最近、まめに更新できていませんが、
その間もたくさんの方が
このブログにお立ち寄りくださっていること、
本当にうれしく思います。
ありがとうございます。
今日は、ふと手にとった本の中で
心にとまった言葉から――。
文芸評論家の小林秀雄が
学生の質問に対して答えた言葉です。
学生
先生はよく自問自答ということをおっしゃいます。
私は自分でいろいろ考えていくうちに
それが自分勝手な考えに陥っていないか
不安になることがあります。
身勝手な考えか否かは、
どのようなところで見極めればよいのでしょう?
小林
それは君、君の疑う心だよ。
(中略)
いろんな自問自答があります。
自問自答しているからというので、
人とちっとも会わないで、
自問自答を繰り返しているうちに
空想にだんだんと陥る人もいます。
だけど、心を開いて語れる友達が
実際にいる場合は、
そういうところに陥ることはない。
二人で協力するし、向こうの知恵もありますからね。
向こうが質問する場合もあるだろう。
君から向こうに質問する場合もあるだろう。
お互いに協力して知恵を進めることができる。
自分一人で自問自答していると、
つい空想に走りやすい。それが現実だよね。
だから最初にいったように、
ディアレクティークというもの、
つまり対話というものが純粋な形をとったとき、
それは理想的な自問自答であり得るのです。
ソクラテスは、深くものを考えるとき、
仲のいい友達とディアレクティークをしながら、
自問自答を煮詰めていったのだな。
ソクラテスはそこに
理想的な自問自答の形を見たのです。
『学生との対話』 より
講義 小林秀雄 国民文化研究会・新潮社 編
この文章を読んで、
あ、ヒプノセラピー(催眠療法)は
理想的な自問自答の形なんだ! と思いました。
小林秀雄のいう「疑う心」は顕在意識の賜物です。
それが心を開いて語れる友達(=自分の潜在意識)
との対話によって純粋な形となり、
理想的な自問自答につながるというわけです。
確かに、ふだん何かについて
一人で考えを巡らせていると、
いつの間にか空想の世界に入り込んだりして
答えが出ないことがよくあるものですね。
けれど、意識の状態を
睡眠と覚醒の中間領域にまで深めると、
普段は閉じている自分の潜在意識とつながり、
これから何をすべきなのかなど、
自分との対話が成立します。
ここでいう自分の潜在意識は
小林秀雄がいう、心を開いて語れる友達と同じ。
ヒプノセラピーは
深層意識である潜在意識との対話であり、
ぼんやりと心に浮かんでいたことを
明確化してくれます。
まさに心から信頼できる友人からの
アドバイスのように
理想的な自問自答によって
「知恵を進めていく」ことができるのです。
催眠とか潜在意識とつながる、などというと
「怖い」いうイメージをもつ方もいますが、
そうではなくて、日々の仕事や人間関係など
現実的なことに生かせる役立つ心理療法です。
このことをぜひ知っていただきたいな
と思います。
