2007年12月、通算14度目となる海外遠征は、カルチョの国に加えて初めてスペインへも足を踏み入れた。

ミラノ・サンシーロでセリエAインテルvsトリノを観戦後、マドリードへ移動して、サンチャゴ・ベルナベウでレアル・マドリードvsラツィオを観戦。
それから、ローマ・オリンピコでローマvsマンチェスター・ユナイデッドを観戦する旅とした。


ミラノのシンボルであるドゥオモが長く続いていた工事が終わって、久しぶりに本来の姿を見せていた。


ドゥオモの天井へと登り、ミラノの街を一望した後でサンシーロへと向かった。

サンシーロへ到着して座席へ向かうと、辺り一帯は小学校低学年の子供達の大群(ちびっこギャング)が占拠していて、トーマスの座席には女児のリュックが置いてあった。
周りに居た保護者は、何処か空いている所で観戦してほしいとの事だった。

周りは幾らでも座席は空いてるので、それでも特に問題は無いが、カルチョの国ならではの出来事に面食らった。

試合は、前半イブラヒモビッチのPKが決まり、1-0インテルリードで折り返した。

後半は、インテルの独壇場となった。
50分フリオ・クルス、52分ヒメネス、76分コルドバがゴールを決めてインテリスタを喜ばせた。



一方、トーロ(トリノサポーター)は目の前のゴールで次々と失点を見せられて怒りが沸点に達したのか!?イスが炎を挙げて燃えていたが、サポーターの手で鎮火させていた。

イスが燃えるなどカルチョの国では珍しい事ではない。
それほど、大事にはなっていなかった。

サンシーロでのセリエA観戦は、インテルが4-0でトリノに圧勝した。


翌日、マドリードへ移動した。

初めて向かったスペインは事前の調査では、イタリアよりも治安面でかなり問題があるとされていた。

空港からホテルはタクシーを使えとか、街を歩く時は手ぶらでとか、夜は出歩くなとか、イタリアの旅行ガイドには書いてない事が書いてあったりした。
現在は落ち着いているようだが、十数年前には首閉め強盗が多発したとも聞いている。

マドリードに到着した時から、ミラノに居た時以上に気を引き締めた。

空港からホテルへは旅行ガイドに従ってタクシーで向かった。
日本でも乗りたくないタクシーを海外で使うなんて邪道だが、市街地まで適当な交通手段が無かった事もあって、タクシーを使う他無かった。

夜は出歩くなと言われても、チャンピオンズリーグは夜だから、それは無理だ!
街を歩く時は手ぶらも無茶だろう!

そんなにスペインは危ないのか!?と思いながらも到着した日から街へ出歩いた。

地下鉄に乗ってレアル・マドリードのオフィシャルショップ、アレア・マドリードへ行った後で、バイキング形式のレストラン、フレスコで食事してからホテルへ戻った。

日が落ちて暗くなってからだったが、特に危ない事はなく、全く問題は無かった。

翌日は、日中、サンチャゴ・ベルナベウスタジアムツアーに出掛けた。



ダフ屋から観戦チケットを買いに来たのと間違えられたり、当日券の観戦チケットの列に間違えて並んだりという紆余曲折があったが、無事にスタジアムツアーに参加できた。

サンシーロとは違って時間に基づいてガイドが付く形式のものではなく、スタジアム内部を順路に基づいて自由に見物していく形式である。

チャンピオンズリーグ、レアル・マドリードvsラツィオ観戦前にサンチャゴ・ベルナベウのグランドと対面した。



グランドレベルまで降りてテクニカルエリアにも行ける。


そして、サンチャゴ・ベルナベウのベンチにも座った。


夜には、ラツィオの選手が、ここに座る。

スタジアムツアーにはラツィオの服装をした人も多く見られた。
ローマからやって来たラツィアーレだろう。

ラツィアーレから記念撮影を頼まれて、無事に完了すると彼等はイタリア人だと思われるが、「グラシアス」とスペイン語でお礼を言う姿が印象に残った。


ホテルへ戻った後、今度は、チャンピオンズリーグ観戦の為にサンチャゴ・ベルナベウへ向かった。



当初は旅行ガイドに従ってスタジアムまでタクシーを使う予定だったが、地下鉄でも平気そうだったので、地下鉄を利用した。

地下鉄に乗ると隣の車両から聴いた事ある歌声が聴こえてきた。
それは、ラツィオのオフィシャルソングであるVola Lazio volaだった。
5~6人くらいのラツィアーレが口ずさむようにして歌っていた。

スタジアムへ到着すると、ラツィアーレが元気に威勢良く歌声を挙げている姿が多く見られた。

チャンピオンズリーググループリーグ最終節、ラツィオはレアル・マドリードに2点差以上の勝利でグループリーグ突破が決まる。
ラツィオは前節、ホームでオリンピアコスに魔さかの敗戦を喫しているだけに、ベルナベウでグループリーグ突破を決めるなど奇跡でも起こらない限り不可能というのが戦前の見方だった。

それでも、試合が始まればダメとは分かっていてもラツィオを応援してしまう。
開始早々は決まらなかったが、ラツィオに決定機もあった。

先制チャンスを逃した直後からレアル・マドリードの攻撃が爆発した。

13分バチスタ、16分ラウール、36分ロビーニョにゴールを割られて、大方の予想通りの展開となった。



後半36分、ラツィオはパンデフがゴールを決めて1点を返した。

試合終了間際にもPKを得るがロッキが外して1-3で敗れた。

この試合では、ラツィオのGKバロッタが43歳で出場してチャンピオンズリーグ最年長出場記録を更新している。




2015-16シーズン、久しぶりにチャンピオンズリーグ本選出場のチャンスがあったが、予備選でレバークーゼンに敗れて、8年ぶりのチャンピオンズリーグ本選出場を逃した。

ラツィアーレとしてラツィオのチャンピオンズリーグでの勝利を観られなかったのが唯一の心残りだった。

To be continued.