
2年連続で同じ顔合わせとなったコパ・アメリカ決勝。
アルゼンチンのレジェンドであるマラドーナ氏が母国の代表チームに対して「負けたら、国に帰ってくるな」と強烈なエールを送っていた。

2014年ブラジルW杯と2015年コパ・アメリカチリ大会、2大会連続準優勝に加えて、1993年コパ・アメリカ以来代表のタイトルが無いアルゼンチンは、絶好のチャンスだった。
しかし、試合は...。
開始早々の15秒、バネガがミドルシュートを放つが、僅かに左に逸れた。
その後は、コパらしく大荒れの試合となった。
先ずは16分、メッシのドリブル突進をディアスがファールで止めてイエローカードが提示された。
20分、メデルがパスをトラップミスしてイグアインに拾われて、アルゼンチンは大きなチャンスとなった。
しかし、キーパーと1対1となったイグアインのシュートは、僅かに枠を外れてゴールならなかった。

アルゼンチンは、このビッグチャンスを逃した事が結果的に大きな痛手となった。
そして28分、再びメッシの高速ドリブルをディアスがファールで止めて、2枚目のイエローカードで退場処分となった。
1枚目ならともかく、2枚目だっただけに厳しかったかもしれない。
その後も、試合は荒れ続けて37分、マスチェラーノとビダルが揉めて両者にイエローカードが提示された。
更に40分には、メッシがシミュレーションでイエローカードをもらった。
荒れた試合をカードでコントロールしてる!?
しかし、選手達をいきり立たせて余計に試合が荒れている。
43分には、ロホがビダルに後方からのタックルで1発レッドカードとなった。

前半だけで、両チーム一人ずつ減ってしまうとは、最後まで本当にコパらしかった。
カードが出まくり、試合が荒れに荒れて前半のロスタイムが5分。
前半のロスタイムとしては、見たこともない数字だが、南米では不思議ではないのかな...。
カードばかりで、ゴールはおろか、シュートも少ない前半だった。
ユーロのポルトガルvsクロアチア(110分まで両チーム枠内シュート0)を観ているみたいだったか...。
後半も前半みたいな荒れた展開にはならなかったが、両チームゴールが生まれずスコアレスで延長戦に突入した。
コパ・アメリカは、決勝戦のみ延長戦が行われ、延長戦に入ったら、4人目の交替も認められる。
後半からボチボチ、アルゼンチンゴールに迫れるようになったチリは延長前半99分、左からのクロスをバルガスが決定的なヘッドで合わせるが、ロメロがスーパーセーブでゴールを阻止した。
直後の延長前半100分には、メッシのFKにアグエロが頭で合わせるが、ブラボもスーパーセーブでお返しをした。
圧倒的に攻めるアルゼンチンだが、粘り強いチリディフェンスを最後まで攻め切れず、スコアレスのままPK 戦突入となった。
気付けば、昨年と全く同じ。
攻めまくったアルゼンチンには、嫌なPK 戦だっただろう。
そして結果は、PK 戦まで昨年と同じでチリが勝った。

一人目のキッカーとして登場したメッシだが、枠外へ外してしまい、チームを勝利へ導く事が出来なかった。

代表でのタイトルを逃したショックは計り知れないが、それ以上に世界中に激震を走らせたのが、メッシから出た代表引退示唆だった。

「僕にとっての代表のための時間は終わった」by メッシ
ミックスゾーンで気が動転していて出た言葉との見方もあるが、数ヶ月は代表でのメッシは観れないかもしれない。
でも、代表引退には、まだ早すぎる。
アルゼンチンのみならず、世界中のサッカーファンが望んでいる事ではないだろう。
この後は、クロアチアでゆっくりバカンスを楽しんで来季に向けてもらいたい。


