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Take it easy

サッカー(主に京都サンガ)の話なんか。

鹿児島に行って参りました。
鹿児島市内は賑やかだし、牛、豚、鶏、何でも美味しいし、
電車に一時間揺られて、指宿や霧島の温泉にも行けるよ!
是非行ってみてください。

この日の会場は鴨池競技場。ジュビロ、杭州緑城と3チームによる練習試合が行われました。
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スタジアムから桜島が見えます。
この日は火山灰が凄くて、スタジアムの椅子の上に灰が積もっていたり…



TMは前後半35分ハーフの試合でした。

スタメン
   長沢  原
 駒井      伊藤
   原川  倉貫
テソン 染谷 内野  酒井
     守田

交代選手
守田→児玉    後半開始から
原川→ドゥトラ  40分 駒井がボランチの位置へ


練習試合という事で、気づいた事を箇条書き
・サンガも杭州もサブメンバー(らしい)
・長沢、原、二人ともボールを良く引き出す。
 相手を背負ったポストプレイもこなせる。
・倉貫は視野が広くて長いパスも正確。上手い。
・守田のコーチングは良いね。試合中、声が途切れることがない。
・金髪になってチェンジ!の伊藤君。リズム悪いなぁ…
 ドリブルで抜こうとして囲まれるを何度か繰り替えす。
 中に入ってシュート、縦に抜けてクロス、という攻撃を締める役割なので心配です。
・内野と染谷の二人が相手FWへのクサビのパスをがんがん潰す。
 頼もしくなった。縦にパスを通す事にもチャレンジしているみたい。
・酒井、テソンの両サイドバック。何度も上がってクロスを上げていた。
 守備の時のボールへの寄せは甘め。もっと厳しく出来るよ。
・原川が前にでると駒井がバランスをとって下がる。
 二人は良いコンビですね。
・原川はまだボールを受ける動きが少ない。受けた後は上手いんだけど。
 もっとボールに触って欲しい。
・ボランチ駒井が、予測、スピードを生かしてセカンドボールを拾いまくる。
 ボールを取ると素早く縦パスをだす。自分の役目に徹していたと思う。
・ドゥトラは良い時のコンディションにはまだまだ遠い。
 一人でボールを前に運べる身体の強さを持ち味にしているだけあって、
 この出遅れは痛いですね。(スタメン争い的に)


・杭州は2失点した辺りから集中力が切れる。守備がザルに。
・試合を通して、長沢に向かってボールを放り込むという事は無かった。
 良いのか良くないのか。テンポを変えるために少しはあってもいいと思うけど…
・サイドに起点を作り、逆サイドに展開、サイドバックを使ってクロスを上げる。
 この流れは普通のサッカーですね。


結果は・・・6-0です。
原と長沢が点を取っているのは良いんじゃないでしょうか。
ユース上がりも含めた、新加入の選手が多数いるメンバーでした。
そうすると去年から大木監督のサッカーをやってきた選手の動きが目立ちます。


特に駒井。
プレスを掛ける、こぼれ球を拾う。といったこれまでの仕事からさらにもう一歩進んで、
サイドにパスを展開する、クサビのボールを出す、空いたスペースのカバーリング、
この試合ではボランチとしてゲームを作る役目を果たしていまいた。

プロになってからも自身のプレーの幅を広げようとチャレンジしている様子。
その成長は将来サンガの中心に成るであろう事を予感させます。



おまけ。杭州緑城の監督は前日本代表監督の岡田さんです。
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中国でも強いチームを作ってくださいね!
2011年の京都サンガ。
監督も変わり、選手も大きく入れ替わり、
前年とは全く違うと言っていいほどの新しいチームになりました。

新しいサッカーを創り上げるための苦しみ、と言えるような辛い時期もありましたけど、
壁に何度も当たりながら選手、チームが成長していく、
その様子を見守る事は楽しい作業でした。

その軌跡を戦術、システムの方向から振り返って見たいと思います。

と、その前に(笑)
何度もシステムの変更はありましたけれど、
チームを作るベースとなる戦術はブレること無く粘り強く続けられました。

以下、京都サンガのサッカーと言うよりは大木監督のサッカーのコンセプトを挙げていきます。

・中盤の選手は片方のサイドに集まり数的優位をつくる
最も特徴的な動きです。
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ホーム岡山戦のスタメンより

