こんばんはー!マックです。
こちらは予告していた通り、カルテット企画作品『もしも、敦賀蓮が寂しさに負けたら…』のおまけ編です。
(おはようございます…昨晩頭痛により出そうと思ってた予告を出しそびれました。すみません…)
HENTAI話はいやん!変○仮面な蓮様なんていやん!と言うお嬢様にはオススメできない作品です。
苦手な方はご注意くださいませ。
全力ギャグです!←
復習(本編)はこちらからどうぞ☆
『もしも敦賀蓮が寂しさに負けたら・・・』
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
「よーお、敦賀くん!」
休憩時間が長くなりそうだと聞かされて、社と楽屋へと戻ってきた蓮は、たまたま隣のスタジオでバラエティの収録をしていたと言う貴島の来訪を受けた。
にやにやと笑いながら近寄ってくる貴島の顔に、蓮の笑みは自然と営業用の無駄にキラキラしたものになり。
隣の男の機嫌急降下を察知した社の胃は、急激にキリキリと痛み出した。
「やあ、おはよう貴島くん。」
「おはよう、今日は隣のスタジオで『Ver.アップ!』の収録してたんだよー!アイドルのまきちゃんとかひなちゃんとかいてさあ、超華やかなんだよー♪」
「へえ、それはよかったね。」
「敦賀くんもおいでよ、みんなきっと喜ぶよ!」
「それは遠慮しておくよ。」
「何で~?休憩時間延びたんだろ?いいじゃん別に。」
どこからその情報は入手したんだろうか。
・・・ああ、準主役の女優が確か、貴島氏と一度噂になった事のある子だったか・・・
表面上はとてもキラキラと輝いて見えるイイ男たちのにこやかな会話の背景に、社はとげとげしたやりとりを見える気がしてぶるぶると震えた。
(何だろう、春の陽気のいい天気なのに・・・俺には吹雪が見えるんだが)
今日の天候は晴れ。
春―――を通り越して初夏のような照りつける日の強さに、蓮の衣装が半袖でも風邪をひかせることはないと安心できたのだが。
何故か今は北極でもそうそうないような冷気が、自分達を取り囲んでいるかのような気分になる。
もっとも、そんな冷気の大半の源は、自分の隣にいる男から発せられてるとわかっているのだが。
(まあ、ねえ・・・この間のキョーコちゃんのプチ家出に貴島が絡んでるとなるとねえ・・・)
結局、詳しくは教えてもらえなかったのだが。
先日ようやく解決に至ったキョーコの家出は、どうやら貴島氏の提案に乗った蓮が何かをやらかしたらしく・・・それがキョーコに発見されてしまったかららしい。
蓮とキョーコはおろか、奏江とまで連絡係を1か月以上やらされたのに詳細を教えてもらえなかった社としては少々不満があったのだが、とにかく蓮の機嫌の著しい低下やキョーコの不気味なオーラ出現など、自分の胃をこれ以上痛める原因は起こらないでほしい―――
そう切に願っていた。
「そういえばさあ、アレ。結局試したの?」
「アレ?」
「そうそう。京子ちゃんの香り・・・良かったでしょう?」
キリキリキリと痛む胃に身が凍えるような冷気。
現実逃避をすることでやり過ごそうとしていた社の耳に「京子」と言う単語が入って来て、思わず耳がピクピクっと反応した。
「さあ・・・、どうだろうね。」
「またまたぁ~・・・で、本当の所、どうなの?やっぱりいい匂いでしょ?いいなぁー!京子ちゃんの」
「前にも言った筈だよ貴島くん。想像するのもダメ。」
「ううーん、本当に京子ちゃんの事になると敦賀くんはケチだよね~!別にいいじゃん匂いくらい・・・」
「駄目。キョーコに関するものはみんなダメ。」
隣で何のことかさっぱりわからない社を置いてけぼりにして、いい男達のメンズトークは進んでいく。
が、ここはやはり蓮の独占欲が邪魔をして、会話の内容がわかるほどには進まない。
社は「俺、席外した方がいいんだろうか・・・」と思いながら、先程買って来た缶コーヒーをテーブルに置こうと、先に楽屋の奥へと入って行った。
「じゃあ、試してどうだったかくらい教えてくれてもいいじゃーん。別にさあ、恥ずかしがることじゃないじゃん。男はみんな被るものだよ?」
「大好きな彼女のパンツ。」
さらりと飛び出したトンデモ発言に、ゴン!っと大きな音が楽屋に響く。
コーヒー缶は落ちてべこっと大きく凹み、社の頭はテーブルにめり込んでいた。
「あれ?社さん大丈夫ですか?」
「え?あ、ああ・・・」
「おお、マネージャーさんも言ってやってくださいよー。普通ですよね?」
「そうなんですか?社さんも被るんですか?」
「え!?いや、俺は・・・」
(もしかしてもしかして、この間の家出の原因って、ソレ―――!!??)
