☆Last adventure 最後の試練 vol.2◇
《9年ぶりトリノとの再会》
搭乗時間を迎えると、乗客は続々と飛行機へ乗り込んだ。

ここから、ローマまでは凡そ12時間のフライトである。
今夏、青春18切符で旅をした時は8~10時間の旅で、それよりも長い。
我々を乗せた飛行機は、定刻にローマへ向けて飛び立った。
機内食はイタリア料理を選択した。

今まで、アリタリアの機内食は美味しいと思った事は無かったが、今回のは良かった。
メインのパスタがヴォーノだった。
2年半前の前回の行きの飛行機では隣り合わせた方々と親しくなって色々とお話させて頂いたが、今回も隣り合わせた方々と色々とお話させて頂いた。
隣り合わせた方々は前回と同じく団体ツアー参加で老夫婦だった。
御主人は、79歳と仰っていた。
長野県で農家を営んでいる方で、この旅ではナポリ、ローマ、ミラノへ行かれるそうだった。
アジア諸国は津々浦々旅されたようだが、ヨーロッパは初めてとのこと。
アジア諸国の旅の思い出話では、中国の店で買い物をした時に売れ残りの不良品を掴まされた事を聞かせてもらった。
トーマスの別の中国を旅した知人からも同じような話を聞いた事がある。
中国を旅した人からはろくな思い出話を聞いた事が無いだけに、あまり行かない方が良いのかなとも思った。
御主人は今度のイタリアでは、スリに遭われないかを心配されてた。
それに関しては衣服、ズボンのポケットには財布を入れないようにする事と、とにかく「コンニチハ」とか怪しい者には関わらないようにする事と差し出がましいながらも、10回以上イタリアを旅した経験上のアドバイスをして差し上げた。
団体行動の中に入れば平気だと思うが、声をかけられたら無視できなさそうな人柄の良い御主人にも見えたので「コンニチハ」を無視できるかが個人的に心配にも思えた。
でも、後々で詳しく触れるが、トーマスもバルセロナのコロンブスの塔で怪しい人物を見誤って女スリに危うく150ユーロをちょろまかされそうになった事があった。
初めて訪れる街では、特に注意が必要だと思った。
また、御主人は野球が好きで、前夜に行われたプレミア12準決勝、侍と韓国の試合を7回まで観ていたそうだった。
翌日の出発が5時だったので最後までは観れず、3-0から逆転負けした事には驚かれていた。
その他、農家の話も聞かせてもらった。
機内で過ごす準備は色々としてきたが、そこまでお話ができれば、持ってきた本も使わない物が多かった。
機内のエンターテイメントでは、ソリティアもあって12時間のフライトも全く暇はなかった。

ドリンクを下げにきたイタリア人の職員に御主人が「上のリュックを取って下さい」と頼んでいたが、職員は「ウォーター?」と全く通じてなかったので、トーマスが取って差し上げた。
御主人は、薬が飲みたかったようだったが、「身長が低いので届かない」そうだった。
トーマスが勤めている老健でも、簡単な頼み事でもご利用者様には出来ない事をして差し上げると喜んでもらえる事がある。
ここでは、職業病が出てしまった...。
フライトも終盤を迎えるとエンターテイメントを眺めているのも楽しい。

良く、ここまで来た。
あともう少し。

到着前には軽食が来る。

軽食が終わると、間もなくローマ・フィウミチーノ空港へ到着した。
定刻よりも若干早かった。
成田からローマまでの12時間のフライトは終わったが、ここからトリノへ行く飛行機に乗り継ぐ。

思えばローマ・フィウミチーノ空港から乗り継ぐのは初めてだった。
いつもはUSCITA(出口)へ向かうところだが、今度ばかりは違う。
ローマからトリノへ向かう飛行機に乗り込んだ。

