放射能検出汚泥肥料の流通に反対する署名運動 & 送電線国有化の署名その後 | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

ブルンさんがブログで書かれていた署名運動について、私も紹介させていただきます。
http://ameblo.jp/brunn/entry-10947213836.html


まずは基礎知識から。下水処理場で何をしているかをごく簡単に説明します。
(一応、水質関係第一種公害防止管理者の資格を持っているのですが、確認しながら:汗)

下水処理場に送られた下水は、最初に、沈殿する物質を重力沈降などの方法で除去された後、主処理である生物学的処理に送られます。

ここでは下水を、「活性汚泥」と呼ばれる細菌・原生動物・微小生物が混在した「きたない泥」と混ぜて空気を吹き込みます。するとこれらの生物が、下水中に含まれる有機物(油脂、たんぱく質、糖質など)を分解(=エサとして消費)して自分は増殖します。

次いで沈降法などによってきれいな上澄み液と「濃縮汚泥」とに分離され、水の方はさらに消毒など必要な処理を受けた後、河川や海に放流されます。
濃縮汚泥は、その大部分は再び処理に返送されて生物学的処理に再使用されますが、生物が増殖した分だけ余計になっていますので、その分を「余剰汚泥」として外部に捨てなければなりません。

この余剰汚泥は、脱水して焼却するものと私は思っていましたが、乾燥させて肥料として販売していることもあるようです。そのまま乾燥肥料として販売していることもあれば、他の原料と混合して肥料としている場合もあるようです。

下水の処理過程には金属分を分離する工程はありませんので、もし下水中に金属分が溶解していたら、それは濃縮されて汚泥の中に入ってきます。
一般に、肥料として使う場合のヒ素、水銀、カドミウム等の有害成分の上限値が定められています。

参考:
宮崎市上下水道局のサイト
http://www.suidou-miyazaki.jp/institution/energy_02.html
千葉県のサイト
http://www.pref.chiba.lg.jp/ninaite/network/h20-fukyuu/yuuki.html


さて、以上の基礎知識を踏まえて。

6月24日に農水省は、公共下水道の汚泥の肥料は、汚泥の放射性セシウム濃度が1キロ当たり200ベクレル以下であれば使用を認めると発表しました。

http://mainichi.jp/select/science/news/20110625k0000m040081000c.html
(引用開始)

 農林水産省は24日、放射性物質を含む汚泥を原料とする汚泥肥料の取り扱い基準を発表した。公共下水道の汚泥の肥料は、汚泥の放射性セシウム濃度 が1キロ当たり200ベクレル以下であれば使用を認めるとした。地域内だけに流通する、集落排水からの汚泥肥料については▽使用する農地の土壌より汚泥の セシウムの濃度が低い▽濃度が1キロ当たり1000ベクレル以下--の2条件を満たせば、特例措置として13年3月まで認める。

 農水省は同日、汚泥肥料の使用を自粛している東北や関東などの15都県に基準を通知した。公共下水道の汚泥肥料の基準は、放射性物質に汚染されていない地域も含む広範囲に流通するなどとして、非汚染農地の土壌のセシウム濃度の平均値などから決めた。
(引用終わり)

セシウムはカリウムと性質が似ているアルカリ金属で、水によく溶けます。放射性同位体であっても化学的性質は変わりません。福島第一原発から排出された放射性セシウムは、水に溶けて一部は下水に流れ込んでいると考えられます。これが汚泥に濃縮されています。
(なお、ストロンチウムはカルシウムと似ているアルカリ土類金属です。)

下水処理場で、放射性物質が含まれている汚泥の処分に困っているということは、ニュースで見たことがありました。しかし微量とは言え、わざわざ肥料として使って汚染されていない地域の農地まで放射性物質による汚染を広げ、その作物を人間に食べさせることはないだろう、と考えます。


この問題に対する反対署名運動が起きています。
http://www.shomei.tv/project-1785.html

(引用開始)
農林水産省が6月24日に設置した、放射性物質を含む下水やし尿などの汚泥を肥料の原料として利用する場合、放射性セシウム濃度は1キロ当たり200ベクレル以下とする基準、に対して反対するものです。食料という人間にとって一番大切なものを作るための農作地に、処理に困った放射性物質を含む汚泥をバラまく事がどれだけ危険な事なのか、政府が理解した上でこの安全基準を設置したとはとても思えません。日本という国に住みながら、政府が行う事に対して信用できない、というのはとても哀しい事ですが、自分の身、そして子ども達の将来を守るためには、小さい事かもしれませんがこういう署名活動で『反対』という民意を示したいと思います。
(引用終わり)

私も賛同して署名しました。


なお、農水省の方針に対し、セシウムの生物学的半減期が90日程度なのに対して、ストロンチウムは方生物学的半減期が50年と長いので、より危険。セシウムだけで判断すべきでないとの専門家の意見もあります。
http://gendai.net/articles/view/syakai/131373

この件に関して農水省の役人と議論した経緯が書かれたブログも紹介されています。役人答弁とはまさしくこれという見本です。コメント欄にも重要な意見が書かれていますので、合わせてお読みください。
http://d.hatena.ne.jp/eisberg/20110705/1309881589

※生物学的半減期は、単にある元素が体内にどれぐらいとどまっているかを示す指標であり、放射性同位体であるかどうかを問題にしないため、放射性同位体の物理学的半減期より長いこともあるようです。
 私は両方を加味したものと勘違いしていたように思います・・・。


(前回のご紹介とは大きく異なり、)署名の締め切りは12月27日とずいぶん先です。
・・・こんなに悠長に構えていていいのかと思いますが。

もしご自身で判断の上、賛同される方がおられたら、ご署名ください。



ついでに、先にご紹介した「送電線国有化」の署名、経済産業大臣政務官の中山義活議員に届けられたようです。てんつくマンという方のブログに書かれています。

2011-07-08
「送電線の国有化を願う1000万人の署名、届けて来ました!」
http://ameblo.jp/tentsuku-man/entry-10947116628.html

何だか、思ったより軽いノリですね(笑)。
ま、肩肘張るよりも、こんな感じの方がいいのかもしれません。

「送電線の国有化を願う1000万人の署名は今、163.254名。
これからも続けていきます。
署名の用紙やホームページをいろいろ変更するまでもう少々、お待ち下さい。
次は100万署名が集まったら持っていくからね。」

とのことですので、もし前回間に合わなかった方は、ご熟考の上よろしければサイト更新され次第、ご署名を。
http://maketheheaven.com/japandream/