横断歩道「歩行者妨害」摘発件数と停止率(栃木)2023年 | とまるん@信号のない横断歩道(交通安全)のブログ

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こんにちは/こんばんは。

とまるん@信号のない横断歩道(交通安全) です。



1年前、栃木県の歩行者妨害摘発件数と、信号機のない横断歩道での車の停止率との関係について整理してみました。


2023年01月16日
横断歩道「歩行者妨害」摘発件数と停止率(栃木)

 

 



その中で、
2018年から2022年の5年間のデータを見ると、
「歩行者妨害」摘発件数の増加にあわせて、停止率も上がっているように見えました。

 


また、摘発件数と停止率の関係では、摘発件数が多い年は停止率も高い。
2018年から2022年を見る限りではその関係がありました。

 

 

 



さて、先日(2024年1月5日)、交差点奥にだけ横断歩道がある場合の一時停止位置の件で栃木県警察本部交通指導課を訪問した際に、2022年の歩行者妨害数がまとまったら教えてくださいというお願いをしていました。
その連絡が来ました。
令和5年 2024年の栃木県内の「歩行者妨害(横断歩行者等妨害等)」は
 2129件  (前年比 -1066件)
とのことでした。
栃木県警察本部交通指導課 M様、ありがとうございました。

2023年、JAFの横断歩道停止率調査
( 信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査(2023年調査結果) https://jaf.or.jp/common/safety-drive/library/survey-report/2023-crosswalk )で
栃木県の停止率は74.8% 全国3位になり、
歩行者妨害の摘発件数も増えていると思っていたので意外でした。


昨年のグラフを元に、「歩行者妨害」摘発件数と停止率の関係をグラフにプロットしてみました。
昨年までの1直線の関係から外れたところに今年のプロットがあります。

 

歩行者保護文化の醸成イメージのグラフを横に並べてみると、
摘発件数が減りながら停止率が高いという理想的な「成熟期」にデータ上は
達しつつあるように見えます。

しかし、それをそのまま受け入れるのは違和感があります。
普段の止まる割合の感覚と乖離があるからです。こんなに止まりません。



県内の一般的な横断歩道の停止率の実態としては、
栃木県警察本部交通規制課がまとめた調査が参考になるのではないでしょうか。

これは信号のない横断歩道を予告する◇マークに緑色の下地をペイントして目立たせる施策の効果測定のためにペイント前後で停止率を調査したものです。

下野新聞「SOON」
「ダイヤマーク」カラー化で一時停止率45% 横断歩道を予告で13ポイント上昇 県警「効果上々」周知図る
2023/11/5
https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/813472

" 県警は6~8月、下地を緑色に舗装する事業を県内20市町の通学路や事故発生箇所などで実施。県総合文化センター付近など宇都宮市に11カ所、足利市4カ所、小山市3カ所、那須塩原市4カ所など計57カ所で整備した。

 同課によると、5月と9月に行った効果測定の結果、57カ所の計2646台の車両のうち、1193台が一時停止し、その率は45・1%に上った。カラー化前は2273台中732台の32・2%だった。"

横断歩道予告の◇マークの下地をカラー化していない普通の横断歩道では、
車の停止率は32.2%。
栃木県内 57カ所で調査したというので、JAFの県内2カ所よりも実態を反映した値でしょう。(体感的にもそのくらいです)

 


そう考えると、「成熟期」というにはまだ早すぎます。
まだまだ信号の横断歩道における歩行者優先は、
周知啓発・取締りへの取り組みの力を抜くことなく
継続していく必要があります。

県央の市街地の一部の横断歩道では、よく取締りが行われているところは、
車がよく止まるようになりました。
JAF調査の74.8%もそのような横断歩道だったのかもしれません。

今後は、それ以外の横断歩道でも車が止まるように、
横断歩道における歩行者優先の意識向上、理解促進の啓発への貢献を引き続き取り組んでいきたいと思います。
また、取締りを行う警察の方には、啓発と併せて歩行者妨害取締りの方も一層の取り組みを期待したいと思います。


よろしくお願いします。