10月に公開する
超次元トリッパー☆イシュタールの
物語を公開していきます
本日は....
まさかの2日目にして
《外伝》です
「星渡りの歌」
夜空が揺らぎ
星々はかつてないほど
強く輝いていた。
世界が新しい次元へと
移行する兆しだ
―その扉を開くために必要なのは、
星々の声を読み取り
歌へと変換する者たちだった。
選ばれたのは
ゼフィア・スターライン
ミラ・スターダスト
ヴェロニカ・スターシード
彼女たちは星々の巫女として選ばれ
新次元に移行するための
星の情報が宿った音を
届ける役目を担っていた。
ゼフィアは両手を空にかざした。
瞬時に彼女の体に
無数の星光が降り注ぎ
光は音の粒となって弾ける。
「星々の力を、この音に入れていく」
ミラは瞳を閉じ
星の瞬きを読み取る。
未来の可能性がいくつも流れ込み
その中から最も安定した道筋を選び
歌に編み込んでいく。
「この音が誰に届くのか
プログラムしていこう」
ヴェロニカは胸に宿した光を
吐息のように解き放ち
忘れられた古代の星歌を紡ぎ始める。
「この音が、実際に発せられた時
その叡智は蘇える」
三人の動きは一体となり
星の力と未来の可能性
古の知識が重なり合った。
夜空はそれに応えるように輝きを増し
丘の上に立つ三人の背後に
空の譜面が浮かび上がる。
三人の叡智が重なる瞬間
天空の星々が共鳴した。
空に描かれた巨大な光の譜面を
なぞるように、音は膨らみ、
やがて流れ星のように各地へ
飛んでいった。
その音は
まだ誰も知ることのない
次元の秩序を運ぶ風となり、
宇宙の隅々へと届く。
彼女たちの使命は
ただ音を奏でることではなく
未来の世界に秩序を刻むことだった。
流れ星が消えた瞬間、
空が裂け、巨大な光の扉が現れた。
そこから吹き出す光は柔らかく、
しかし計り知れない力を秘めていた。
ゼフィアは息を整え、
静かに言った。
「エネルギーは均衡した状態で、
扉は開く準備を始めたわ」
ミラは微笑み
未来を見据えて言う。
「未来は揺らぐけれど、
確かにここから始まるね」
ヴェロニカは胸に手を当て、
穏やかな声で告げた。
「さぁ、誰にこの音が届くのかしら。
そして、この出来事は
宇宙の一大イベントとなるわ。
永遠に語り継がれることでしょう」
三人が最後に和音を響かせると、
扉は静かに開いた。
それは、まだイシュタール号の
クルーたちが集められる前の
出来事だった。
この物語から生まれた楽曲は
10月11日
お楽しみいただけます