- 夢の守り人 (新潮文庫 う 18-4)/上橋 菜穂子
- ¥580
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今年の読み始めは守り人シリーズです。
年末に手に入れ、年越しを待っての読書。
やられた、と思ったのは
<花守り=鬼>となってしまうのがタンダだったこと。
これが見ず知らずの人であったなら、バルサは
普段の用心棒や魔物退治と同じスタンスで淡々と
鬼をやっつけてしまっていたのだろうな。
一番大切な人と戦わせるとは、酷だ・・・。
鬼となったタンダを振り切って走ったバルサが
追いついてほしくないが、生きている姿を見たいと思うところに
愛情の深さをみるようで涙が出た。
今回の異世界である夢は魅力的でしたたかだった。
人を心地良い気分に誘い込み、夢の花を受粉させる。
その甘い世界から苦い現実へと戻すのは
夢の外からの<生きようとする意志>。
夢に囚われたチャグムに語りかけるタンダの
力強い言葉たちにとても感動した。
トロガイの娘時代の夢の世界の話もロマンチックで
おばばは生まれた時からおばばではないのだ、という事実が
当たり前なのだが、結構衝撃的。
離れて会えない人に向ける思いの深さを
それぞれのキャラクターが持っていた。
世界はこの世と見えないいくつもの世界で出来ている。
作品が増えるたびに膨らんでいく「守り人ワールド」が
上橋さんの心ひとつから生まれたというのが素晴らしい。
読後満足度 ★★★★