いつ以来となるだろうか...?
20年近くのご無沙汰かもしれない。

とにかく久しぶりの天皇杯観戦は忘れを得ぬものとなった。

試合前に密かに期待していたジャイアントキリングを本当に目の当たりにするとは思わなかった。

オフトジャパン時代の日本代表だった都並敏氏の息子がPK合戦となった最後のPKを決めた時、AC長野パルセイロに歓喜が訪れた。


1-1
PK 4-5 長野勝利

試合前記事で紹介した通り、長野はJ3リーグ12試合5失点、クリーンシート7試合という堅守を誇るチームである。



殆どが控えメンバーの東京相手に前半は互角以上の戦いを見せた。

先制ゴールを決めるビッグチャンスをキーパーのファインセーブに阻まれたりもした。

長野の堅守に手を焼く東京は後半に入り、河野に替えて中島を投入。

これが当たり、後半19分に前田のグラウンダーのクロスを交替出場の中島が決めて東京が先制した。

長野の堅守がこじ開けられた。

J3では失点が少ないだけに、失点する事に対する免疫の無さが(個人的に)懸念された。

欧州CL決勝のユベントスみたいにならないか不安になった。

J1の面子に懸けて、このまま1-0で終わらせるつもりなどない東京は追加点も狙ってくる。

しかし、長野も攻め込まれながらも何とか踏ん張り、追加点を与えなかった。

中島の技ありのシュートをゴールバーに守られた場面もあった。

リードされながらも自分達のカラーを失わなかった長野は、後半42分左コーナーキックから内野がヘッドで決めて遂に同点に追いついた。

先制されてからも気持ちを切らさずに走り続けた事が同点劇を呼び込んだ。

90分間では決着が着かず延長戦に縺れた。

延長前半開始早々に阿部に決定的シュートを打たれながらもゴールポストに守られた。

ゴールバーに続いて二度も命拾いした。

東京の攻勢が続く中で長野は、前田(29番)が足をつって満足に動けないが、交替枠を使い切っていた。

時折、攻め込まれる長野がジャックナイフを繰り出すも、延長戦以降は東京ペースとなった。

それでも、長野の堅守は120分間崩れる事なく、東京の攻撃を1失点で食い止めた。

大健闘の長野は、120分間戦い抜いて負けなかった。

東京は、仮にPK合戦に勝利しても勝ったと喜べる試合ではなかった。

PK戦まで持ち込んだだけでも長野は大健闘だが、まだジャイキリまでは起こしてない。

東京サポーターが陣取るゴール裏で蹴るPKは、長野にとって逆風にもなる。

東京サポーターが正面で妨害工作をする中でPKを蹴らなければならないからである。

それでも、5人全員が決めてジャイキリを起こした。



全国各地で行われた天皇杯では、J1勢が4チーム姿を消した。

J2京都も合わせると5チームがジャイキリで格下のクラブに喰われた。

ジャイアントキリングとは日本サッカーでは天皇杯でしか観られない。

Jリーグやルヴァンカップでは観られないドラマである。

天皇杯の醍醐味を味わえたのは幸運だった。

読者登録してね

ペタしてね