NHK教育『にほんごであそぼ』 なかなかの趣向で好きです。
こちらでは、ちょうど夕食の時間にJSTVで放送されているので、ついつい観ています。
落語の『寿限無』や宮沢賢治の『雨ニモマケズ』を幼稚園児が暗唱したり、最近は金子みすずの『鈴と小鳥とそれから私』にメロディーをつけて、元大関の小錦が「コニちゃん」の名前で歌っていたりします。
毎週、中原中也や夏目漱石など、短い名作の詩や「名文」が紹介されます。
落語『まんじゅうこわい』の歌も面白いし、狂言師の野村萬斎の『ややこしや』も有名(?)
子供による575の作文の紹介もほほえましいです。
小さいこどもが日本語に親しむのに、とてもいい番組と思っています。
そんな番組のコーナーのひとつに「きょうの方言」というのがあり、各地の方言が紹介されます。
で、今日もこれを見るともなく見ていたら、あれ?知っている風景。
私の故郷、橿原市今井町が映っていました。
↓以前に紹介しました。江戸時代の町並みが残る古い町です。
http://ameblo.jp/tomamx/entry-10942887017.html
紹介されていた方言は「あやかす」
例えば子どもがお友達の家から帰るとき、連れて帰る親が「たいへんお世話をかけました」という意味で、「えらい、あやかしまして」と言う、と。
確かに。私の親もそう言っていました。自分では使いませんが。
しかし、こんなマイナーな言葉を紹介するとは(笑)。
この言葉、どのくらいの地域で、どんな年代で使われるのでしょう?
この番組では、今井町を撮影場所にして、若いお母さんが使っているシーンでしたが。
それで、またググっていたら、面白い記事を発見。
「大和方言小辞典」
http://www.magatama.org/hougen.html
「奈良盆地南部周辺で比較的よく耳にする方言を集めてみました。
関西一円でポピュラーなものもあるかもしれませんが、中には奈良市へ行くと全く通じないものもあります。」
…とあります。確かに。面白い。
自分で使うものもあれば、自分は使わないけど、親の世代だったら使うような言葉がたくさん載っています。
私の知っている中で、懐かしいもの、面白いものをいくつかピックアップすると…、
あやかす 世話をかける。厄介をかける。 これを使うのはかなりご年配
いちびる ふざける 「いちびり」といえば、すぐふざける人のこと
いのく 動く
おたびら あぐら
おとろしい 面倒だ 関西一般では「恐ろしい」の意味で使われるが、この辺では意味が違う。
しかし、現在でも非常に頻繁によく使われる代表的な方言。
かく 持つ 「ちょっとそっちかいて」で「ちょっとそっち持って」の意味になる
ぐいち ちぐはぐなこと
げんろく 膝頭 膝ががくがくすることを「げんろくが笑う」と言う
ごんた わがまま 特に小さい子供の「きかんぼう」に対して使う
せんど 何度も
てんご いたずら
なおす 片付ける 現在でも非常に頻繁によく使われる代表的な方言。
ひやこい。ひゃこい。 冷たい
まわり 準備。用意。 現在でも非常に頻繁によく使われる代表的な方言。
よさり 夜
これらの言葉、それぞれ、どのくらいの土地で使われる言葉なのでしょう、ね。
この中で、私の恥ずかしかった経験。
奈良市の高校に通っていた頃、面倒くさいという意味で「おとろしい」「おとろしい」と言っていたら、奈良市に住む友人から「それ、どういう意味?」って言われました。奈良盆地南部でしか使われないことばだとは知らなかったのです。今でもその恥ずかしかったシーンを覚えています。
「まわり」も奈良盆地南部だけかなぁ。「もう、明日のまわりしたか~?」とか普通に使ってそうだけど。
あまり方言っぽくない言葉が、実は危険です(笑)。
「いちびる」「なおす」「ひやこい」なんかは、今でも関西で広く使われていそうです。
「おたびら」「げんろく」「よさり」などは親世代しか使いません。
私自身は、就職してから関東での生活も長いですが、いまだに基本的には関西弁。べたべたな言葉はもう使わないですが。
私の子供たちは、千葉県で育っているので関東弁。
娘が幼稚園の頃までは橿原市に住んでいたので、その頃のビデオを見ると娘が関西弁をしゃべっているのが面白いです。