ダービー発祥の地であるイギリス。
その首都であり、英ダービーが行われるエプソム競馬場があるロンドンでは、プレミアリーグでも様々なロンドンダービーが存在する。

サッカーファンの中で最もメジャーなロンドンダービーと言えばチェルシーvsアーセナルのビッグロンドンダービーだが、現地では最も熱狂的とされるのがトッテナムvsアーセナルのノースロンドンダービーである。



プレミアリーグ第29節、ホワイト・ハート・レーン(トッテナムホーム)で激突したノースロンドンダービーはプレミアリーグ史上最高のノースロンドンダービーとしてキックオフの時を迎えた。

首位レスターを3ポイント差で追いかける2位トッテナムと首位を6ポイント差で追いかける3位アーセナルの一戦は、共に優勝争いに残る為にも何としても勝たなければならないダービーだった。

唯でさえ熱狂的なダービーマッチで、尚且つ両チーム共に優勝争いに絡んでいるとは、15年前の両チーム共にスクデット争いに絡んでいた運命のローマダービーを思い出した。


立ち上がりからペースを掴んだのは、ホームのトッテナムだった。

しかし、先制したのはアーセナルだった。

前半39分、スローインからリスタートされたボールを左サイドのウェルベックから右サイドのベジェリンへと繋いで、ベジェリンから折り返したグラウンダーのクロスをラムジーが右足ヒールで芸術的なシュートを決めた。


アーセナル1点リードで折り返して迎えた後半10分、コクランが2枚目のイエローカードで退場となり、アーセナルは一人少なくなった。

数的優位に立ったトッテナムは、その直後の後半12分にケインが至近距離から強烈なシュートを放つがライン寸前でGKオスピナが弾き出した。
ゴールラインテクノロジーでは、ボールが9割以上ゴールインしているほど際どいシーンだった。

更に勢いを増したトッテナムは後半15分、コーナーキックの溢れ球をアルデルヴァイデルトが決めて同点。

後半17分には左サイドの深い位置からケインが右足でカーブをかけてファーサイドへシュートを決めて逆転とした。




逆境に強いトッテナムは、今季先制ゴールを許した試合で5勝3敗2分で勝ち点17を稼いでいるだけに、一人多いこの試合は、このまま勝つだろうと思われた。

しかし、アーセナルも、このままでは終わらなかった。

後半31分、ベジェリンのスルーパスをサンチェスがシュートを決めて同点に追いついた。




お互いに勝ち点3を譲れない両雄の対決は、残り15分程度となったこの後もダービーマッチらしく白熱したが、ライバル同士が共に優勝争いに絡んで迎えた直接対決(ノースロンドンダービー)は、15年前の運命のローマダービーと同じスコアで終わった。




首位を走るレスターがワトフォードを1-0で破った事で両チーム共にレスターの背中が遠のいた。

日本代表岡崎慎司が所属するレスターは昨年2月まではプレミアリーグ最下位に沈んでいて、昨季14位ながらも今季は、ここまでプレミアリーグ首位を走り、世界を驚かせている。

首位レスターから5ポイント差に広げられた2位トッテナムも1960-61シーズン以降優勝から遠ざかっていて、久しぶりの優勝争いに充実のシーズンを送っている。

首位から8ポイント差の3位アーセナルは苦しくなったか...。


プレミアリーグ史上最高のノースロンドンダービーも白熱した素晴らしい戦いだったが、今度はプレミアリーグ残り9試合、岡崎が所属するミラクルレスターを追いかけてみるのも面白いだろう。


優勝へ向けてラストスパートだ!岡崎慎司。