こんばんはー!マックです。


本日はおぱんつるが(←)その2でございます。

しかし本日はイケメンによるHE○TAIトークではございません。

きょことモー子さんによるガールズトークをお楽しみくださいませ。



この話、あいにくかっこいい敦賀氏は不在でございます。

そんなのいやんと仰るお方はばっくぷりーずでございますわ!

(そんな話がマリアちゃん誕に来ちゃってすみません)



本編『もしも敦賀蓮が寂しさに負けたら・・・』 前編  * 後編(限定記事)

おまけそのいち



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本当に春の日差しなのだろうかと疑いたくなる程暑く眩しい、午後2時の木漏れ日。

サングラスをかけたままの奏江は、未だ目の前でぶすりと頬を膨らませるキョーコを見て小さく溜息を吐いた。



今日は珍しく、キョーコと二人で夕方からバラエティ収録。

そのスタジオから少し離れた所に美味しいカフェがあると教えてくれたのは、以前ドラマで共演していた先輩女優だった。

小さな路地を2つも入る場所柄、有名人がいても見つかりにくいと言う事で、オープンテラスでランチなどと洒落込んでみたのだが・・・


普段であれば「モー子さんとランチだなんて嬉しいっ♪」とハートを飛ばして、ウザい程“親友アピール”してくるキョーコ。

しかし、今彼女の頭を占めるのは、彼女が膝上に握りしめている新聞の内容だけだった。



その内容は―――キョーコの恋人、敦賀蓮の新作映画。

(それもそれで癪なんだけど。)



オファーへの流れは、この店一番のオススメだと言うパスタを食べながら聞いた。

あまりのアホさ加減に皿から海老が逃げ出してしまった。

正直もうツッコむのも嫌になっているのだが、キョーコとしては愚痴れるのが奏江しかいない状況なのだろう。


秘密の交際を続けている親友から情報の共有を求められるのは嬉しい反面、何故このバカップルの馬鹿話に付き合わされるのかと疑問を感じずにはいられない。


だけど、それでもキョーコを突っぱねる事は出来ない。

何だかんだ言った所で、やはりこの親友が大好きなのだ。


「私もホント、この子に甘いわ・・・」ともう一つ溜息を吐いたところで、コーヒーカップを手に取りながら奏江はキョーコに声を掛けた。



「アンタ、いい加減その顔止めなさい。そろそろスタジオ入りの時間になるわよ。」

「ううぅ・・・モー子さぁ~ん・・・」

「そんなぶっさいくな顔のトモダチ、私にはいないわ。」

「そんなぁ~!見捨てないでよぉ~・・・」


うるうると瞳を潤ませ、捨て犬のようにすきゅんと鼻を鳴らされると、奏江の身体の力もがくりと抜けてしまう。

爽やかなミントグリーンと白のチェックのテーブルクロスに顔を突っ伏しそうになるのを堪えて、今まさに話題にしていた新聞をびしっと指差した。


「アンタ、それでも俳優の彼女なワケ!?

いい!?アンタの彼氏は役者!演じるの!!変態なのは役柄!パンツ被るのも役柄!!」
「モっ、モー子さんたら何てコト言うのっ~!!」

「アンタが言わせてんでしょうがーーーっ!!!」




日本最大手の芸能事務所に所属する、若きトップ俳優『敦賀蓮』の次回主演映画。

芸術的センスが海外でも高く評価されている、黒崎潮の映画初監督作品。


話題作にならないはずがない、この素晴らしいタッグにマスコミは即座に食いついたのだが、予想以上に世間をざわつかせている。


それは、原作が昔、青年誌で連載されていた人気作品である事。

何せ、主人公が好きな女の子のパンツを被って超人的な力を発揮すると言う、少々変わった作品なのだ。

「あの敦賀蓮が本当に女性物の下着を被るのか!?」と、マスコミ関係者はおろか、制作サイドの間でも半信半疑の者がまだいる程だ。



「勿論被ります。それが、作品の中で「彼」として生きる為に重要な事なのですから。」



制作発表の場で、蓮はハッキリと役になりきる事を宣言している。

世の女性達の間では、そんな蓮の役者魂にドン引くどころかむしろ「私のパンツを被ってほしい・・・!」と応援するムードが高まっているのだが―――



蓮の最愛の恋人、最上キョーコは見ての通りドン引きである。




「敦賀さんだったらどんな役でもこなすでしょうよ。アンタも俳優を恋人に持ったの、いい加減割り切りなさいよ。」

「でもぉ~・・・」

「この間の「パンツ」事件を言ってんの?もうそれは忘れなさいよ!アンタがいなくて寂しくて死んじゃいそうだったんでしょうよ!!ウサギは寂しいと死んじゃうものなの!敦賀さんも似たようなモンなの!!!」

