
かすみがうらマラソン前日に会場である土浦へ向かう途中、上野駅の自販機の取り出し口で2本の野菜ジュースを発見した。
昔々、トーマスが小学生の頃だったか...。
その手のジュースを飲んだ人が亡くなった事件があった事を思い出した。
毒入りのジュースを自販機に仕掛けておく無差別殺人事件である。
上野駅の自販機で見つけた2本の野菜ジュースからも危険な臭いを嗅ぎ付け、当時の事件を調べると、1985年4月~11月の間に全国各地で発生していた。
虎がペナントレースで快進撃を続け、球団史上初の日本一に沸く最中に全国各地で《パラコート連続無差別殺人事件》という毒入りジュースを自販機に仕掛け、それを飲んだ人が2~3日後に亡くなる事件が発生していたという。
当時は、防犯カメラも無く事件は未解決のまま迷宮入りしている。
犯行には、瓶のオロナミンCやリアルゴールドが使われていたらしく、当時の瓶は一度開封してからまたキャップを閉め直しても未開封の物と区別が付かなかった事もあったとされている。
ジュースに仕掛けられた毒は、パラコートという除草剤が使われていて、農薬だけど毒性が強い事から自殺や他殺に用いられる事もあったらしい。
現在は生産されてないとか...。
しかし、パラコートは生産されてなくても毒の代わりになる物は、いくらでもある。
トーマスが見つけた2本の野菜ジュースは、パックなので昔の瓶みたいに一度開封して元に戻すのは不可能。
もし、毒を注入するとすれば目立たない小さな穴を開けて透明テープで止めるという手口か...。
でも、ざっと見たところ、そのような穴は見当たらない。
もし、無差別殺人目的が働くとすれば野菜ジュースよりも、もっと皆が飲みそうなジュースを持ち入りそうでもある。
そう考えれば、取り忘れかもしれないが、自販機で買った物を取り忘れるなんて、どうやったらそうなる!?
2本も置いてあった事も臭い。
警戒心の強いトーマスは、危険な香りのする野菜ジュースを飲む勇気が無い。

毒見するか...?