本日から

「響新共命」に収録された

楽曲にまつわる物語を

お届けしていきます

 

 

第1話は

「隠の劫火」

(なばりのごうか)

 

楽曲はサブスクでも

お楽しみいただけます

 

 

    

『隠の劫火(なばりのごうか)』

 

①裏切りの宣戦

長年の盟友であるヴァルディア帝国から

突如として一通の書簡が届いた。


そこには冷たい言葉でこう記されていた

「奪われた宝石《宇宙の心臓》を返せ」。
 

受け取ったセレフィア王国の

王女リュシアは困惑した。

 

(宇宙の心臓)は銀河の均衡を

保つ至宝であり


各国が交代で預かり守るのが

古くからの習わしだった。

奪った覚えなどない。
 

それなのに

言葉を交わす暇もなく

ヴァルディアの軍は侵攻を開始し

王女の家族や民は次々と犠牲となった。
 

「心臓を返せ」と迫られても

その行方すら分からないままに。


 

②孤立

リュシアは宇宙議会に救援を求めた。

だが返ってくるのは空虚な沈黙ばかりで、
 

まるで銀河そのものが彼女の声を

拒んでいるようだった。
 

背後で見えぬ力が戦を

仕組んでいるのではないか

疑念が芽生える。

 


城が炎に包まれ

絶望に沈むその時

空間が裂け
光に包まれた巨大な艦

イシュタル号が姿を現した。



③イシュタル号の仲間たち


艦から降り立ったのは

銀河を旅し次元の秩序を

守る者たちだった。
 

 

リーダーであり交渉官の

ローガン・アイアンハートは

戦場を見渡し、低くつぶやいた。

「…この薄らと広がるモヤは何だ?」


セリク・ウィンドウが前に出る。

風とエネルギーを操る彼が

力を解き放つと
戦場を覆っていた重苦しい靄は晴れ

人々の目から狂気が薄れていった。


兵も民も、自らがなぜ怒りに

呑まれていたのか分からずに呆然とする。



さらに次元の破片を再統合する

ネイラ・オーロラ


時間の歪みを修正する

タイラン・グレイヘムが

調査に乗り出した。
 

 

しかしそこには巨大な力が働いており

原因の特定には苦悩が続いた。


一方、影の潜入者リクス・ファントムはヴァルディア帝国へと忍び込み、真実を探った。
そして衝撃の事実を持ち帰る―宇宙の心臓は奪われてはいなかったのだ。


④陰謀の正体

やがて調査の成果は

両国がともに被害者であることを示した。


戦争は第三者の陰謀に

よるものではないか、と。

 

だがリクスがさらに核心へ迫ると

真の脅威が姿を現した。


それは宝石そのものの宿命

宇宙の心臓から放たれる重力

ブラックホールの磁場だった。


存在するだけで星々を引き寄せ

争いを呼び込む災厄の核。


心臓は祝福であると同時に

劫火の種でもあったのだ。


⑤隠の劫火

リュシアは苦悩した。

争いは人の罪ではなく

宇宙の宿命から始まっていた。
 

誰かが悪いと分かれば

剣を振るう理由も見つかる。
 

だが、誰も悪くないのだとしたら…

それでも立ち上がり

民を守らねばならない。
 

胸を裂く葛藤の中で

彼女は声を上げた。

「一人で抱えません。

みんなで声を掛け合いましょう。

剣ではなく、歌で心を繋ぎましょう」


民は正気を取り戻し

王女の歌声に重なるように声を合わせた。
 

その響きはやがて

ヴァルディアの兵の耳にも届き

怒りに縛られていた心を

解きほぐしていった。


だが安堵の束の間

ブラックホールはなお拡大し

銀河を呑み込もうとしていた。


誰もが間に合わなかったと諦めた時

次元の管理者リュシアン・グラビティスが

現れる。

 


「わああぁぁぁぁぁぁぁ!

…間に合いましたか?


 

みなさんの報告書の数値を元に

ブラックホールの軌道を計算して

さらに強大な重力や磁場による

影響範囲も計算したのですが…

 

いや、待てよ!

そもそも時空の歪みを考慮した

閉曲面に対する情報の…」


ネイラ・オーロラ

タイラン・グレイヘムも

リュシアン・グラビティスを

追いかけてやってきた。
 

 

リュシアン・グラビティスは

地面に計算式を猛烈な勢いで書き始める。


「えええええ!ちょっと!

間に合わない!何?つまり何なの?

リュシアン!」

タイランがネイラの口を塞ぐ


「リュシアンの邪魔しちゃダメ」
「ぐぐぐぐぐ…」


「あぁ!わかった!

わかりました!

歌がブラックホールを

変化させているんです!

歌に効果があるんですよ!

 

すごいや!!!

 

リーダー!

 

とにかくみんなに

もっと歌わせてください!」


ローガンは各国に呼びかけ

民が祈りと歌を一つにするよう導いた。


銀河全土に歌声が満ち

やがてその調べはブラックホールに

吸い込まれていく。
 

誰もが確かに感じた

歌が宇宙の心臓と共鳴していることを。

轟音が止み、虚無が訪れた。

ブラックホールは収縮し

ついに消え去った。
 

リクスは宇宙の心臓の封印に成功させ

王女は両国の兵へと叫ぶ。
 

「もう剣を取る理由はない! 

無益な戦をやめよ!」
 

長きにわたる戦乱は

ここに終息を迎えた。


⑥終わりの時

王女は胸の奥で静かに呟いた。
「剣では争いしか生まない。

けれど…歌なら、心を響かせられる」 
 

 

幼い日、母が歌ってくれた

子守唄を思い出す。

 

その旋律は恐怖を払い

涙を和らげてくれた。
 

今、彼女の歌は民の声と重なり

銀河を満たす調べとなった。

誰もが感じた。

歌こそが、隠の劫火を鎮め

宇宙を繋ぐ光となったのだ。
 

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

 

実は、王女リュシアと隣国の王は

幼馴染でして

ビジョンはそこから

見えていたのですが

話があまりにも長すぎたので

今回は割愛しました💦

 

 

またいつか.....が、あれば

描きますね。

 

 

こちらの楽曲は

10月11日

お楽しみいただけます

 

 

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