「う、うんー・・・」




2か月ほど前の事―――

深夜に突然押しかけて来た際のキョーコの一言目が、奏江は今でも忘れられない。


「敦賀さんが・・・敦賀さんが、わたしのパンツ・・・被ってたの。」


あの「敦賀蓮」がプライベートで女性物の下着を被る変態など、とてもではないが誰も信じてくれないだろう。

奏江も想像する事が出来ず、被らせようとしては頭の中の蓮がへのへのもへじに変身してしまう。

しかし、恋人の衝撃的な姿を目の当たりにしてしまったキョーコの顔色は本当に悪く、仕方なく暫く居候を許可したのだった。


その後、1か月もバカップルの痴話喧嘩に巻き込まれる羽目になったのは本当にうんざりしたのだが。



その痴話喧嘩終結の際に説き伏せた言葉を放つも、キョーコはまだ納得がいっていないらしい。

ぬるい返事をしながら目線をちろちろと下に泳がせる相方を前に、奏江は向かいの店の時計にちらりと目をやる。


目の前の雑貨屋が一押しにしているらしい大きなアンティーク時計の長針は、いつの間にか5を過ぎて6へと向かっていた。

入りは15時。

自分の心を落ち着けるためにも、そろそろ話を終わらせてしまいたい。


奏江は苛立つ心が爆発しないよう気を付けながら、少し声音を優しく落とした。


「敦賀さんがアンタにべた惚れなのは、誰が見たって分かる事よ。2週間も頑張って独りの時間を耐えてたんでしょ?浮気されたわけじゃないんだから、一瞬の気の迷いくらい許してあげなさい。」


ちょっと変態なのは置いといて―――という言葉は、口の中にとどまらせる。


さすがに奏江も、「蓮が女性物の下着を被るなんてちょっと・・・」と思ったのだが、キョーコを溺愛するあまりの行動である事は想像できる。

理解は出来ないが、そう言う性癖の人もいる事を色々なアルバイトをしてきた経験上解っている。

だから、とりあえずは蓮の事も「そういう性癖の人」と言う事で割り切る事にしたのだ。


「そうなんだけどね?モー子さん・・・」

「何よ。」

「―――もし、今回の映画で、敦賀さんがパンツ好きになっちゃったらどうしよう!?」

「・・・はっ?」


とても深刻そうな顔をして名前を呼ばれ、彼の主演がそんなに困った事になるのかと真面目に話を聞こうとした刹那のキョーコの言葉。

奏江は思わず気の抜けた返事を返してしまった。


「だって、役では何度も変身する為にパンツを被るんだって!もしも敦賀さんがパンツの触り心地とか気に入っちゃったら、プライベートでも被るかもしれないって事でしょう!?生地にもこだわりはじめそうだし、その場合、アルマンディのランジェリー部門が黙ってなさそうだし。そうなると、もう私ごときのお給料では下着の購入すら難しくなるわ!」

「・・・」

「もうもうっ!一緒に暮らし始めてからは下着見られる機会が増えちゃって、今までの人生の中で下着にお金つぎ込んでるって言うのにー!だってブラとパンツの色が微妙に違っちゃったら、それもそれで恥ずかしいでしょう!?あぁもう、これ以上どうしろって言うのかしら!?しかも敦賀さんの好きそうなセクシー系って、いいのは本当に高いんだもの!こだわられたら、私破産しちゃうっ!!」



もはや、何をどう突っ込めばいいのかわからない。



蓮が下着にハマるかハマらないか。そんな事はどうでもいい。


生地にこだわる?確かに彼なら凝り性な面があってもおかしくはないが―――

やはりどうでもいい話だ。

キョーコが現在、人生の中で最高に金をかけているのも・・・

同じ女性としては、ランジェリーの大切さを教えたいが、今突っ込むべきはソコではない。


とても真剣に「あぁ!どうしたらいいと思う!?モー子さんっ!!」と聞いてくるキョーコの言葉に、ついに奏江の堪忍袋の緒が切れた。




「もおぉぉぉーーーっ!!!そうなったら、パンツくらい彼氏に買わせなさあぁぁぁ―――いっ!!!」





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初夏を思わせるような4月のティータイムに、うら若き乙女が下着話を大声でするのはやめましょう。

その直後、二人揃ってカフェから追い出されたのは言うまでもありません。



青々とした葉を茂らす街路樹がほんの小さな木陰を作り出すカフェテラス。

いつもは静かでいいお店なんです。










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まーだこれの続き、一文字も書けてないんですけど・・・

金曜0時に更新なければ「あいつ、書けなかったんだな」と思ってやってください・・・