日本人は綺麗に居なくなって、本格的にアドベンチャーがスタートしたような気にさせられた。

トリノ・カセッレ空港へ到着した。

飛行機を降りた時からローマに居る時よりもひんやりした感じがあった。
22時近くで客も少ない。
USCITAの案内に沿ってターンテーブルまで来た。

到着してから最初の心配事は旅行バッグがトリノまで来ているか?だった。
アリタリアは航空会社の中でもいい加減と聞いている。
今回は特に乗り継ぎなので、荷物がローマで降りていたり、他の空港へ行っていたりしてないかが凄く心配だった。
しかし、旅行バッグは、ちゃんと来ていた。
幸いにも、ターンテーブルへ着いてから、早くに見つけられた。

とりあえず、ホッとした。
これまでの海外遠征で荷物が来てなかった事は一度も無いが、そう言った話を聞く以上、やはり不安になってしまう。
この後は、バスでトリノ市街地であるポルタ・ヌォーバ駅まで行く事になる。
9年前も空港からはバスを使ったが、空港の何処から、どうやって乗ったかまでは記憶に無い。
事前の調べではバス停が分かりにくいところにあるとか、小さな空港なので見つけるのは大変ではないとか、口コミが分かれていたのが気になった。
空港を出ると最初は、レンタカーのところへ迷い込んでしまったが、その後直ぐにバス停を見つけた。
それほど分かりにくいものでもなかった。
バスの切符はバス停の近くで職員が売っていた。
バスに乗るまでは、それほど待たなかった。
30分に1本出ているらしい。
ポルタ・ヌォーバ駅へ到着する前にポルタ・スーザ駅に到着する。
ドライバーが「ポルタ・スーザ」と叫んで、停留所へ到着した事を知らせてくれた。
約半数の乗客が降りた。
降りていった乗客は預けた荷物を取り出して行くが、ポルタ・ヌォーバで降りる者は自分の荷物が無事か心配になる。
座席を移動して窓から自分の荷物を持って行かれてないか見てしまったが、無事だった。
でも、そのくらい用心をした方が良い。
間もなくバスは、ポルタ・ヌォーバへ到着する。

ドライバーも到着した時は教えてくれるが、車内案内でも分かる。
ポルタ・ヌォーバへ到着してバスを降りて直ぐに見つけた落書き。

ユベントスのレジェンドであるデル・ピエロの事について書かれている。
イタリアでは、街を歩いていると、この手のカルチョに関する落書きを良く目にする。
「イタリアへ来たんだな」という気にもさせられた。
そんな気分に浸る間もなく、年輩女性から「ポルタ・ヌォーバ駅は何処?」と聞かれた。
乗ってきたバスはポルタ・ヌォーバ駅行きだが、駅からは少し外れた所に停まる。
9年ぶりにトリノと再会して恐る恐る、ここまで辿り着いたトーマスが、そんな事パッと答えられるわけない。
申し訳ないが「アイドントノー」としか答えられなかった。
トーマスも、ホテルへ辿り着くには先ずはポルタ・ヌォーバ駅を探さなければならなかった。
トリノまでは来たが、初日のアドベンチャーを終えるまでは、あとひと頑張りしなければならなかった。
夜なので地図を見ても、位置が分からない。
自分のカンを頼りに進んで行くしかなかったが、幸いポルタ・ヌォーバ駅は直ぐに見つかった。
駅が分かれば、ホテルを見つける事は簡単だった。

宿泊地メルキュール・クリスタル・パレスへ到着したのは、午前0時近かった。
翌日に観戦するユベントスvsミラン観戦チケットが入った封筒も受け取った。
家を出発してからホテルまでは、凡そ23時間の長旅だった。
部屋に入って観戦チケットが入った封筒を開けた。

A4の用紙にチケットがプリントされた物だった。
今まで見たことの無いタイプのチケットだったので、本当にこれでスタジアムに入れるのか心配になったが、とりあえず初日の冒険は、これで終わり。
初日は、無事にホテルに辿り着くだけで良い。
翌日以降、開始される本格的なアドベンチャーに備えて消灯した。
《9年ぶりトリノとの再会》
搭乗時間を迎えると、乗客は続々と飛行機へ乗り込んだ。

