「響新共命」に収録された
楽曲にまつわる物語を
お届けしていきます✨

 

    

『片道の約束』

 

 

宇宙の深奥


二羽の鳳凰は

根源神の側で長い眠りについていた。

 

 

 

 

金色に輝く羽を持つ<太陽の鳳凰>

名をキーラ・ソール。

 

銀白の翼を広げる<月の鳳凰>

名をルーナ・フノーシ。

 

 

 

 

彼らは<創世の調律者>と呼ばれ

星々が生まれ、滅びゆくときに必ず現れる

再生の希望の存在だった。

 

 

 

キーラは熱と力を与える役割を持ち

ルーナは冷静と均衡をもたらす役割を担う。

 

 

 

二羽は対をなす光と影

昼と夜の旋律を織り成し

世界の均衡を守ってきた。

 

 

 

彼らは対となる存在であり

片方が夢を見れば

もう片方も別の角度から同じ夢を見た。

 

夢の中で彼らは

人間たちが祈り歌う夢を見てきた。

彼らが一番好きな夢だ。

 

 

 

人が祈り、歌い

喜びを天へと放つとき、天が応え

共に創造が始まる。


 

 

その光景は

鳳凰にとってこの上なく

愛おしいものだった。

 

 

羽が震えるほど喜びを覚えた。

 

 

ある夜、夢の中で聞こえるはずの歌声が

現実の耳にも届いた。

 

彼らは夢の中で落ちあって

相談を始めた。

 

 

『誰かが僕らの世界と再び

繋がったのかもしれない』

 

 

『燈を灯す歌…それは僕たちを

呼び起こす歌でもあるよね』

 

二羽は目を開き、翼を広げた。

 

根源神へと挨拶を交わす

それは記憶の共有であった。

 

 

 

彼らが眠っていた間に

多くの世界が動き

変わっていた。


 

情報の最後に根源神から

示されていたのは<地球>という星に

向かいなさいという指令だった。

 

 

 

『興味深い星だね」』

 

『冒険に満ちている。

でも、不安もあるよ。

上手く出来るかな。

ここに帰りたくなったらどうしよう』

 

 

宝石赤

 

 

 

そのとき、彼らの前に現れたのは

イシュタール号の船員たちだった。

 

 

 

* ミーナ・ソルシエール

魔法を具現化し

次元にエネルギーを供給する魔導士。

 

 

* マーヴィン・テンペスト

嵐を鎮め、天候を操る風の守護者。

 

 

* キリス・ダークムーン

闇を操り

均衡を保つ月影の戦士。

 

 

* ヴィクター・シャドウレイス

影と一体化し

気配を消す偵察者。

 

 

ミーナ・ソルシエールが挨拶し

「我らは鳳凰を迎え

地球まで無事に送り届ける者として

呼ばれました」

 

 

続いて

3人の船員がそれぞれの役割にそって

説明を始めた。

 

 

 

「マーヴィンです。

マザーアースが再び出産を始めます。

その意識に覚醒した者たちが

歌い始めました」

 

 

「キリスです。

あなたたちの存在が地球に

必要となります」

 

 

 

「ヴィクターです。

異次元の通過は慎重になる

必要があるため

私たちが道中をサポートします」

 

 

 

宝石赤

 

 

 

一方その頃

 

地球では

イシュタール号からミッションを

受け取った地球人TOMAを始めとする

鳳凰に縁あるものたちや

これからの地球創生をサポートする

者たちが集っていた。

 

彼らは、とある《聖地》に

人々が集まり

歌を響かせていた。

 

 

ここは宇宙のエネルギーが

集められて大地に入るポイントの場所だ。


 

 

《君に聞かせたい音が世界中で

響いている 早くおいで》

 

 

《君を迎える前に愛し抜くと決めていた》

 

 

その言葉は、地球/マザーアースの

言葉でもあった。

 

 

次元を超えて鳳凰に呼びかけた。

 

 

イシュタール号に導かれ

鳳凰はついに地球へ降り立つ。


 

 

