(昨晩、ブログを書いている途中でメンテナンスに入ってしまいました。時差もあるのでつらい。)
菅首相の退陣時期をめぐって、与野党でいろんな動きが活発化しています。
日経新聞記事
(引用開始)
菅直人首相は20日夜、首相公邸で民主党の岡田克也幹事長ら執行部と約2時間協議した。岡田氏らは首相に退陣時期を明確にするよう求めたが、首相は再生エネルギー特別措置法案の成立に意欲を示し、平行線をたどったもようだ。岡田氏は同日の与野党幹事長・書記局長会談で、22日までの今国会の会期を10月中旬まで約4カ月延長する案を提示した。21日に野党と再協議する。
(引用終わり)
『菅首相の最終兵器は「脱原発解散」 「小泉郵政選挙」再来目指す?』という憶測も流れてきているようです。
http://www.j-cast.com/2011/06/20098960.html
(引用開始)
菅首相が妙に元気で強気だ。「菅降ろし」の動きは消えてはいないが失速感も出てきた。菅首相が元気な背景には、いざという時には、「脱原発」を掲げて衆院を解散し、そして圧勝――とのヨミがあるから。そんなシナリオさえささやかれ始めた。
(中略)
大島氏の脳裏に浮かんだのは、2005年の「郵政選挙」だったのかもしれない。自民党内の大反対を小泉純一郎首相が押し切って解散し、その結果、自民党が、というより「小泉派」が地滑り的大勝利を収めたあの選挙だ。「脱原発選挙」が「郵政選挙」の再来となれば、自民党は大敗しかねないことになる。
(引用終わり)
私は、何度も書いていますが、菅首相は遠からず退陣すべきと考えていますが、とにかく再生エネルギー特別法案などエネルギー政策の大転換だけは、菅首相の間にしっかりと方向付けしてほしいと考えています。
菅降ろしの背景には、東電擁護・原発利権に群がる政治家の影がはっきり見えていることを以前にブログで紹介しました。
(→菅首相攻撃のウラに原発の影 http://ameblo.jp/tomamx/entry-10920537980.html
)
福島第一原発の事故が起きたこのような状況でも、原子力利権を手放したくない超党派の議員たちは、「地下式原子力発電所政策推進議員連盟」なる団体を結成し、5/31に第一回勉強会を開催しています。
Wikipedia
より
(引用開始)
東京電力福島第一原子力発電所、レベル7の大事故最中の2011年5月、地下式原子力発電所の建設を推進する超党派の議員により結成。5月31日に第一回の勉強会が開催された。主要な電力は将来も原子力でまかなう必要があるとして、原発事故の封じ込めが可能な地下原発の推進を要望するとしている。
会長 平沼赳夫(たちあがれ日本)
顧問 谷垣禎一、安倍晋三、山本有二、森喜朗(自民党)
鳩山由紀夫、渡部恒三、羽田孜、石井一(民主党)
亀井静香(国民新党)
事務局長 山本拓(自民党)
(引用終わり)
大物政治家が名を連ねています。元首相が4人も。
すなわち、こんなご時世になっても、今まで培ってきた巨大な原子力利権・東電との関係を手放したくない御仁たちでしょう。
谷垣禎一、安倍晋三、鳩山由紀夫、渡部恒三・・・菅首相を早く退陣に追い込む動きでニュースに登場する面々です。
亀井静香だけは意外・・・。
この地下式原発について、技術的に批判がされています。
http://yokita.blog58.fc2.com/blog-entry-131.html
(引用開始)
地下式原発(地下立地式原子力発電所)なら安全だと主張している人がいるのには驚きますが、彼らは地下式原発がどのようなものか、分かって地下式原発を推進しているのでしょうか?
(中略)
排水口だけでなく、排気口も必要なので、地下式とは言っても一度事故が起きてしまえば、放射性物質は排水口と取水口と排気口から、ダダ漏れになってしまいます。
福島第一原発のように、空気中にむき出しの原発でさえ手が付けられず、廃炉するのに四十年から百年は必要だと見積もられているというのに、地下で事故が起きてしまえば、さらに作業が難しくなるだけです。
しかも、穴を掘る余計な費用が発生するので、工事費用も跳ね上がってしまい、バックグラウンド費用を加えると発電コストが一番割高になる原発の発電コストを、さらに押し上げます。
(引用終わり)
安全でもなければ低コストでもない、原子力利権を守るためだけのものであることがわかります。
これだけ大物議員が集まって超党派でこんな動きをされると、とっても気持ち悪いです。
一方、「エネシフジャパン」という「日本を自然エネルギーにシフトする国民と議員の協働イニシアティブ」を掲げる組織も立ち上がっています。
4/26に第一回勉強会を開催しています。
こちらの「呼びかけ人」は2011年6月2日現在、国会議員31名、学者・文化人・ジャーナリスト・市民運動家・実業家・自治体首長など66人、計97人。
とのこと。
ホームページはこちら。http://www.sustena.org/eneshif/
こちらも国会議員は超党派。国会議員だけを挙げると。。
民主党 相原久美子、石津政雄、大河原雅子、櫛渕万里、長島昭久、前田武志、村越祐民、
山田正彦、太田和美、山崎誠、長妻昭
自民党 加藤紘一、鴨下一郎、川口順子、河野太郎、高村正彦、西村康稔、茂木敏充、山田俊男
公明党 遠藤乙彦、加藤修一、
共産党 吉井英勝
社民党 阿部知子、服部良一、福島みずほ
みんなの党 浅尾慶一郎、川田龍平、水野賢一
国民新党 亀井静香、下地幹郎
たちあがれ日本 園田博之
新党日本 田中康夫
新党改革 荒井広幸
当然ながら、過去に私のブログで賞賛した河野太郎、吉井英勝、福島みずほ議員の名前があります。
長妻昭、加藤紘一、川口順子、高村正彦、川田龍平、園田博之、田中康夫といった有名議員も結構いますね。亀井静香が両方に名前があるのはご愛嬌か(笑)。
菅直人首相が「私の顔をみたくないならこの法案を通せ」と躁状態ではしゃいでいたのはエネシフ勉強会でした。
どちらも超党派の国会議員の動き。
私は、エネルギーシフトこそが今回の福島第一原発の事故の災いを転じて将来につなげる最大の政治課題と考えています。
ともに超党派の動きですが、原子力利権を温存しようとしている与野党大物政治家が名を連ねている菅降ろし組が力を持たないよう、菅直人の退陣を少々遅らせることを許容してでも、(権力に固執している)菅直人をうまく利用してエネルギーシフトを実現しようとする、超党派の(有名でも)政治的力量の小さい議員の集まりの方を支持します。