかじった、りんこ。「これっきゃない!」と実行した。たこ太が聞いていようが眠っていようが、そんなことはどーでもいい。布団に入ったたこ太の横で「中学入試にでる名作100」(K勝社/文・坂元純/監修・日能研)のなかから、2ページ程度の文章を読んだ。これは筆者が2ページで名作のある部分を紹介しているものなので、全体のストーリーがわかるわけではないが、どのように読みこなすべきかの方法論が入っているのでポイントをつかむという意味で悪くない。これを読み終わると次は、N研のテキストの文章題を問題抜きでゆっくり読んだ。設問として穴あきになっている箇所は、あらかじめ埋めておき、あくまで物語として読んだ。そして最も効果的であったのは、N研の6年が使用する昨年度の入試問題ばかりが学校別に並んでいる恐ろしく分厚い銀色のテキスト=(市販の)銀本である。りんこは中学受験の定番と呼ばれている作者、その本、よく出るベスト30とかの優先順位が高い順に読んだ(例をあげるならば「なだいなだ/心の底をのぞいたら」「宮脇昭/森よ生き返れ」「阿部夏丸/見えない敵」「富山和子/森は生きている」「安東みきえ/天のシーソー」などである)。これらを読むときに、りんこは問題を出さなかった。単純に読み聞かせたのだ。そしていよいよ間近になってから(小学6年12月頃)、読んだ2ページあまりの文章を要約させた。もちろん、たこ太は布団の中なので口で言うだけだ。何字であろうと構わない。2ページより短ければ要約として認めた。「てにをは」が遠っていようが、文章になってなかろうが全然0K。雰囲気で要約できていれば褒めた。「すごい!天才!」と褒め続け眠らせた。これは猿の調教に似ている。ときどき、何がどうなのか国語で10段階中の評価で7とか8とかを取ってくるようになった(まあ、10回に1回ぐらいであとはであとは4ばかりであったが)。そしてついには偏差値でいえば38が普通であったたこ太が、6年の4月の公開模試で59という離れ業を演じたのだ。これにはりんこ、泣いた。りんこの努力が実ったのだ。しかし喜ぶはつかの間、すぐに45という定位置に逆戻り。まあ、国語は50を取れば拍手喝采であった。実はりんこが喜んだのは偏差値だけではない。国語の受験勉強をして良かったと思うのは、彼が「人間の感情の機微」について少しだが理解できるようになったという実感がつかめたからである。ビートたけし著の「少年」という短編がある(新潮文庫)。この話の一部を読んだとき、たこ太が「全部、読みたい」と言った。りんこは単行本を買って全文を読み聞かせた。するとたこ太、布団の中で泣いたのだ。涙を見せまいと必死にごまかしながら泣いていた。「ビシッ!」「バキューン!」などのファミコンの音声だけで生きている「たこ太」の心にも名作は沁みるのだということに感動した。

〈その2〉漢字の書き取り
小学校の低学年が使うようなコクヨの漢字練習帳を使い、N研の「計算と漢字」の一日分(5問程度)を「ハネ」「トメ」などと赤字で書き入れ、意味を書き、その下に読み仮名をふらせたり、読み仮名の横に漢字を書かせたりしながら、間違っていた昨日の分も新たに入れて、毎日書かせた。6年の1月に入るとテキストの「直前これだけは!」のような問題を毎日やった。トイレにも貼りまくった。「計る・図る・測る・量る・謀る」「追求・追及・追究」のような同音異義語を徹底的にやったのだ。これによってさすがに漢字を落とすことはなくなった。旺文社「小学漢字1026字の正しい書き方」が親にはよかった

あとこれも参考になった。

p106
りんこは忘れもしない逗子開成でワザワザ何十分も並び直し国語の先生に面談しました。「先生。字が汚いんです、家の息子。漢字のトメ・ハネは、どの程度、試験官は見るんでしょうか」「お子さんの字を持って来られましたか?持って来ていませんか。では、ボクが具体的に書きましょう」そう、おっしゃって「ここまでは0K。これは許容。こうなるとアウト」など、実に細やかにレポート用紙に書かれました。りんこは「先生!それくださいー」としっかり。ですから、字に心配のある母は子どもの答案も持参しましょう。

うちの娘はいくら注意しても「口」の字を○みたいにいい加減に書くのだが、来年の説明会で娘が書いた漢字プリントを志望校の先生に採点してもらって(あえて汚い字のを持参)反省してもらおうと思う。