中村中(あたる) と 性同一性障害 | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

歌手、中村中(なかむらあたる)。

私事ですが、うちの娘が、bayFMで放送中の彼女がパーソナリティをつとめるラジオ番組「よのなかばかなのよ」(木曜23:00~23:50)にはまっているそうです。

「彼女」と書きましたが、この人は「性同一性障害」であり、戸籍上は男性です。

性同一性障害については、Wikipediaに長い記事がありますが、岸田秀の理論「唯幻論」に従って私なりに解釈を試みると。。。

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人間は「本能の壊れた」動物である。
本能が壊れたままでは種族は保存できないので、人間はそれに替わるものとして文化を生み出した。

人間が「現実」と思い込んでいる文化的営みはすべて人間が作り出した「幻想」である。
「男らしさ」「女らしさ」も文化であり、共同幻想である。

生物学的に男性に生まれついた人間は、「男らしく」振る舞い、女性を好きになるように社会から教育される。その方が子孫が繁栄することができるので文化としては都合がいい。

文化は人間の作り出した幻想であるのだから、逆に例えば男性が男性を愛するべき・女性を愛するべきではない、とする文化があったとしても全く不思議ではないのだが(実際、古代ギリシアや江戸時代までの日本では、男が男を愛する文化があった)、あまりにも極端な文化では子孫繁栄ができないために滅びてしまい、その民族は残っていないだろう。したがって、民族の繁栄にとって都合のいい文化を共同幻想として持つことができた者たちだけが生き残ってきたのだと言える。

生物学的本能にしたがって生きている野性の動物には性同一性障害は起きない。また同性愛もない。

しかし人間にとって、男性が男らしく振る舞い、女性を好きになるのは、本能の替わりとして社会からの教育によって共同幻想を学んだのに過ぎないのだから、その幻想を受け入れられず異なる幻想を持ってしまう個人、例えば、生物学的には男性でも、女性のような外見・服装をして女性のように振舞いたかったり、また男性を好きになったりする人が出てくることは、全く不思議なことではない。
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小難しい理屈を書きましたが、現実に自分が性同一性障害である方にとっては、その人生はそんなに簡単で甘いものではありません。


平成19年6月8日、TBSの金スマで「中村中さんの『波乱万丈』」として彼女の半生が紹介されたそうです。 それについて書かれたブログを見つけました。

http://normalsense.blog84.fc2.com/blog-entry-33.html

(引用開始)
◆中村中さんは、小学生の頃より、姉の服を着て女性アイドルのマネをするのが好きだったようです。
そして、同級生の男子の荒っぽい遊びに加わるのを避け、女子と一緒に遊び時間も過ごすようになったのでした。
しかし、そのような過ごし方が続けられなくなる事件が起きました。

◆女の子同士が「~君が好き!」と言い合っている会話の中で、中村中さんも「ぼくは、~君が好き!」と言ったばっかりに、 クラスメートからつまはじきにされることになったのです。
それからと言うもの、中さんには友だちもなく、一人で過ごすことを強いられることになりました。

◆そのときに心を慰めてくれたのは、音楽でした。
「歌を歌っている間は、嫌なことを忘れていられる!」一人で歌を歌って過ごすことが多かったそうです。
ところが、中学になり変声期をむかえ、自分の気持ちに沿ったように歌を歌えなくなった頃から、中村中さんはピアノの練習に没頭するようになりました。しかも独学で。

◆高校に入ってから、ようやく心を許せる友人グループができましたが、中村中さんはその中の一人の男性を好きになってしまったのです。そして、告白しました。
「変なことを言うようだが、好きなんだ。」
その友人は、笑い飛ばしてくれたそぶりを見せてくれ、中村中さんはホッとしたものの、その友人は実は周りには、
「中に好きって言われた!気持ち悪ぃ~。」
と伝えていたのでした。

しかし、周りの友人たちはそんな中村中さんをかばってくれたのです。
(引用終わり)

こういう背景を知って、彼女の2枚目のシングル「友達の詩」を聴くと、ジーンときます。

「笑われて 馬鹿にされて それでも憎めないなんて
 自分だけ責めるなんて いつまでも 情けないね

 手を繋ぐくらいでいい 並んで歩くくらいでいい
 それすら危ういから 大切な人は友達くらいでいい」



この歌の歌詞はこちらにありました。(Yahooにこんなサービスがあること、知りませんでした。)
http://music.yahoo.co.jp/lyrics/dtl/KAA034673/AAA285794/


彼女のラジオ番組「よのなかばかなのよ」では、こんな苦しい経験をされてきたことは別にして、楽しいお話しで人気を博しているようです。
作詞・作曲・歌・ピアノ、ラジオのパーソナリティの他に、テレビ・舞台で女優としても活動されているようで、多方面に才能ある人なのでしょう。

うちの娘は、メールが読まれたり、サイン入りポスターを貰えることになったりして、ますますはまっているようです。ラジオは、出演者との距離が近い感じがして、いまだに独特のよさがありますね。
(私も中高生時代、MBSヤングタウンやニッポン放送オールナイトニッポンをよく聞いていました。)

中村中さんのHPはこちら。
http://ataru-atariya.com/

4/18発売のニューアルバム『聞こえる』
聞こえる/中村 中

¥3,000
Amazon.co.jp

2014.6.8 追記 東日本大震災支援のお返し セルビア洪水復興支援にご協力を!!

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