ここから、ローマまでは凡そ12時間のフライトである。
今夏、青春18切符で旅をした時は8~10時間の旅で、それよりも長い。
我々を乗せた飛行機は、定刻にローマへ向けて飛び立った。
機内食はイタリア料理を選択した。

今まで、アリタリアの機内食は美味しいと思った事は無かったが、今回のは良かった。
メインのパスタがヴォーノだった。
2年半前の前回の行きの飛行機では隣り合わせた方々と親しくなって色々とお話させて頂いたが、今回も隣り合わせた方々と色々とお話させて頂いた。
隣り合わせた方々は前回と同じく団体ツアー参加で老夫婦だった。
御主人は、79歳と仰っていた。
長野県で農家を営んでいる方で、この旅ではナポリ、ローマ、ミラノへ行かれるそうだった。
アジア諸国は津々浦々旅されたようだが、ヨーロッパは初めてとのこと。
アジア諸国の旅の思い出話では、中国の店で買い物をした時に売れ残りの不良品を掴まされた事を聞かせてもらった。
トーマスの別の中国を旅した知人からも同じような話を聞いた事がある。
中国を旅した人からはろくな思い出話を聞いた事が無いだけに、あまり行かない方が良いのかなとも思った。
御主人は今度のイタリアでは、スリに遭われないかを心配されてた。
それに関しては衣服、ズボンのポケットには財布を入れないようにする事と、とにかく「コンニチハ」とか怪しい者には関わらないようにする事と差し出がましいながらも、10回以上イタリアを旅した経験上のアドバイスをして差し上げた。
団体行動の中に入れば平気だと思うが、声をかけられたら無視できなさそうな人柄の良い御主人にも見えたので「コンニチハ」を無視できるかが個人的に心配にも思えた。
でも、後々で詳しく触れるが、トーマスもバルセロナのコロンブスの塔で怪しい人物を見誤って女スリに危うく150ユーロをちょろまかされそうになった事があった。
初めて訪れる街では、特に注意が必要だと思った。
また、御主人は野球が好きで、前夜に行われたプレミア12準決勝、侍と韓国の試合を7回まで観ていたそうだった。
翌日の出発が5時だったので最後までは観れず、3-0から逆転負けした事には驚かれていた。
その他、農家の話も聞かせてもらった。
機内で過ごす準備は色々としてきたが、そこまでお話ができれば、持ってきた本も使わない物が多かった。
機内のエンターテイメントでは、ソリティアもあって12時間のフライトも全く暇はなかった。

ドリンクを下げにきたイタリア人の職員に御主人が「上のリュックを取って下さい」と頼んでいたが、職員は「ウォーター?」と全く通じてなかったので、トーマスが取って差し上げた。
御主人は、薬が飲みたかったようだったが、「身長が低いので届かない」そうだった。
トーマスが勤めている老健でも、簡単な頼み事でもご利用者様には出来ない事をして差し上げると喜んでもらえる事がある。
ここでは、職業病が出てしまった...。
フライトも終盤を迎えるとエンターテイメントを眺めているのも楽しい。

良く、ここまで来た。
あともう少し。

到着前には軽食が来る。

軽食が終わると、間もなくローマ・フィウミチーノ空港へ到着した。
定刻よりも若干早かった。
成田からローマまでの12時間のフライトは終わったが、ここからトリノへ行く飛行機に乗り継ぐ。

思えばローマ・フィウミチーノ空港から乗り継ぐのは初めてだった。
いつもはUSCITA(出口)へ向かうところだが、今度ばかりは違う。
ローマからトリノへ向かう飛行機に乗り込んだ。

