著者: 恩田 陸
タイトル: ねじの回転―FEBRUARY MOMENT

この本、アマゾンで買ったんだけど、
封を開けて分厚さにびっくりした。
まぁ「黒と茶の幻想」も厚かったけどね。


えー、これはタイムパラドックスもので。
時間遡行が出来るようになった未来、

人類は新しい奇病に冒されていた。
国連は人類の滅亡を防ごうと歴史に介入し、

正しい歴史を辿るように操作していた。


日本の歴史の分岐点に選ばれたのは「2.26事件」。
後に殺された首謀者たち3人が、

もう一度あの血の惨劇を繰り返す。
これからの未来の日本を知りながら。


正しい歴史とは何か?
結局は考える本人の都合のよい結果なんだ。
2.26事件の当事者は、昭和維新を成功させたい。
国連は過去と同じ歴史を繰り返させたい。
様々な人の思惑が、歴史に段々とひずみを起こさせてゆく。


私、近代日本の歴史にはとっても疎い。
歴史の授業でも江戸時代に入るあたりからもうこんがらがって
近代の歴史なんてほとんど授業で受けた記憶が無い。
2.26事件も、その名称しか知らない。

・・・ので、初めの50ページくらいはほんっとにしんどかった。
訳わからんのだもの。
本屋でぱらぱら見てたら、絶対買わなかったわよ。
でも買っちゃったしー。恩田陸制覇したいしー。


誰に感情移入したらいいのかわからない。
昭和初期の軍人の思考回路とは絶対交わらないし
かといって国連のアリスだのジョンだのとも違う気がする。


で。いつもはこんな読み方しないのだけど。
挫折したところはもうそのまま置いておいて、
一番最後のモノローグを読んだ。
そこに出てくるのはアルベルトとマツモト。
そこは軽いタッチで歴史とは関係無くて、さらっと読めた。

そうか、マツモトに着いて行けばいいのか。
そう思ったら。
今度はすらすら読めちゃうんだわ、これが。
444ページ、あっという間。
・・・まあだいぶかかったけど。


歴史が史実と違ってきて、ひずんでいく感じが面白かった。
マツモトに着いていって正解だ。

これを読んでいたら3女が

「ねぇ、もうねじは回った?」としきりに聞く。
「うーん、まだ」「まだかなぁ」「ねじ、出て来ないし・・」など
いろいろ答えたけど

読み終わってからまた「ねじは回った?」って聞かれたので、
「うん、回ったよ。いっぱい回った。」と答えた。
ふと、今の時間のねじは誰が巻いているんだろうと不思議に思ったよ。


読後満足度   ★★★
        この世界に入りこむまでがタイヘン。