恐竜と鳥と羽毛 | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

先日、始祖鳥は鳥ではなく恐竜? いや「鳥は恐竜の一種」! という記事を書きました。 関連したお話を。


最近、日本で羽毛を持つ恐竜の化石が発見されたとのニュースがありました。

http://www.asahi.com/science/update/0715/OSK201107150154.html


(引用開始)
二足歩行の羽毛恐竜の化石発見 兵庫の地層「篠山層群」

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 兵庫県篠山市の前期白亜紀の地層「篠山層群」(約1億1千万年前)から、二足歩行で羽毛の生えた小型恐竜(デイノニコサウルス類)の左前脚と左後ろ脚の化石が見つかった。県立人と自然の博物館(同県三田市)が15日、発表した。

 同館によると、同類の骨格化石は福井県勝山市で2007年に見つかったのに次いで国内2例目。昨年9月、市民でつくる地学研究グループの2人が岩塊(縦約13センチ、横約17センチ、厚み約10センチ)から見つけた。

 左前脚が上腕骨から指骨までほぼ完全な形でつながっており、見える部分で最も長いのは上腕骨の8.5センチ。前脚を伸ばすと長さ約25センチになるとみられ、体長約1メートルと推定している。
(引用終わり)


飛べないのに羽毛を持っていた恐竜・・・。

羽毛は何のためにあったのでしょうか?
恐竜はいつから羽毛を持つようになったのでしょうか?

そんな疑問について調べてみたら、こんな記事を見つけました。


ナショナルジオグラフィックの記事
http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/1102/feature01/

以下、一部引用しながら説明します。


まず、昔はこのように考えられていました。
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 一方で、爬虫類の鱗(うろこ)を調べて、羽の起源を探る試みも進められた。鳥の祖先がもっていた鱗が、世代を重ねるうちにしだいに伸びて、やがて縁が裂けて羽が誕生した―そんなシナリオが考えられたのだ。


 鱗が羽になったのは、飛ぶためだと考えればつじつまが合う。鳥の祖先が、鱗に覆われた小型の爬虫類で、樹上生活をしていたと仮定してみよう。鱗が 長くなれば、枝から枝に跳び移るときに、より遠くまで滑空できる。まず滑空の段階を経て、やがて前肢が翼に進化し、羽ばたきができるようになって、自力飛 行ができるようになったのではないか……。


 つまり、羽の進化は飛行能力の進化とともに起きた、という筋書きが考えられたのである。

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しかし、新たな化石の発見により、最近はこんな説になっているようです。

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 最近まで、最初に羽毛をもったのは、現生の鳥類に連なる、獣脚類の初期の恐竜だと考えられていた。しかし2009年、中国の研究チームが、毛のはえ た鳥盤類(ちょう ばんるい)の恐竜ティアニュロングを発見したと報告した。鳥盤類は、同じ恐竜でも獣脚類とは系統的に大きくかけ離れている。


 この発見で、これまでとはまったく異なるシナリオが有力になった。鳥盤類と竜盤類(りゅうばんるい)(獣脚類も含む)が枝分かれする以前、つまりすべての恐竜の祖先の段階で、すでに毛のようなものがあり、その後の進化の過程で、一部の恐竜では羽毛が退化したという筋書きだ。


 一方で、空を飛ぶ爬虫類、翼竜にもふさふさした表皮をもつ種がいたことが発見された。これが羽毛であることが確認されれば、羽の起源はさらに古い時代、翼竜と恐竜の共通の祖先までさかのぼることになる。


 さらに驚くべきシナリオもあり得る。いま生息している動物で、鳥類、恐竜、翼竜に最も近縁のグループはワニ類だ。ワニの体は鱗板で覆われている が、羽の形成にかかわる鳥の遺伝子と同じ遺伝子を、ワニももっていることがわかっている。つまり、鳥類と爬虫類が枝分かれする前、2億5000万年前のワ ニ類の祖先は羽をもっていた可能性があるということだ。

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図鑑に載っている恐竜の絵は、昔はくすんだ緑とか茶色とかの色ばかりでしたが、最近の図鑑では鮮やかな赤や青なども使われています。その違いに驚いていました。

しかし、もし多くの恐竜や翼竜が羽毛を持っていたとすると、さらにまた全く異なるものになりますね。



では、その羽は何のためにあったのでしょうか?

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 もう一つの謎は、羽は何のために生まれたかだ。飛行のためでないとすれば、羽をもつことにどんな利点があったのだろう。これまで言われてきたのは、保温のためという説だ。

 


 近年になって別の説が浮上している。羽は見せるために進化したというものだ。いま生息している鳥類の羽は実に多様で、色とりどりのデザインが目を 奪う。2009年、同じように獣脚類の恐竜の羽も、ディスプレイのために進化したのかもしれないと、その構造に注目が集まった。きっかけは、羽の中にメラ ノソーム(メラニン小体)と呼ばれる、色素を含む小胞が見つかったこと。メラノソームは形によって色が異なるので、現在の鳥と照らし合わせれば羽毛の色が わかる。しかも化石のメラノソームは非常に保存状態が良いので、色の再現性も高い。たとえばシノサウロプテリクスの尾羽は、赤みがかった色で、白い縞模様 があったようだ。

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鳥にはカラフルな種が多いこともあって、羽は最初見せるのものためだったというのは、あり得そうな気がしますね。



では、恐竜の一種である鳥は、どのように空を飛ぶようになったのでしょうか?

・・・まだ定説はないようです。

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 最初の用途が何だったにせよ、おそらく羽が生まれてから何百万年も後に、恐竜の仲間のうち、ただ一つの系統が羽を利用して空を飛ぶようになったのだろう。


 羽毛恐竜が、どうやって空を飛ぶようになったのか。学者たちは今も活発な議論を続けている。地上を走りながら、羽ばたきをしているうちに、揚力を得て飛ぶようになったという説がある。一方で、後肢にある翼のような羽が足手まといになって走れなかったという意見もある。滑走説に批判的な学者たちは、木から木へと滑空するうちに飛び立ったという従来の説を再び持ち出している。
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進化って、本当に不思議です。なぜこんなことが起きるのか、興味は尽きません。


進化論についても書きたいと思っているのですが、まだまだ力不足です。

いずれまたの機会に・・・。



最後に、こんなニュースも。
上記の元記事本文に出てくる、アンキオルニスという羽毛恐竜です。

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2010020501

羽毛恐竜の全身色:アンキオルニス


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National Geographic News
February 5, 2010

 1億5500万年前に生息した羽毛恐竜アンキオルニス・ハックスレイ(学名:Anchiornis huxleyi)のイメージ画像。「Science」誌に掲載された最新研究によると、アンキオルニスの全身の配色が解読されたという。恐竜の全身色の科学的な再現は、史上初めての快挙だ。