facebookで安井至 東大名誉教授・国連大学名誉副学長が主宰されている「環境学ガイド」のグループに私も参加しているのですが、興味深い・大事な議論を見つけました。
ルール違反の可能性はありますが、転載させていただきます。
facebookですので、本来は全て実名ですが、ここではイニシャルと職業・居住地だけとします。
M氏(会社員 千葉県)
以下の千葉県印旛郡酒々井町で行われた講演会を聞いてきました。
講演会「放射線と放射線-その健康への影響」
講師:放射線医学総合研究所、内堀幸夫氏
1マイクロシーベルトの意味が分かりました。 どうやら年間被ばく量を5ミリシーベルトのWHOの基準?をもとに計算されているようです。
(講演内容)
基本は100ミリシーベルト以下では明白な有害性が分かっていない。100ミリシーベルトを一度に浴びての話で、徐々に受けるのならばもっと余裕がある。
以下、この環境学ガイドで述べられた内容とほぼ同じ基礎的な話。
これを、基礎として、「現在の汚染状況について話が展開され、WHOの5ミリシーベルト/年?をもとに食品の安全基準が計算されている。 現状の空間線量も食品汚染の状況もほぼ問題ないレベルです。 」と話を結んでいました。
話の内容は、既知のものばかりではありましたが、よく整理されており(きっと方々で講演を重ねてきたに違いない。)最近のデータも示され、私にはわかりやすかったです。これは学会や行政サイドの公式見解に近いのではないでしょうか。
わからないのは、このような講演はマスメディアも当然聞いているはずなのに、なんで不安をあおるような報道し続けるのかです。 メディアと学会との対話不足? お母さんたちが、なぜ不安に駆られ、国は信用できないと思い込まねばならないのでしょう。
ともかく、1マイクロシーベルト/hはWHOの5ミリシーベルトから導かれているようです。これは、100ミリシーベルトに比較して1ケタ以上も幅を持った安全サイドの数値でした。
緊急時は少し緩めて、ホットスポットの除染に集中したほうが良いのではないか?
問題は、講演の始まる前に、録音・録画を禁止したことです。 なんで!
聞いていた人たちのからの質問は、単純なものでヒステリックなものはなかった。
http://www.nirs.go.jp/information/info2.php
I氏(会社員 京都府)
マスメディアにとって”良いニュース”とは、視聴率の稼げるニュースであって、視聴率の稼げるニュースとは”悪いニュース”であるからです。
”安全です”というニュースを見逃しても命を即座に命を落とすことは無いが、”危険かもしれない”という情報を見落とせば、命にかかわる可能性がある。だから、危険である(かもしれない)、というニュースは視聴率を稼ぎ易いのです。
人類のこの習性は、捕食動物から身を守るために進化の過程で身に付けた物ではないか、という説を目にしたことがあります。であれば、根は深い。
T氏(原子力関連 茨城県)
同感です。住民の方は、どっちの話を信じていいのかわからず、混乱しています(本日、富岡、双葉町の一時立ち入りプロジェクトに参加し、お話を伺ってきました)。この人の話なら信頼できると、いうことが伝わることが大事だと感じました。
H氏(会社役員 福島県)
政府も信頼出来ない、マスコミも信頼出来ない、医師さえも信頼できないとなったのがチェルノブイリから140Km離れたキエフでの現状です。19年経っても29パーセントの母親がうつ病に苦しんでいると言う報告がNY州立大学のエベリン女史より。
(←tomam:いくら何でも高すぎるのでは!?)
ベラルーシでは、現在、ステークホルダー諮問委員会という組織が情報を発信しています。
ドイツ、イギリス、フランスも参加し、様々な検討や経験から出来た組織がこのステークホルダー諮問委員会です。
私たちAFTCは、この組織の構築に奔走しています。
リスクリテラシーやメディアリテラシィーを浸透させることが出来る組織を目指します。
みなさん、応援してください。
http://benton.jp/tamuramirai/stakeholder.html
M氏
リスク評価には有害性情報と暴露情報が必要です。
これまで、原発問題では放射線による発がん増加が取り上げられ、100ミリシーベルトが云々されてきました。
「生涯では50%のひとががんになり、30%の人ががんでなくなる。放射線の影響は100ミリシーベルト以下では有害性のデータはなく、推測により100ミリシーベルトでは0.5%の発がんの増加である。」これが、内堀氏の講演の根幹になっていました。
これと、現在の「放射線への不安と恐怖感」は結びつきません。 30%と30.5%とでは誤差範囲で、統計をとっても検証できないぐらいじゃないですか。
なにか、ほかの有害性がとり沙汰されているのですか? ニュースを見るたびに考え込んでいました。 「子供を外で遊ばせると病気になる。」と話すお母さんの姿は、何を問題にしているんだろう。 「涙を流して、暴露量を下げたい」という根拠はなんなんだろう。
この何かを理解しない限り、私には現状がつかめない。
「チェルノブイリから140Km離れたキエフでの現状です。19年経っても29パーセントの母親がうつ病に苦しんでいると言う報告がNY州立大学のエベリン女史より。」
ほかにもあるのですか?
