エジプトで軍部によるクーデーターとも思える、政変が有った。
ムバラク政権を民衆が軍部と一緒になって倒し、わずか一年半余りである。
そしてムスリム同胞団を主体とした、モルシ大統領が国民選挙で選ばれた。
選挙結果を軍は元々余り歓迎をしていなかった気がする。
それを又もや反体制派の国民が倒しに掛かった訳だから、軍部も案の定反体制派に回った。
ムバラク独裁時代は、強権によりイスラム主義も抑えられ、アメリカの後押しも有り国内的には、比較的安定していた。
イスラム過激派のテロ事件も有ったのだが、治安の面でも余り悪く無く、観光客も欧米や日本からも多く出かけた。
ところが、アラブの春以降、安全面からか観光客も少なくなり、観光地の経済も打撃を受けていた様子で、ピラミッド等閑散とした観光地が報道されていた。
その上、モルシ大統領はイスラム色を強く打ち出し始め、ムバラク時代には無い厳格さが要求され始めた。
経済も悪くなったうえ、厳格な規律、独裁にも似た大統領の言動から、反発が大きくなった。
春を期待していた民衆には、思わぬ方向に行き、受け入れ難かったのかも知れない。
最近ではトルコのイスタンブールで、公園を取り壊しショッピングセンターを作ろうとした事に端を発し、民衆の暴動を誘った。
表向きはそうであろうが、裏ではイスラム色を厳格にしようとしたギュル大統領の政策に反発している様子が伺える。
やはり、厳格なイスラム色は今の若者には受け入れられないのかも知れない。
イランの大統領選挙でも、穏健派のロハニ師が、アフマディネジャド元大統領の強硬路線を引き継ぐジャリリ候補に大きく水を開け当選した。
今やどんなに厳しく取り締まろうと、若者の間ではSNSを通じてのコミュニケーションがある。
しかも、国内だけでなく国外からも情報が入って来る。
指導者は政治的厳しさより、自由を求める民衆の意見に耳を貸さなければ、政変の危機にあると言える。
ただ、最後に方向を決めるのは、軍部がどちらに向かうかで混乱が大きくも小さくもなる。
今後のエジプト、国民と軍部を取りまとめられる指導者が現れるかどうかだ。
