1989年ホノルル空港からニュージーランドに向かっていた、ユナイテッド航空機ボーイング787のの貨物室のドアが突然外れ、機体を損傷し、更にエンジンの二つが故障し奇跡的に着陸出来た事故が有った。
この事故で乗客が機体損傷部分から投げ出され、9名が死亡したものの300名以上の乗客乗務員は助かった。
その事故では、当初アメリカの国家運輸安全委員会が作業員のミスで、貨物室のドアがロックされていなかった報告した。

しかし、この事故の犠牲者の家族がこの報告に疑問を持ち、徹底的に調査し始めた。
家族というのは年寄り夫婦で、車を買いアメリカの安全委員会の報告に立会い、その結論に疑問を持ち大量の資料を委員会から持ち帰ったり、航空会社や製造メーカーをくまなく回り調べたそうである。

その後、委員会は作業ミスでは無く、アルミ製のドアロックの金属疲労によるものと結論を出し報告を行った。
以前に同型機はアルミ製のドアロックは金属疲労が見られ、鋼鉄製のドアロックに18か月以内に取りかえるよう、航空会社には既に指示が出されていたが、該当の機はそれをまだ取り替えていなかったそうである。
理由は鋼鉄製のドアロックは50万円位だが、飛行機の運航を停止すると数億円の損失が生じるため、定期検査を利用して取り替えをする等、経済性を重視した為だったとの事だ。
この機の事故で30日以内の取り換えの指示となった。

ただここで話は終わらなかった。
夫婦は疑問を持ち、更に航空会社などを聞き取りしてる内に、ドアのスイッチに疑問を感じた。
それがマスコミで報道されると、委員会はドアの引き上げを命じ、4000mの海底からドアを引き揚げた。
航空機メーカーも航空会社に確認したところ、ドアを閉めた後スイッチがロックされて、開かないはずのドアロックが開く飛行機が数機出たとの事で有る。
結果、配線がショートしロックが外れドアが開き事故になったと国家運輸安全委員会は結論付けた。

夫婦は航空会社から賠償金を受け取る事無く、その金を無くなった息子の名前を付けた奨学金を創設するように要求したそうだ。
この事故の調査に対し、普通の家族が立ち向かい国家運輸安全委員会の結論を変えさせると言う事は、日本では考えられない事だ。
もしこの夫婦がいなかったら、更に悲惨な航空機事故が続いたかもしれない。

今、日本では原子力発電所の事故が検証されている。
アメリカの国家運輸安全委員会でさえ、メーカーや航空会社の擁護するような結論を出す。
東電の社内の委員会では、社を擁護し事故原因を外的要因にする。
本当の事故の本質を知り、間違っている思えば、追求して行くのは国民一人一人の責任かもしれない。
そうしなければ同じような事故は繰り返し起こるかもしれない。

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