上の図の様に、サンガの選手達がピッチの半分だけを使って
サッカーをしている場面を見たことがあると思います。
ここまで極端な動きを実行しているチームは珍しい。
相手チームの対応にもよりますが、4対3、5対4という数的優位を作ることが目的
逆サイドの選手が全く居ないため、相手にボールを取られ逆サイドにボールを回されると
カウンターから一気にゴール前まで運ばれてピンチになってしまう。

サイドに偏る動きに対して対応したとしても、
相手チームにとっては普通でない状態を強いられます。
自チームのバランスを崩してサンガの戦術にお付き合いすることになるのです。



・サイドチェンジはしない
上の図を見てもらえば分かる通り、逆サイドに味方選手は居ない。
だからサイドチェンジはしない。できないと言った方が正しいかも。
サンガの試合の中継を見ていると、解説者が盛んに「サイドを変えられたら良い」と言っている。
けれども、サンガの戦術の中にサイドチェンジは無い。

サイドチェンジをすると何が起こるのか?
想定されるのはサイドでの1対1の数的同数。選手同士の能力勝負になります。
ここで必ずと言わないまでも、高い確率で1対1に勝つことができないと、
サイドを変えた意味は無くなります。下手をするとカウンターの起点にもなります。

サンガの場合、リスクを負ってサイドに選手を寄せてまで数的優位を作り出しています。
その状態を放棄してしまうサイドチェンジを多用することは無いでしょう。

サイドチェンジすれば何でも良い、という事では無いということですね。



・ショートパスを多用
選手間の距離が近づくために、必然的にショートパスの本数は多くなります。
パス&ゴーを丁寧に繰り返し、3人目のフリーランニングの動きも多用する。
これはなんとなく大木監督がそういうサッカーが好きだからっていうだけの様な気もします(笑)

序盤は頑なにロングパスを使いませんでしたが、ホームの大分戦からかな?
DFラインの裏に抜け出す動きに合わせて長いボールを送るといった、
状況に応じてロングパスを使うようになりました。

昨シーズンのFWは高さを武器にした選手が居なくて、
後ろからのロングボールをヘディングで落とす事が出来なかったのも、
ロングパスの少ない理由でしょう。



・攻守の切り替えを早く
大木監督はこれを一番重視しているように思います。
練習でよく行われているのが、攻守の切り替えです。

4対3の場面を例に出してみます。
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図1、ボールを持っている
サイドで数的優位を作りショートパスで崩そうとしているところです。
ここで、ミスをしてディフェンスにボールを取られたとします。
それが次の図になります。

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図2、相手がボールを持っている

図2は、相手にボールを奪われた瞬間の図です。
視点を少し変えてみましょう。
サンガの選手がプレスを掛けて相手を取り囲んでいる様にも見えませんか?

相手にボールを奪われた瞬間というのは、相手を取り囲んでいる状態、とも言える訳です。
この時サンガの選手が相手よりも早く攻から守に切り替えることが出来れば、
すぐさまプレスをかける事ができてボールを奪い返す事ができます。
ボールが取れなくても精度の悪いプレーをさせる事になり、
後の展開を良くすることにつながります。


これはあくまでも、相手よりも早く切り替える事ができた時だけです。
切り替えが遅く、囲みを突破されたら…どうなるかは予想できますよね(笑)


サイドに集まり数的優位を作る、と、攻守の切り替えを早くする。
というのは2つでセットの戦術と言えます。
ボールを奪われた瞬間に素早く奪い返す、
この動きができている時は例外なく勝利に近づいています。



・人につく守備
上記の切り替えを早く、に通じるのですが、
守備に回った時にはポジションに関わらずボールに一番近い選手が寄せに行きます。
その時空けたスペースに攻撃の選手が入り込んできた場合、
他の選手がマンマーク気味についていきカバーに入る。
スペースを守るのでは無く、人につく守備です。
マークするための距離を短く、その時に空けてしまうスペースを小さく。
全体の陣形をコンパクトにするのは必須となります。