トンネルの奥で

歌い続ける人々が

鳳凰を待っているのが見えた。

 

 

『わぁ!僕たちが大好きな人たちが

いたじゃないか!』

 

『わぁ!また会えたんだね!嬉しいよ!』

 

光と声がひとつに重なり

トンネルを潜ろうとしたその瞬間

時空が歪んだ。

 

 

 

宝石赤

 

 

ミーナが叫ぶ。

「危ない!トンネルが

2つ出来ているので、注意して!」

 

 

日本の上空は荒れて、雷が激しくなった。

 

 

これは鳳凰たちの力でもあり

彼らが読んでいる天気の

エネルギーではあるが

それを抑えないと地上に

降りたてないという事象が

起きていたのだ。

 

 

 

「だめだ!このまま二手に別れよう!

ミーナとマーヴィンは太陽の鳳凰を頼む!

月の鳳凰は私とヴィクターが先導する」

 

 

『僕たち離れ離れになるの?』

 

 

『大丈夫!絶対に探しに行くよ!』

 

 

そして鳳凰達は翼を広げ

それぞれのトンネルを抜けた。

 

 

 

 

宝石赤

 

 

 

 

「TOMA、すみません、本日

鳳凰を迎えたのですが

トラブルがありまして…。

太陽の鳳凰しか、地上に

お届けできませんでした」

 

 

「今日の天気すごかったもんね。

龍神もお喜びのご様子で

雨風雷が激しかったー。

聖地に来れずに上空で

待機されていた方もいたんだよ」

 

 

 

「はい、みなさん無意識に

ご自分の役割の配置に

付いてくださっていた状態でした」

 

「なるほど!それで

月の鳳凰はどこにいったの?」

 

 

 

「キリスとヴィクターが

連れ添っていますが

異次元トンネルに入り、

まだ消息がつかめていません。

<月>が合図になるかと」

 

 

「ヴィクターが一緒にいるなら

気配探せないじゃん!

どこにいるか掴みづらいじゃん!」

 

 

「そうなんです…、すみません。

彼は仕事熱心でして。

そうだTOMA!

今日の様子を歌にしましょう!

そうすることで

月の鳳凰がその歌を頼りに

やってくるはずです!」

 

 

「そっか!おっけー!じゃあ早速作ろう!」

 

 

 

宝石赤

 

 

 

 

こうして地球側で

宇宙仕事をするメンバーは

<月:セレネ>と名前の付いた場所を

見つけ出し、鳳凰を呼び込む楽曲を

歌うのだった。

 

 

歌が土地を満たし、次元を満たすと

どれだけ離れていようと

2羽の耳に入った。

 

 

キーラは

その歌に応えるように

燃える翼を震わせ

太陽の旋律を放った。

それは力強い生命の鼓動となり。

 

 

 

ルーナは静かな羽音で応え

月の旋律を紡いだ。

 

 

それは安らぎの調べとなった。

 

2羽はそれぞれが地球を周り

再び約束の場所で出会い、

太陽と月の旋律が重なったとき

大地が震え

空は黄金と銀の光に包まれる。

 

 

その振動数に共鳴できるものは

自然と想いが溢れることとなる。

 

 

対の存在へとおさまる。

 

この音と響きは星々を超え

やがて地球の神話として

語り継がれていく。

 

 

 

宝石赤

 

 

「いらっしゃい!

みんなで待ってたんだよ。

 

キンちゃんと

フジちゃんって

みんなで呼んでるんだ。

 

可愛いでしょ?」

 

 

とTOMAが

鳳凰に話しかける

 

 

『キーラがキンちゃんで、

私がフーシだからフジちゃん!

 

昔もみんなに

そう呼んでもらってたから

嬉しいよ!』

 

 

 

「さぁ、地球で

みんなと一緒に

ミッションを楽しんで行こう!」

 

 

『そうだね!まずは地球を

見学してくるね!』

 

 

「いってらっしゃーい!」

 

 

 

「片道の約束」は

こちらから視聴できます

 

 

CDはこちら

 

 

こちらの楽曲は

10月11日

お楽しみいただけます