今ベストセラーになっている、柴田トヨさん98歳の
処女詩集『くじけないで』を読みました。


tomato女社長NAOKOのハッピーブログ


泣けました。


柴田さんは一人息子の健一さんにすすめられて
92歳から詩を書き始め
産経新聞の読者投稿の「朝の詩」に投稿されているそうです。


100歳を目前にした方とは思えない
豊かな感性と優しい語り口は
心にすっと入ってきて癒されます。


ちょっとお茶目なオチもあって
思わずクスッと笑ってしまいます。


「くじけないで」と白寿の柴田さんに言われれば
そうそうくじけてなんかいられませんよね。


収録されている42作品の中から
特に好きな詩を紹介します。


【神様】


お国のためにと 死にいそいだ若者たちがいた


いじめを苦にして 自殺していく子どもたちがいる

神様
生きる勇気をどうして与えてあげなかったの

戦争の仕掛け人 いじめる人たちを
あなたの力で 跪かせて



【くじけないで】

ねえ 不幸だなんて溜息をつかないで

陽射しやそよ風は
えこひいきしない

夢は平等に見られるのよ

私 辛いことがあったけれど
生きていてよかった

あなたもくじけずに



【先生に】

私をおばあちゃんと 呼ばないで
 
「今日は何曜日?」

「9+9は幾つ?」
 
そんな バカな質問も しないでほしい
 
「柴田さん 西条八十の詩は 好きですか?
小泉内閣をどう思いますか?」

こんな質問ならうれしいわ



【貯金】

私ね 人からやさしさを貰ったら
心に貯金をしておくの

さびしくなった時には
それを引き出して 元気になる

あなたも 今から積んでおきなさい

年金よりいいわよ




【秘密】  

私ね 死にたいって
思ったことが 何度もあったの

でも 詩を作り始めて
多くの人に励まされ
今はもう 泣きごとは言わない

九十八歳でも 恋はするのよ

夢だってみるの

雲にだって乗りたいわ



泣けます。

そして明るい気持ちになれます。

そういう詩集です。