思わぬ形で判明したキョーコの家出の理由。
あまりにも想像の範囲外の原因に、社の頭はパニックに陥った。
しかも、そのトンデモない内容がオトコの普通であるかのようにさらっと爽やかに話す貴島に、度肝を抜かれていた。
そりゃ見ちゃったキョーコちゃんは逃げるよ・・・!
何でそんなことしちゃったんだよー・・・!!
言いたい事は山々なのだが、トンデモ貴島はすらすらと言葉を続けている。
「男はみんな被るもんなんだってー。実際良かったデショ?京子ちゃんは甘い香りっぽいもんね~」
「だから想像するのもダメって言ったろう?」
「でもそうなんでしょ?」
「・・・まあ、そうだけど」
「男はみんな被る」説を信じたらしい蓮は、静かに肯定する。
それを聞いていた貴島は「ほらね!」と喜び、社は更に机にめり込みたくなった。
「女の子ってどうしてあんなに甘いんだろうねー!?お菓子とか甘いもの好きだからかなあ?敦賀くんはどう思う?」
「俺は別に女の子はみんな甘いとは限らないと思うよ。スパイスの効いた女の子もいるかもしれないし。」
「ううーん、スパイシーなのもまたいいねえ…敦賀くんはどっちが好み?」
「俺はキョーコなら何でもいい。」
「さすが敦賀くん!!溺愛しちゃってるねえ♪」
聞いているとただの女の子の好みの話にも聞こえなくもないのだが・・・
その前の「パンツ」発言を知ってしまった後では、もう破廉恥な内容にしか聞こえない。
キョーコがこの場にいたら、間違いなく「破廉恥よおぉぉぉーーーー!!!」と大絶叫を上げながら逃げ出すだろう。
(もう・・・誰かこの怖いメンズトークを止めて・・・・・・あ、でもそう言えば)
涙を流しながら机にめり込んでいた社だが、ふとある事を思い出し、スーツのポケットから1枚の名刺を出してふむと考えた。
「ねえねえ、京子ちゃんって美味しい?」
「悪いけどキョーコはあげないよ?」
「教えてくれるだけでもいいじゃん!敦賀くんが自分の恋愛の事こんなに話してくれるの久し振りなんだからさあ♪」
「あのー・・・、歓談中割り込んで申し訳ないんだけどさ。蓮、お前映画の主演、受けるから。」
ドアはさすがに閉まってるものの、入り口付近でいまだ立ち話を進める男達に断りを入れて、社は蓮に新しい仕事の話を持ち出した。
黒崎潮監督の名刺と、とある漫画の単行本を差し出しながら。
「映画、ですか?」
「うん、黒崎監督がお前を主演にぜひ!って撮りたがってたんだよ。」
「あ!これ変○仮面じゃないですか!読んでましたよー!って、え?え!?実写化するんですか!?」
社の手にあった本を見て、貴島はファンだったらしく目を輝かせて社に問う。
一方、隣の蓮の顔は一気にひきつった。
まだキョーコは家出を終えて帰宅したばかり。
表紙のパンツを被った主人公に、蓮としては苦い記憶再び・・・と言ったところなのだ。
「『俺がアートに撮ってやるぜ!』ってすごい猛プッシュだったし、条件としては悪くなかったんだよ。でもお前のイメージ的にどうなのかなって思って保留にしてもらってたんだけど・・・」
「キョーコちゃんのパンツ被るくらいだったら、『敦賀蓮の新境地開拓』って事でオファー受けても平気だよな?」
「え?いや、俺は・・・」
「ええー!いいなあ敦賀くん!俺応援するよ!」
「いや、いいって・・・」
暴走する社と貴島に、蓮は逃げ腰で対応するものの・・・
社はぱっとゴム手袋をはめるとどこかに電話をかけ、「例の件、お願いします」の一言だけでさっさと切ってしまった。
「うん、社長の方から監督に話通してくれるって。これでまた暫く忙しくなると思うから。」
にっこり笑う社の姿に、蓮はがっくりとうなだれた。
「スケジュール調整は任せておけ。頑張ろうな、蓮!」
←まさかの仕事でおぱんつ被る事になった『敦賀蓮』に応援をお願いいたします・・・
************
この1つめのおまけについてはかれこれ1年8か月ほど放置プレイでした。
いかんのう・・・