巨|000 000 000|0
神|200 000 00x|2

勝:藤浪14勝6敗0S
敗:ポレダ8勝8敗0S
巨:ポレダ-宮國-戸根-田原誠
神:藤浪



甲子園の夜空に浮かび上がる満月は虎にツキをもたらした。

首位を追いかける巨人があまりに不甲斐なくもあった。

試合は、立岡の左中間の打球を江越の大ファインプレーで幕を開けた。

その後も藤浪は二死1,3塁のピンチを迎えるが、長野を157㌔のストレートで空振り三振に斬った。

虎は、その裏の攻撃で巨人の守備の乱れに付け込んだ。

鳥谷のヒットと大和の送りバントで一死2塁からポレダのワイルドピッチで鳥谷が3塁へ進塁。

マートンの打席では、前進守備となった事が仇となり、三遊間を破られて先制タイムリーとなった。



更に、ゴメスの併殺コースのサードゴロを岡本がセカンドへ悪送球し、一死1,3塁としてしまう。

続く、良太のサードゴロの間に追加点が入った。

首位を追いかけるためにも負けられない巨人には、この2点が重くのしかかった。

神宮ではヤクルトがリードしているという状況が更に焦りとなっていただろう。

終盤からはバテた藤浪を捕まえる事ができない。

もちろん、藤浪の粘りの投球も光った。


 
8回裏二死1,2塁のピンチでは今季限りで退任が決定的となっている虎将からハッパをかけられて、坂本をレフトフライに斬った。



8回裏、この試合3度の打席は全て得点圏だった。

二死満塁で巡った3打席目は、守護神オスンファンがブルペンに居れば代打福留でお役ご免となっていただろう。

でも、福原にも安藤にも最終回のマウンドを任せられない以上、追加点のチャンスの場面でも打席に立った。

フルカウントまで持っていったが最後は空振り三振となった。

そして、最終回のマウンドに向かった。

逆転優勝に向けて執念を見せる巨人は、やはり最後の攻撃もすんなりとは終わらなかった。

二死2塁から代打高橋由伸のレフト前ヒットでは、(2塁ランナー)長野の足ならホームイン出来そうだったが、敢えて3塁で止まった。

由伸の代走鈴木にセカンドへの盗塁をし易くするため。

鈴木は期待に応えて、難なく盗塁を決めて二死2、3塁、一打同点の場面を作った。

3連覇している巨人の勝利への執着心は、最後の最後まで衰えない。

しかし、疲れていながらも藤浪の一球入魂が勝った。



最後は、力を振り絞り、大田をボテボテのピッチャーゴロに斬ってG打線を完封。

ハーラートップタイの14勝目を挙げた。

今季最後の甲子園での伝統の一戦で巨人を倒した。



今や、間違いなく虎のエースと呼ぶに相応しくなった藤浪晋太郎。



ヤクルトが勝ってマジック1となり、巨人の優勝は風前の灯火となった。



虎は、僅かながら2位の可能性を残しているとは言え、現実は広島との3位争いだろう。

ペナントレース最終戦で甲子園で激突するまでに、クライマックス進出を決めて置かなければならない。