先日、外国人力士を調べていて、栃ノ心や臥牙丸の出身国グルジアのことを取り上げました。
その際、Wikipediaのグルジアの記事にこんなことが書かれているのを見つけました。
(引用開始)
日本語名として使われる「グルジア」はロシア語名Грузия(グルーズィヤ)にもとづいており、これは英語名のGeorgiaと同じく、キリスト教国であるグルジアの守護聖人、聖ゲオルギウスの名に由来すると推定されている。
なおグルジアを意味する英語やフランス語のGéorgieなどは、グルジアのほかにアメリカ合衆国のジョージア州とスペルおよび発音も同一である。
2009年3月、グルジア政府は、日本語における同国の国名表記を現在のロシア語表記から英語表記に基づく「ジョージア」への変更を要請した。
(引用終わり)
日本で外国の地名は、基本的にその国での呼び方に近いものが使われます(使われることが多いです)。
例えばウィーン、ミュンヘン、アテネ、ヨハネスブルグは、英語ではそれぞれ(大体)ヴィエナ、ミューニック、アスィンズ、ジョーハネスバーグです。
グルジアが英語ではジョージアだということは知っていて「おいおい、それはないだろう:笑」と思っていたのですが、当のグルジア政府がジョージアに変更してくれと要請しているとは、びっくりです。
もともとソビエト連邦のひとつの共和国だったのでロシア語でグルジアとされていたのが、ソ連が崩壊して現在はロシアと敵対しているので、ロシア語で呼ばれるのは気に入らない!ということなのでしょう。
さて、そもそもグルジアという名前の由来は、聖ゲオルギウスに由来すると。
私はキリスト教関係の人物のことはよく知りませんが、海外の美術館で絵画を鑑賞したり、キリスト教の教会などを訪問して英語の説明などを読んで、気になっていたことがあります。
それは、「聖人の名前は、英語ではありがたみがない」ということ。
ゲオルギウスは、英語ではジョージ(George)です。
ジョージ…。どこにでもいるお兄ちゃんの名前ですよね。あるいは、ひとまねこざる。
さらに、
ヨハネ は ジョン(John)。
パウロ は ポール(Paul)。
ゲオルギウスとヨハネとパウロが、英語ではジョージとジョンとポール(あとはリンゴ?笑)
他には、
ペテロ は ピーター(Peter)
ミカエル は マイケル(Michael)
マリア は メアリ(Mary)
聖母マリアが、メアリではやっぱりちょっと感じが出ません…。
名前という固有名詞を、英語(自国語)に訳す必要はないのに…と思ってしまいいますが、「訳してる」というよりむしろ日本語で何と呼ぶのかを聖書教会のようなところが決めたのでしょう。
しかし、日本でも中国人の名前を日本語読みをしています。同じようなものですね。
胡錦濤(こきんとう)総書記 は フー・チンタオ
温家宝(おんかほう)首相 は ウェン・チアパオ
だそうです。
せめてこのくらいの人の名前は英語で知っておかないと、外国人と話が通じないですね。
韓国人の名前は、昔は日本語読みをしていましたが、現在では韓国語読みですね。
金大中氏は、1973年の拉致事件の頃は「きん・だいちゅう」と呼ばれていましたが、1997年に大統領に就任したときには「キム・デジュン」と呼ばれました。
こういう呼び方はお互い様の決まりのようで、韓国では日本人の名前は日本語読みをしますが、中国では日本人の名前を中国語読みします。
中国でも人気の(らしい)浜崎あゆみは、中国では「滨崎步」で「びんちーぶー」だそうで。