少しばかりの入院生活ですが、手術から二日間は、点滴を繋がれ、ベッドから移動する事も禁じられていました。その間の暇つぶしに持ち込んだのが、もう今は懐かしいiPodと中村元博士の著作「日本人の思惟方法」。

 

iPodは、身動き取れないベッドでの就寝前に「古今亭志ん生」の落語を聴くだけであまり活躍の場がなく、点滴が取れて自由に動けるようになってからは、エンニオ・モリコーネやヨーヨー・マを聴いていました。

 

さて、一方の「日本人の思惟方法」は、身動きが取れない状態では、1ページも開くことができず、ただベッドサイドに置いてあるだけ。

 

 

東洋思想に詳しい中村博士の著作「東洋人の思惟方法」という一連の著作物からの一篇で、日本人がどのように事象を捉え、心を寄せるか・・・民族的な傾向を踏まえながら様々な事例を紹介してくださっています。

 

インド人、シナ人(原文通り)、韓国人、日本人がどのような価値観を大切にし、様々な仏教経典をどのように解釈しているかが、興味深く書かれています。

 

日本人と自然との関係は、大陸の東洋人とは違い、自然に対し「親和性」が高く、対峙しない。

 

読み進めるうちに、日本人は自然に対し敬意を持っていることが記されてありました。

 

まだまだ著作の5分の1くらいしか読み進んではいませんが、日本人の思考を興味深く説明してくださっています。

 

漢文が含まれる部分もあり、漢文を解釈するのに少し時間がかかりますが、手に入れて良かったと思える一冊です。

 

退院までの数日、本と音楽で養生したいと思います。