印刷の際、用途によって用紙の種類とその厚さも決めなければいけません。
用紙が違えば料金はもちろん、印刷時のインキの乗りや乾き、製本時の折りや加工などに影響します。
つまり、印刷の全ての工程に関わってくる重要な項目一つのです。
用紙を決める際、印刷会社では「コート紙(種類)の135kg(厚さ)を3000枚(量)」というように決めます。
なぜ紙の厚さの単位がkgなのか?
厚さなら普通mmを使いますが、印刷会社は一度に大量の紙を扱います。だから用紙は基本的に重さ買いです。1kgあたり〇〇円というように、kgを基準とした”キロ単位”で主に取引されています。
そして重さを表す2つの指標があります
➀連量(kg):規格寸法に仕上げた紙1,000枚の重さ
②坪量(g/㎡):1㎡あたりの紙の重さ
私たちが取り扱っている紙で多いのは上質紙、マットコート紙、コート紙の3種類ですが、ここでは四六判という用紙サイズを例に表を見てみましょう。
※クリックして拡大表示推奨
ここで注目して欲しいのは横の列の数字です
例えば、同じ135kgの紙でもコート紙と上質紙では一枚当たりの厚さが0.065mm違います
なぜ厚みに差が出てしまうのでしょうか?
それは紙の製造工程に理由があります
【紙の製造工程】
(提供:吉川紙商事様)
シーズニングまでは基本的に製造工程はほぼ同じです
この状態で終わると上質紙になります
マットコート紙、コート紙はここからさらにカレンダー(キャレンダー)という機械に通していきます
カレンダーとは、金属ロールと弾性ロールを交互に積み重ねた装置で、紙はこの間を通りながら加熱、加圧、摩擦により平滑で均一な厚さの高い光沢を持つ紙に仕上げられます。
コート紙の場合、高い光沢を出すためにさらにスーパーカレンダーという、カレンダーが何段も積み重なった機械に通します。
マットコート紙の場合は、コート紙よりスーパーカレンダーに紙を通す段数を減らしたり、塗料面の条件を抑えると出来上がります。
この工程を行うことで上質紙、マットコート紙、コート紙の厚みに違いが出ます。
つまり、製造工程の多さに比例して薄くなっていってるのです。
ちなみに、コート紙のあの光沢はスーパーカレンダーで圧をかけ続けることで生み出します。
塗料を塗っただけではコート紙のあの光沢は出ないんです。
これはちょっとした印刷会社失敗談ですが…
オリジナル段ボールを制作した時、紙厚のことを考慮せずに入れる商品と同じサイズの段ボールを作ってしまいました。そうすると箱の中側が小さくなってしまい、商品が入りません。
紙厚を理解していないといけませんね。
仕上がりから各10mmプラスで作成するとジャストサイズのダンボールを作成することが出来ます
例)A4(297×210)/上質110㎏(0.160mm)/1000枚の箱を作成する場合…内寸:307×220×170mm
デザインももちろんそうですが、紙の選び方によっては、商品のクオリティに差が出てしまうこともあります。
富沢印刷では営業スタッフが丁寧にお客様のご要望をお伺いし、最適解をご提案致します。印刷のご相談は富沢印刷まで。
(笑う悪魔)
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