日本人は綺麗に居なくなって、本格的にアドベンチャーがスタートしたような気にさせられた。

トリノ・カセッレ空港へ到着した。

飛行機を降りた時からローマに居る時よりもひんやりした感じがあった。
22時近くで客も少ない。
USCITAの案内に沿ってターンテーブルまで来た。

到着してから最初の心配事は旅行バッグがトリノまで来ているか?だった。
アリタリアは航空会社の中でもいい加減と聞いている。
今回は特に乗り継ぎなので、荷物がローマで降りていたり、他の空港へ行っていたりしてないかが凄く心配だった。
しかし、旅行バッグは、ちゃんと来ていた。
幸いにも、ターンテーブルへ着いてから、早くに見つけられた。

とりあえず、ホッとした。
これまでの海外遠征で荷物が来てなかった事は一度も無いが、そう言った話を聞く以上、やはり不安になってしまう。
この後は、バスでトリノ市街地であるポルタ・ヌォーバ駅まで行く事になる。
9年前も空港からはバスを使ったが、空港の何処から、どうやって乗ったかまでは記憶に無い。
事前の調べではバス停が分かりにくいところにあるとか、小さな空港なので見つけるのは大変ではないとか、口コミが分かれていたのが気になった。
空港を出ると最初は、レンタカーのところへ迷い込んでしまったが、その後直ぐにバス停を見つけた。
それほど分かりにくいものでもなかった。
バスの切符はバス停の近くで職員が売っていた。
バスに乗るまでは、それほど待たなかった。
30分に1本出ているらしい。
ポルタ・ヌォーバ駅へ到着する前にポルタ・スーザ駅に到着する。
ドライバーが「ポルタ・スーザ」と叫んで、停留所へ到着した事を知らせてくれた。
約半数の乗客が降りた。
降りていった乗客は預けた荷物を取り出して行くが、ポルタ・ヌォーバで降りる者は自分の荷物が無事か心配になる。
座席を移動して窓から自分の荷物を持って行かれてないか見てしまったが、無事だった。
でも、そのくらい用心をした方が良い。
間もなくバスは、ポルタ・ヌォーバへ到着する。

ドライバーも到着した時は教えてくれるが、車内案内でも分かる。
ポルタ・ヌォーバへ到着してバスを降りて直ぐに見つけた落書き。

ユベントスのレジェンドであるデル・ピエロの事について書かれている。
イタリアでは、街を歩いていると、この手のカルチョに関する落書きを良く目にする。
「イタリアへ来たんだな」という気にもさせられた。
そんな気分に浸る間もなく、年輩女性から「ポルタ・ヌォーバ駅は何処?」と聞かれた。
乗ってきたバスはポルタ・ヌォーバ駅行きだが、駅からは少し外れた所に停まる。
9年ぶりにトリノと再会して恐る恐る、ここまで辿り着いたトーマスが、そんな事パッと答えられるわけない。
申し訳ないが「アイドントノー」としか答えられなかった。
トーマスも、ホテルへ辿り着くには先ずはポルタ・ヌォーバ駅を探さなければならなかった。
トリノまでは来たが、初日のアドベンチャーを終えるまでは、あとひと頑張りしなければならなかった。
夜なので地図を見ても、位置が分からない。
自分のカンを頼りに進んで行くしかなかったが、幸いポルタ・ヌォーバ駅は直ぐに見つかった。
駅が分かれば、ホテルを見つける事は簡単だった。

宿泊地メルキュール・クリスタル・パレスへ到着したのは、午前0時近かった。
翌日に観戦するユベントスvsミラン観戦チケットが入った封筒も受け取った。
家を出発してからホテルまでは、凡そ23時間の長旅だった。
部屋に入って観戦チケットが入った封筒を開けた。

A4の用紙にチケットがプリントされた物だった。
今まで見たことの無いタイプのチケットだったので、本当にこれでスタジアムに入れるのか心配になったが、とりあえず初日の冒険は、これで終わり。
初日は、無事にホテルに辿り着くだけで良い。
翌日以降、開始される本格的なアドベンチャーに備えて消灯した。
To be continued.