ラッシュライフ (新潮文庫)/伊坂 幸太郎
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倒産だとかリストラだとか、不景気風が吹いている現実。

この本をめくったらそこにもあった。

うあ、閉塞感のリンクだ。

平成14年に出版された本作が予言したみたいに思えた。


人の暮らしは思いもよらないところで繋がっている。

偶然の積み重なりが物語を変えてゆく。

エッシャーのだまし絵を活字にするとこうなるのだな、

と読み進める程に思う。


伊坂さんの語り口は読み手を楽にしてくれる。

拳銃強盗やバラバラ殺人なんて恐ろしい話、

リアルにドロドロ書かれていたら読めないもの。

泥棒哲学を持っている黒澤、夕日を見つめる老犬。

やりきれない毎日と救われる瞬間。


他人の人生は滑稽だし無様に見えるけど

自分の人生だって、実はそうなんだろうな。

他人に渡る偶然がいいものだといいな。









重力ピエロ/伊坂 幸太郎
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「人の寿命はDNAの端のテロメアという部分で分かる」というのを

この本を読む前にテレビでちょうど知ったところだったので

タイムリーに読めてよかった。


それにしても、私は今、戸惑っているのだ。

こんな重い結末なのに、こんなさわやかな読後感でよいものか。

まさに重力を撥ね退けたピエロだ。

この物語の中で起こる犯罪の数々を、ひとつも肯定はできないのに

それでも春はいいキャラだと思うし、

泉水の優しさも心にしみてくる。


先程知ったのだけれど、映画化だそうな。

泉水役、加瀬亮だって。イメージ通りなんだけど。