H氏
同女史は、風評、デマ、医師の教育不足、スティグマ、チェルノブイリで手が届かなかった問題点と指摘。
さらには、アルゼンチンのゴンザレス氏は、日本人の「恥」の概念にどう立ち向かえば良いのか。
長崎大教授(現福島県立医大副学長)山下医師の「ここにいることが、一番安全なのです」原発事故後直後に飯舘村での発言の意味を理解するのに、私は3ヵ月掛かりました。
避難することが多くの精神疾患につながることを知っての発言でした。
25年間、チェルノブイリで戦ってきた方々の意見だと理解できなかったのです。
25年前、世界中からその時の精鋭が、チェルノブイリに結集しました。
25年後、その精鋭たちは英知と名を変えて、福島に結集したのです。
その世界の英知たちが結論を出しています。
恐らく、何も起こらないでしょう。
100mSv/yでも何も影響は無いだろうとも。
残るは、精神疾患だけ。
けれども、これが惨憺たる状況へ。
チェルノブイリ、スリーマイル島、そして福島でも。
http://www.facebook.com/groups/yasuienv/
福島の現状は、解決の方向に向かっているとは思えません。
M氏
ありがとうございます。いただいた説明でほぼ納得しましいた。
私の娘も郡山にいて、必ずしも部外者とは言えない立場です。
事故直後一か月ほどは娘も被ばくを避けるように、「子供を戸外に出すな、外出時長袖着用、マスク着用・・・などなど」の指示に従っていたようですが、学校が始まってからはとても遵守は無理とあきらめたようです。 私も、子供を室内に閉じ込めるのはとても無理で、もし本当に不安なら避難した方がよいと伝えました。
どう調べても、急性のハザードはなさそうですし、発がんリスクも急に高まるとも考えられませんでした。
でも、「明らかにされている発がんリスク以外に何かリスクがあるのではないか?」と自問自答を繰り返してきました。 なぜって、発がんリスクからのリスク評価結果からは、こんな騒ぎが起きるはずはないでしょう。
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発がんリスク以外のリスクについてはWHOの報告を見つけました。これは別の記事で報告します。
H氏が書かれている「AFTC」とは、福島県田村市の「たむらと子どもたちの未来を考える会」です。この方は、この会の役員をされています。
http://benton.jp/tamuramirai/tamuramirai.html
役員の顔ぶれをみると、大部分が地元の中小企業か商店の方々のようです。
このような、顔が見える組織だと、地元の方々も信用できそうです。
会の名称だけからすると一見、声高に放射線の危険性を煽るだけの会かのように見えますが、役員の方が「環境学ガイド」に参加してしばしば発言されているように、冷静に科学的な観点で考えながら進められているようです。
上記でも書かれているように、リスクリテラシーやメディアリテラシーに関しても行動を起こされているようで、(失礼ながら、田舎のおじさんたちが!)このような活動をされていることに敬服いたします。
<参考>
リスクリテラシー
http://www.isd-r.com/risk-bk05/literacy.html
「リスクリテラシー」とは、リスクに接する際、その背景にまで考えを及ばせ、リスクの波及範囲を正しく見極め、対処する力です。
リスクリテラシーを磨くことによって、リスクを的確に判断して行動できるようになるため、徒に怯えたり、逆に先送りしない対処方法をとることができるようになります。
メディアリテラシー
Wikipedia
メディア・リテラシー(英: media literacy)とは、情報メディアを主体的に読み解いて必要な情報を引き出し、その真偽を見抜き、活用する能力のこと。「情報を評価・識別する能力」とも言える。
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