福島で最も深刻な原発事故による健康被害は「うつ病」 | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

読売新聞の記事で、福島第一原発事故に関連する健康調査情報がありました。

福島県の18歳以下の青少年約3万8千人について甲状腺を検査した結果、すぐに治療が必要と判定された人は一人もいなかったそうです。

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=58131

(引用開始)
 福島県が全県民を対象に実施している健康管理調査の検討委員会が26日、福島市内で開かれた。18歳以下が対象の甲状腺検査の途中経過が報告され、いずれも「おおむね安心できる結果」であることが報告された。

 甲状腺検査は、3月末までに、南相馬市や浪江町などの3万8114人に実施。うち3万7928人(99・5%)がしこりなどが見つからなかったり、問題ないほど微小だったりした「A判定」だった。小さなしこりが見つかった「B判定」は186人(0・5%)いたが、すぐに治療が必要なほどの異常がある「C判定」はゼロだった。B判定の人については現在、念のため二次検査が行われている。これまでのところ、甲状腺がんを疑われる人はいなかったという。

 県は県外の医療機関に協力を求め、5月以降、県外避難者も現地で検査が受けられるようにする方針。
(2012年4月28日 読売新聞)
(引用終わり)

 原発事故直後に放出された放射性ヨウ素131による青少年の甲状腺異常については、チェルノブイリの前例から考えて、私も(ほぼ唯一)起こりうる身体的健康被害として心配していましたので、たいへんほっとした喜ばしい結果です。もちろん健康調査は今後も継続すべきですが、ヨウ素131の半減期は8日ですので、もうほぼ問題ないと言えるでしょう。


一方で、同じく読売新聞に心配な記事もありました。

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=56487&from=popin

(引用開始)
 東京電力福島第一原発事故後に福島県内の医療機関の精神科や心療内科外来を受診し、うつ病などと診断された患者の3割以上が、原発事故と関連があるとみられることが26日、福島県立医大(福島市)の調査で分かった。

 入院患者も、放射線被曝への恐怖が入院と関連しているとみられる割合が全体の4分の1に上った。

 県内77施設を対象に、事故直後の昨年3月12日から約3か月間に、毎週1日を抽出し、受診患者の状況を調査。回答のあった57施設で診断された410人を分析した。

 医師が原発事故との「関連あり」と診断したのは19・0%(78人)、「関連があるかもしれない」は13・4%(55人)で、合わせて3割以上が事故との関連を示す結果となった。

(2012年3月26日 読売新聞)
(引用終わり)

最も心配された甲状腺異常がただの一人もいないのに、放射線被曝を心配するあまりにうつ病になった(可能性がある)と見られる人が、福島県で受診した人の中だけで133人もいるとは、恐ろしい事実です。

前にも紹介しましたが、朝日新聞と京都大学の研究で、福島の水準の食事を1年間食べた場合、人体の内部被曝線量は、4月から適用される国の新基準で超えないよう定められた年間被曝線量の40分の1(年間0.023ミリシーベルト)にとどまっていたことが報道されています。

http://www.asahi.com/national/update/0118/TKY201201180799.html

このレベルの被曝では、健康被害は考えられないと考えるのが科学的な常識でしょう。(低線量の方が健康被害が大きくなるという驚くべき説を唱えるECRRの信者を除いて。)

日本人の半分ががんにかかり、3分の1ががんによって死亡すると言われる現在、たとえ福島の人ががんになったとしても、その原因が福島第一原発事故による被曝だと証明することは不可能です。(放射性セシウムによる被爆では、放射性ヨウ素の場合の甲状腺がん、アスベストの場合の中皮種のような特徴的な病気はないようです。)

ほとんど起りそうもないきわめて確率の低い健康被害(実際に危ぶまれた甲状腺異常ですら4万人中ゼロ)、もしも本当にあったとしてもそれが原因とわかるはずのないものは心配するだけ無駄であり、明るく過ごす方が精神的には健全です。

身体的健康被害については福島ですらゼロですので(原発作業員の方の健康被害はあったかもしれません)、県外でもほぼゼロと考えていいでしょう。それに対して、被曝による被害を心配してうつ病になった人は、残念ながら福島県外にも多数いることでしょう。


これはまさに安井至先生が的確に警告されていた通りの現象です。非科学的な危険を煽る情報を真に受けてしまい、必要以上に身体の健康を心配するあまり、精神的な健康を害してしまう人がこれほど多数出てしまうとは、皮肉と呼ぶのにはあまりにも残酷な現実です。

政府・自治体が信頼に足る的確な情報を流しておらず、全く信用されていないことがまずは第一の由々しき問題ではあります。

しかし、被曝による健康被害を煽る悪質なデマ情報を流す一部の学者とマスコミ、そしてネット上の住人たちこそが、(もしかしたら善意の警告のつもりかもしれませんが、)まさに現実に人々の健康を害している加害者になっているという厳然たる事実をしっかりと認識すべきだと考えます。

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