震災からもうすぐ1年。
被災地では、まだまだ復興にはほど遠い現実も残ったままです。
JSTVで放送されたフジテレビの番組で、『震災川柳』が紹介されていました。こちらはその記事。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00218860.html
調べると、『震災川柳』と「川柳の女王」こと須藤春香さんについては、週刊ポストでも紹介されていました。
http://www.news-postseven.com/archives/20120228_90751.html
経緯については、週刊ポストの方がうまくまとまっています。
(引用開始)
昨年4月、「川柳を作って、苦境を笑い飛ばしてみてはどうか」という区長の柴田正廣さん(63)の発案で始まった川柳大会は、仮設住宅に移り住む人が増えた7月まで続いた。
このことを報じた昨年の週刊ポスト6月3日号の記事は大きな反響を呼び、この度、記事を読んだ東北大学大学院教育学研究科の長谷川啓三教授が中心となって、200ほどの川柳を集めた句集『震災川柳』が自費出版された。
(引用終わり)
以下、フジテレビの記事。
(引用開始)
参加者の1人、須藤春香さん(51)の川柳「大津波 みんな流して ばかやろう」は、本の巻頭を飾った。
震災後の4月に作ったという。
須藤さんは現在、登米市の仮設住宅で生活している。
須藤さんは、津波で母を亡くした。
須藤さんは「まさか、町全体がなくなるとは思っていなかったんですよ。ちょっと衝撃的でしたね」と語った。
震災から2カ月たった5月、須藤さんは「復興が みなにきてると 思うなよ」という川柳を作った。
須藤さんは「『復興の兆し』、『復興の兆し』って、テレビのニュースでも、ちょこちょこ出るようになっても、わたしたちは、まだ全然、スタートラインにも立てていないよねっていう感じだったので」と語った。
焦る気持ちと現実のはざま。
さらに須藤さんは、「前向きに 生きたいけれど 前どっち?」という川柳については、「あんまり重く書いたつもりはないんですよ。ちゃかして、みんなで笑えるように書いたつもりなんですよ、わたし的には」と語った。
滑稽さに乗せて、つらさや悲しみを吐き出すことができる川柳。
周りの人も、その気持ちを共有しやすいという。
川柳の会の参加者は、「聞いていて拍手したり、わーって笑ったりして、この川柳でずいぶん元気づけられたんだよね」、「みんな寂しさ忘れて、ワイワイしてたね、大勢で」などと語った。
震災からおよそ1年。
須藤さんは、かつて家のあった場所を訪ねた。
今はなき家の跡に立った須藤さんは、「ここから海見えますよ。今気がついた」と語った。
遠いようで近かった海。
須藤さんは「ありえない風景だ、本当に。いつ来ても悲しい風景だな」と語った。
この地を思って、川柳を詠もうとしたが、「なんかここはちょっと悲しい、やっぱり...ごめん」と言葉に詰まり、涙を流した。
そして須藤さんは、「1年たっちゃうんですよね。ただ帰ってこれるなら、南三陸に戻ってきたいなとは、まだ思っています。でもその気持ちが、いつまで持つかしらとも思ってるんです」と語った。
「それぞれの 日常もどれ ふるさとで」。
川柳で癒され、励まされる心。
この町の復興は、まだ始まったばかり。
(引用終わり)
週刊ポストの方で紹介されていた、須藤さんの他の句も紹介しておきます。
『すっぴんで 外に出る日が 来るなんて』
『「ガンバる」の 気持ち浮いたり 沈んだり』
『どこでする 私の復興 なやましい』
まだ復興の先が見えない被災者の方がたくさんおられます。
私たちに何ができるのか、考えなければと思わされます。
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さて、私は、ここ中東某国のVISA更新のため、本日夜のフライトで一時帰国します。
日本滞在はおよそ2週間の予定です。
ブログの更新も少し滞る可能性がありますが、またよろしくお願いします。