ヤクルト・宮本慎也内野手(42)が25日、サンケイスポーツ既報通り現役引退することを明らかにした。26日に記者会見を行う。

 広島19回戦(マツダ)の試合前、宮本は「報道の通りです。球団がそういう場所を作ってくれるということなので、そこで話したい」と話した。

 守備の名手として、遊撃、三塁でゴールデングラブ賞を10度受賞し、3度の日本一に貢献した。04年アテネ、08年北京の両五輪で日本代表の主将を務め、06年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝に貢献。05年から3年間、日本プロ野球選手会の会長を務めた。

 19年目の今季は79試合で打率・246、12打点(25日現在)。代打での出場が増える中、チームの将来を考え、後進に道を譲る決意をした。

 「まだ完全に3位がなくなったわけではない。そこを目指して、一つ一つ頑張りたい」と宮本。入団時の担当スカウトでもある小川監督は「残念だが、本人が決めたことなので。あれだけの選手は、自分で決めないといけない」と話した。

(セ・リーグ、広島4-5ヤクルト、19回戦、ヤクルト10勝9敗、25日、マツダ)シーズン55本塁打のプロ野球記録まで、あと「7」に迫った。1点を追う三回一死一塁。バレンティンが、48号2ランを放った。

 「完璧ではなかったけど、バットの芯でとらえることができた。感触は良かった」

 カウント1-0から、戸田の外角直球を振り抜いた打球は、バックスクリーン左に飛び込んだ。これで8月は打率・457(70打数32安打)、27打点。14本塁打とし、並んでいた球団の月間最多本塁打記録(1992年8月、ハウエル)を更新した。8月は5試合を残しており、プロ野球記録の月間16本も射程内だ。

 引退を決めた宮本に、最後の花道を-。この思いが終盤の逆転勝ちを呼んだ。バレンティンもその一人。一塁への全力疾走を怠った際に激怒されたことがあったが、今はその理由が分かる。「外国人にとっても、模範になる選手だ。間違ったことをすれば、指摘してくれる。野球に取り組む姿勢、プロフェッショナルとは何かを勉強させてもらった」と振り返った。

 シーソーゲームを制し、連敗を止めた。敗れれば自力でのクライマックスシリーズ(CS)への可能性がなくなる土俵際で、踏み止まった。「(打線は)粘り強く点をとってくれた。リリーフ陣が頑張ったのも大きかった」と小川監督。投打がかみ合い、浮上のきっかけになりそうな勝利だった。

(セ・リーグ、ヤクルト12-2中日、17回戦、ヤクルト11勝6敗、14日、神宮)ローン“ノム”レンジャーの効果てきめんだ。暑気払いの連打、連打。一回、先頭の比屋根が右前打。続く上田が先制三塁打。するともう、止まらない。初回先頭打者から球団初となる7者連続安打。その後も容赦なく打ちまくり、今季最多の18安打で、同最多タイの12得点。大勝だ。

 「すごかったね。あれで八木も楽に投げられた」と小川監督。若い打線だった。この日の先発オーダーは、平均年齢25・4歳。『導火線』となったのは26歳のスピードスター、比屋根。3安打に加え、塁上では走るモーションを続けて、投手に重圧をかけた。

 『弾薬庫』は3番復帰の25歳、川端。二回の2号2ランを含め4安打4打点。不振で前日13日には2番で先発。小川監督は進塁打狙いの一、二塁間への打球を意識する打順に置き、しっかり引っ張らせるように矯正する意図を込めた。川端も前日に右前打を放ち、「たまっていたものを吐き出した感じ。昨日のヒット1本が一番の薬でした」とトンネルを抜けた。

 試合前、小川監督は始球式のイベントで訪れた野村克也元監督(78)=サンケイスポーツ専属評論家=に、「まだチャンスはある。3位に入ればいいルールなんだから。目の前の試合をしっかり頑張れ」と叱咤(しった)激励された。ドンと背中を押され、起用もズバリ。対中日7連勝で、5位DeNAにも0・5ゲーム差。今度こそ、最下位脱出だ。(佐藤春佳)