これと同じコンセプトのディフェンスを行うチームが海外にあります。
FCバルセロナです。


・選手主導のシステム
大木監督はシステムに選手を当てはめるのではなく、
選手が力を発揮できるためのシステムを選んでいる様に思われます。
酒井や安藤が特にそうだったように、同じポジションであっても
選手によって大きく動き方が変わったりします。

ここからは自分の想像なんですが、
大木監督は細かい所まで突き詰めることはしないで、
選手にある程度任せているところも有ると思います。
点をとるためのチームでのハッキリとした動きが無いので、
得点力のあるFWが居ないと苦戦するのもそういう理由があるからかな?
若手が伸びていることは確かだし、良いとも悪いとも言えないんですけどね




以上、簡単にですが大木監督のサッカーのコンセプトを解説しました。
極端に長所、短所がハッキリとしています。理想を追っていると言っても良い。
このサッカーで安定して試合に勝てるチームになるだろうか?
という疑問に対して、自分の答えはノーです。

けれども
そのサッカーは魅力に満ちあふれています。

パス&ムーブを繰り返し、何本もパスをつなぐ攻め。
積極的に相手のボールを刈り取る守備。
とても気持ちの良いサッカーです。
J1のチームを次々と倒してきた天皇杯。
コンセプトが最大限発揮された時の強さも秘めています。


「お客さんがもう一度見たくなるようなゲームをしたい」
大木監督のインタビューでよく出てくる言葉です。

見ている人にサッカーの持っている魅力を伝えるため、
大木監督はチャレンジし続けているのです。
サンガタウンにカターレ富山とのトレーニングマッチを見に行って来ました。
雪でバスの到着が遅れて、開始時間も遅くなりました。
カターレの皆さん、マジお疲れ様でした(´∀`;)

感想はざっと簡単に。
システムは、どちらが前と言う事の無いダブルボランチの4-4-2でした。

一本目 サンガ 1-1 カターレ

   宮吉  三根
 駒井      伊藤
   原川  内藤
 福村 松尾 バキ 安藤
     水谷

・原川の馴染み具合がとても良かった。左サイドの宮吉、駒井、原川での
 崩しが効果的でチャンスはほとんど左サイドから
・バキ、松尾のCBはまだまだこれから。コンディションも良くなさそう
・駒井の動きの良さが際立つ。今からそんな調子で大丈夫か?
・福村が良く前に出ていく。原川、駒井で、上がる時間を作れるから出ていきやすそう。
・内藤の指示出しの声がよくでてる。中盤を仕切る。
・中盤の並びから解る様に、DFライン前のスペースは埋められて無かった。
 何度もフリーで前を向かれ、危ない場面も。
・三根デカイ!半袖ピチパンで目立っていた。そういうアピールもあるのか。
 プレーでもポストプレーを無難にこなしていました。シュートが無かったのは残念。



2本目 サンガ 4-0 カターレ

  久保  長沢
 原      工藤
   駒井 倉貫
原川 秋本 高橋  酒井
    守田(交代で児玉)

・工藤がやっぱり上手い…相手との間合いの取り方とか、テンポの変え方とか。
 倉貫とのパス交換は美しい。通じるものが有るんじゃないでしょうか
・長沢デカイ!なんか慣れないw 頭よりも足元でのポストプレイ上手い。
 ボールを受けてからのサイドへ展開するパスも綺麗
・サイドのMFに入った原。一本ライン際から逆サイドに綺麗なサイドチェンジを通した。
 MFのプレイも苦にしてなさそう。 
・SBに入った原川が色々なものを無視したプレイ。カバーに入っていた駒井に謝れーw
 ドリブルしてる時に常にパス出せる場所にボールを置いているし、スピードが全然落ちない。
・倉貫は守備はあんまり出来なさそうだけど、タイミングよくボールに絡んだり、
 前に出ていったり。相変わらずボール扱いが上手い
・高橋のフィードはやっぱり正確。久保の裏を狙う動きにぴったりあった球出し。
 ハイボールには強さを見せてたけど、平面勝負はまだまだかな。そこは秋本の仕事。
・新加入の選手が多かった。サイドに人数をかける大木サッカーであった一本目とは
 違い、サイドチェンジ、ロングボールも混ぜた普通のサッカーになっていた。


総括
スタメン争い激しすぎ!