- 私の家では何も起こらない
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むっちゃ久しぶりに読書ネタ。
今年は途中で放置してしまう本ばかりで、
なかなか読了できなかったの。
(集中力が著しく欠如しています)
恩田本は装丁だけでもとってもすばらしいのだけど
これは1、2を争う出来だと思うのよ。
(ネクロポリスとか、好きだったなぁ~)
古い洋館の壁紙のようなデザインと手触りの表紙。金の表題。
この良さは電子書籍じゃ味わえないね~。
紙はいいよ、 LOVE 紙!
お話は丘の上の一軒家にまつわる幽霊話の短編集。
この家あちこちでいろんな人が死んでますわ。
怨念こもってますわ。
怖い話は嫌いだけど、これは怖いといえど
日常に密着せずにどこか遠いところの話に思えて
懐かしいとか美しいとかいった要素が入っているため
大丈夫なかんじの恐ろしさ。
「附記・われらの時代」は小説というより
エッセイのような、恩田が語っている感じの作品で
その中での一節、
「現実ではずいぶんしばらくぶりに見る夢であるのに、
夢の中での時間は前回の続きになっていることに驚く。」 や
「幽霊は思い出に似ている。
思い出。なんとも長閑な顔をしている、なんとも恐ろしい言葉。
個人的で、主観的で、決して他者と共有できない、そのくせ誰もが
知っているような気がする、生温かくて居心地のよさげな言葉。」 に
ひどく共感した。
この短編が入ることで作品全体が引き締まった感じがする。
殺人事件好きの3女(物騒ないい方だー。事件の話が好きなのね)に
読ませてみたのだけど、途中で
「なんだかよくわからないー」と言われてしまった。
恩田作品に理路整然を求めてはならん、と言っていいものやら
いけないものやら。
読み終わっても、手触りがよくて撫でている。
これも幽霊の仕業か・・・?
読後満足度 ★★★☆ 3.5 読みやすかったので。